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感染症の拡大が民泊直撃、ビジネスモデルの見直し必至

賃貸経営/民泊・旅館業 ニュース

2020/03/17 配信

民泊イメージ

民泊ビジネスが岐路に立たされている。新型コロナウイルスの感染が世界に急拡大しているためだ。今年6月15日で民泊新法施行から3年目を迎える中で、想定外の要因によって訪日客が急減し、民泊事業者を直撃している。

民泊を利用する人の7割近くが外国人旅行客で占めてきた。2019年度の訪日客数は3188万人と過去最高を記録。2020年はオリンピックイヤーという要素も加わり、インバウンド需要に期待が高まっていたものの、状況は一変した。政府目標の2020年に訪日客4000万人の達成は絵に描いた餅となってしまった。4000万人どころか1000万人台にまで落ち込むとの声も聞かれる。

訪日客の主力であった中国人の消費額は、帝国データバンクによると、2020年1〜3月期に約1442億円減り、関連産業への波及を含めると2846億円に相当する売り上げが減少すると推計した。特に宿泊などの対個人でのサービス業の落ち込みが最大だとしている。日本経済が中国頼みということを浮き彫りとし、一極集中のリスクをもろに受ける格好となった。

一般社団法人日本民泊協会など業界団体からは、「壊滅的な事業環境に置かれている」と悲鳴に近い声が上がる。特に大阪を中心とした関西圏や福岡を中心とした九州圏ではインバウンド需要で潤っていただけに訪日客の蒸発が直撃している。稼働率が半分だったり、3割以下の水準になっている例は珍しくない。

特にバックパッカーなどが求める宿泊費の安い民泊ほど稼働率が悪化している。人が密集する都市型民泊ほど痛手は大きい。都市型の民泊の多くは、室内や共用部にキッチンなどを備えて自炊できる環境を整え、宿泊費がホテルに比べて安いことで中長期滞在する需要が高かった。ホテルも新型コロナにより宿泊客急減の直撃を受けていることで宿泊費の値下げを始めている。

そのため宿泊費の割安をホテルとの差別化につなげてきた民泊もさらに宿泊費を下げざるを得ない状況に追い込まれ、消耗戦に突入しており、体力のない事業者が淘汰されていく環境となっている。民泊ブームを受けて問題となっていた「ヤミ民泊」も自然消滅しそうなほど民泊事業は厳しさを増している。

■危機後も利用してもらえるアイデアを

自由民主党賃貸住宅対策議員連盟(ちんたい議連、石破茂会長)では、昨年の議連総会で「民泊新法は、それぞれの地域において必ずしも円滑に行われていないところがある。実施状況をよく確認し、法案の趣旨に沿うようにやっていきたい」、「東京はホテルが取りにくく、宿泊料金も高止まりのまま。東京オリンピック・パラリンピックまでに民泊を大きく開放しないと大変だ」としていた心配事は杞憂に終わりそうだ。

一方で、都市部から離れた八丈島の貸別荘では例年にない活況となっている。不動産賃貸のルシオール(東京都大田区)のブログを見ると、コロナウイルスの感染拡大に伴い人込みを避けて生活したいという宿泊者が増えているという。

このような状況を契機にビジネスを再考する時期に来ているとも言え、インバウンド客の急増と東京五輪の開催を受けてホテル・旅館の不足でスポットが当たった民泊も、そもそもの役割をあらためて整理する契機にもなりそうだ。

例えば、外国人に日本の文化・生活を知ってもらうことは、また日本に来たくなるインセンティブにつながる。これに加えて、日本人であっても旅先で日本の文化・歴史をあらためて探索する潜在的なニーズが強い。寺院巡りや宿坊などは人気だ。

また、定年後が視野に入った会社員が、定年後の過ごし方の一つとして田舎暮らしを考えているのならば農業体験などができる民泊を提供するなど……。訪日客や旅行客の属性や個々のライフスタイルの変化を訴求することが欠かせないだろう。

このような民泊では、利用者は、民泊を提供する家主(ホスト)の触れ合いやもてなしに期待している。東京など大都市部で展開されるホスト非居住型の民泊のような単なる空室対策だけの視点にとどまっている民泊事業との差別化にもつながる。

農村やお寺での宿泊体験などを通じて日本を知る≠ニいう民泊需要は根強い。すでにそこにターゲットを絞って展開する事業者も増えている。新型コロナの感染危機が過ぎ去ったあとをイメージしながら国内外の旅行客を呼び戻せるアイデアを捻出できるかが明暗を分けそうだ。

健美家編集部(取材・文 、 鹿嶋淳一)

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