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「民泊」全国解禁迫るも、消費者の約9割「利用する気はない」。居住地域の資産価値への影響懸念の声も……

賃貸経営/民泊 ニュース

民泊ビジネスを取り巻く環境があわただしさを増している。6月15日の住宅宿泊事業法(民泊新法)施行に向けての物件の届出件数は低調であるものの、民泊市場を新たに収益につなげたい思惑が働く。ただ、特徴的なのは、不動産大手が民泊参入を見送る中で、小売りや旅行といった他業界の大手が相次いで民泊ビジネスに期待していることだ。

民泊イメージ写真
写真はイメージ

コンビニ大手は3社そろって民泊関連サービスに参入することを表明した。ファミリーマートは5月下旬に民泊仲介大手の米エアビーアンドビーと提携した。エアビーアンドビーに登録してある物件を対象に都内コンビニ店で部屋の鍵の受け渡しができるボックスを設置する。利用者の本人確認も店頭にタブレットでできるようにするという。セブンイレブンは、旅行大手のJTBと組んでコンビニ店内にチェックイン専用機を設置する。ローソンは、カナダの企業と鍵の受け渡しで提携した。

いずれも訪日客マネーの取り込みを狙ったものである。民泊利用者がチェックインとチェックアウトの最低2回はコンビニに立ち寄るため、ついでの買い物に期待している。

民泊新法の営業日数は最大180日間である。この国の規制に加えて、各自治体による上乗せ規制が相次いだことで、事実上、民泊での収益確保が難しくなっている。そうした状況を受けて民泊一辺倒でなく、ホテルや簡易宿所、ゲストハウス、マンスリー賃貸などとの併用で対応するケースが増えている。

例えば、宅都ホールディングス(大阪市中央区)は、楽天LIFULL STAYと業務提携し、ビルやマンションのオーナーを対象に民泊向け物件として一括借り上げ(サブリース)する。国家戦略特区と民泊新法の両方に対応するという。民泊新法の180日を超えた期間は、簡易宿所やホテル、ゲストハウスなどで対応していく考えでおり、その期間も含めて物件オーナーに対して365日サブリースを提案していく。

このサブリースには2パターンを用意した。毎月固定の賃料を入居の有無にかかわらずオーナーに支払うのが一般的だが、この固定保証賃料に加えて収益連動型を導入した。つまり、一定のラインを超えた収益部分を保証賃料に加えてサブリース事業者とシェアする。

また、民泊として稼働したものの、収益が芳しくなく運営が上手くいかないと判断したら、一般の賃貸物件の運用に切り替えるという柔軟性を持たせる。このため、民泊のサブリースする際には、一般の賃貸物件としての募集賃料も同時に査定するという。

中古マンション販売のスター・マイカも、民泊仲介サイトを運営するSQUEEZE(東京都港区)との協業によって民泊とマンスリー対応したシェアプランを導入する。スター・マイカの子会社がオーナー物件をサブリース物件として借り上げて運用し、入居者の入れ替えなどの空室期間を中心に民泊運用するという。マンスリー運用の合間を縫う格好だ。こちらもサブリース賃料に加えて、民泊で得た収益実績をシェアする。

ただ、一般消費者の民泊への関心は低い。近隣の民泊運営への抵抗感は強く、こうした住民の不安を解消できるように自治体が独自の条例で規制していく流れは続きそうだ。

民泊記事@
出所:インテージリサーチ

調査会社インテージリサーチ(東京都東久留米市)が5月中旬に1万人を対象に実施した民泊に対する意識ギャップ調査「近隣にあったらどうする!?」では、民泊に賛成しない結果が浮き彫りとなった。

家主不在型は、「賛成しない」との回答が55.7%と半数を超えており、家主在宅型でも賛成しないが4割を超えた。家主不在型では、60歳以上のシニア層で民泊反対が6割を超えた。男女とも年齢が高くなるにつれて反対が強まっている。「賛成する」と「まあ賛成する」を合わせても17.3%に過ぎない。

とりわけ、分譲マンション居住者の民泊に対する拒否反応は強く、居住者の7割近くが反対姿勢となっている。分譲マンションは、コミュニティーや共用部分が資産価値を左右することも民泊の運営は受け入れ難いとしている。

ニッセイ基礎研究所の非常勤客員研究員で大和不動産鑑定の主席研究員である竹内一雅氏も、「住居地域に民泊物件があったり、中古マンションに民泊を導入すると、その居住地域や既存物件の資産価値が毀損するのではないか。民泊は、都市計画で分離している問題を混同している」と指摘している。

では、賛成には何が必要なのか。意識調査によると、「トラブルを起こした民泊施設の営業停止」が51.9%と最も高く、次いで「対面による本人確認の実施」(37.0%)となっている。「周辺住民への民泊営業の周知」(32.9%)や「どんな規制があっても賛成できない」(33.8%)との回答が続いている。

記述式の自由回答には「近隣でスーツケースを持った旅行者のように見える人がうろつくことがストレスになる」と生理的に受け付けないような意見まであったという。

民泊記事A
出所:インテージリサーチ

そもそも民泊を経験したことのある人も同調査では 5.1%に過ぎない。「利用したことはない」(94.9%)との回答が圧倒的だ。今後の利用意向についても「利用する気はない」(86.9%)が大多数を占めている。他の年代に比べて利用意向の高い10代であっても利用する気がないとの回答が75%以上に達している。

京都簡易宿所・民泊協会は、昨年11月の設立総会で「違法民泊排除決議」を採択し、適法業者に悪影響が及ばないよう京都府、京都市、京都府警と連携を取って違法者の取り締まりの姿勢を打ち出した。

厚生労働省も今年5月21日、都道府県と政令市特別区衛生主管部局長あてに通知を出し、無許可営業者に対する立ち入り検査などの権限を十分に活用し、悪質業者には、警察と連携することなどで取り締まりを強化することを通達している。

なにかトラブルが生じればそれに呼応する形で、各自治体での規制がさらに強まる可能性があるだけに安心して参入できるビジネス領域とはいいづらい。当面は様子見が続きそうだ。

ちなみに不動産大手が民泊に消極的なのはなぜか。「近隣住民とのリスクが大きすぎる」「トラブル調整など手間がかかる割にメリットが薄い」「我々がするべき仕事ではない。やるならホテル(開発・運営)だ」「民泊仲介会社はプラットフォームを整備するだけで、現場でトラブルが発生して矢面に立たされるのは不動産会社だ」などの声が集まってくる。

健美家編集部

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