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大阪特区民泊。オフィスビル壁面を撤去し用途変更、改修費は約5年で回収予定。ドライエリアの露天風呂が印象的。

賃貸経営/民泊・旅館業 ニュース

2019/12/16 配信

大阪市の中心部にあって、南北に伸びる上町台地(うえまちだいち)のほぼ中央部に位置する上本町は江戸時代以前から人が居住、街並みが形成されてきた地域。

近鉄大阪線・奈良線の大阪上本町駅と大阪メトロの谷町線、千日前線の谷町九丁目駅が交差する交通の要衝でもあり、周囲には寺院、学校が多い。近年は文教地区として住宅ニーズが高く、タワーマンションが増えた地域でもある。

そんな上本町の駅から歩いて5分ほどの場所にオフィスビルをコンバージョンして宿泊施設「ZENIYA INN UEHOMMACHI(以下ZENIYA INN)」が生まれた。

住宅ニーズの高まりと同時に、オフィスとしてのニーズが弱まっていたそうで、そこで従来は選ばれたであろうごく平均的なオフィスを提供し続けていても空室は埋まらない、そこで思い切ってという判断である。

オーナーは明治43年創業という地元の老舗企業。この地域がバブル期に一時衰退していたことを教訓に、地元を盛り上げようという意識から自社ビルカフェやギャラリーなどを作り、地域に開いてきた会社でもある。そこで、空室をゲストハウスにするという発想が生まれた。

まちにはいろいろな人が混在、混ざり合って住んでいるほうが良い、それが活気を生み、住みやすいまちを作るという発想である。

現地は駅から少し離れるといかにも古そうな店舗や大事に祀られ続けてきたお地蔵さんなどもある一方で、見上げるとタワーマンションという地域。ビルは1989年に建設された7階建てのもので、築30年。元々は1階、2階に2室ずつ、計4室のオフィスがあり、建物正面から共用エントランスを通って入る動線になっていた。

外観。元々は右側に見えるビルと一体のものだったが、抗して見るとまるで別の建物のように見える
外観。元々は右側に見えるビルと一体のものだったが、抗して見るとまるで別の建物のように見える

その動線のままで宿泊施設にしようとすると建物全体に消防法等で宿泊施設に求められる規制がかかることになる。それを避けるため、道路側のドライエリアを利用し、独立した各部屋への出入り口、階段を作り、ビル内を通らない作りの長屋4戸とした。公道に沿って東西方向に2室ずつという作りを玄関から南北に2室ずつと変更してもいる。

改修前の状態。宿泊客が建物内を通る動線になっていた
改修前の状態。宿泊客が建物内を通る動線になっていた
それを公道側から入れるようにした。この区画のみ独立したものになっているわけである
それを公道側から入れるようにした。この区画のみ独立したものになっているわけである

入ると最初の空間は土間的なリビングとなっており、奥は一段高くなって寝室。そしてその奥に水回りが配されている。リビングにはキッチンもある。これなら宿泊ニーズの様子を見て住宅に転用するなどフレキシブルに使い方を変更することも可能だろう。

面白いのは1階の1住戸に設置された露天風呂。ドライエリアを利用しており、屋根がないので外として扱われる。建築面積に入らない、でも、部屋の価値を高める空間になっているわけである。

狭い場所のため、全体像が写りにくいのだが、ドアを出て右側に浴槽、その上にシャワーヘッドが見えている。壁面には富士山に鶴など外国人に喜ばれそうなポップな和柄が
狭い場所のため、全体像が写りにくいのだが、ドアを出て右側に浴槽、その上にシャワーヘッドが見えている。壁面には富士山に鶴など外国人に喜ばれそうなポップな和柄が

実はこのところ、他のゲストハウス、シェアハウスなどでも露天風呂をいくつか見かけている。給排水ができ、温水を出せればバスタブを設置、周囲からの視線が気にならない程度の囲いを作れば、それで完成。他にないプラスαの空間が生まれるわけで、ドライエリア、屋上など設置できる場所があるなら導入を検討しても面白いかもしれない。

ZENIYA INNではドライエリアの壁面を利用、富士山に鶴などいかにも和風の壁画が描かれており、実に印象的。また、室内の浴室の窓からも壁画が見えるため、どちらの風呂に入っても楽しいことは間違いない。

オーナーのこだわりで使われている内装材、家具、照明などの説明が置かれていた
オーナーのこだわりで使われている内装材、家具、照明などの説明が置かれていた

それ以外では部屋に置かれた家具や照明器具、内装材その他のこだわりぶりが特筆もの。他にない質感、手作りの印象があるのである。宿泊施設の増える昨今だが、見て、触れて分かる特徴は強いはずである。

ところで気になるのはこれだけの大工事で回収できるのかという点。施工面積は上下階合わせて170u弱、工事期間は躯体、内装と2期に渡り、それぞれに2カ月、計4カ月かかっている。

「もちろん、初期投資はそれなりにかかっていますが、5年ほどで回収できる計算です。大阪の場合、特区民泊で運用できるため、365日宿泊として使えます。そのメリットは大きいですね」(事業企画・設計監理・工事施工と一部運営を担当するアートアンドクラフトの広報担当・土中萌氏)。

入ったところから室内全景。キッチンも作られており、住宅としての使用も十分に可能
入ったところから室内全景。キッチンも作られており、住宅としての使用も十分に可能

民泊の制限を考えるとどこででも可能というわけにはいかないだろうが、宿泊、住宅の二方向を考えて個性的で良質な物件を作るという考え自体はどこででも通用するはずだ。

健美家編集部(協力:中川寛子)

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