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短期に申込続々。蔵リノベ+新設長屋の魅力は緑にプラン、住みやすさへの工夫

賃貸経営/リノベ・修繕 ニュース

2021/05/17 配信

川崎市高津区、JR南武線と東急田園都市線が交差する溝の口駅(JRは武蔵溝ノ口駅)から歩いて12分。

駅からは少し離れた場所に農家の母屋、蔵を一部再生、一部新築した物件が登場した。かつては水車もあったという土地にちなみ、スイシャハウス、スイシャオフィスと名付けられた物件には細かい工夫も多数。勉強になった。

農家の母屋、蔵を新たな賃貸空間に

一番右が蔵、通路を挟んで左側に賃貸住宅2棟と作業小屋
一番右が蔵、通路を挟んで左側に賃貸住宅2棟と作業小屋

駅からバス通りをまっすぐ。すぐにスイシャハウス、スイシャオフィスの場所に気づいたのは敷地の角に欅の巨木があったからだ。加えてその一帯だけ緑が濃い。思った通り、そこが目的地だった。

既存の庭から見たスイシャハウスとスイシャオフィス。新築というのにこれほどの緑に恵まれた住宅も珍しいのでは
既存の庭から見たスイシャハウスとスイシャオフィス。新築というのにこれほどの緑に恵まれた住宅も珍しいのでは

東西に長い敷地の右側に蔵を改装したスイシャオフィスがあり、通路を挟んで左に三角屋根の建物が三棟。

遠目には離れているように見えるが、近寄ってみると1階住戸は隣り合っているものの、2階は東西住戸の間にルーフテラスが配され、離れて見える仕組み。

敷地内にも緑が多く、とても新築とは思えないというのが最初の感想である。実際、住戸前の緑の一部は既存の庭を利用しているなど、元々の土地の財産を上手に活用しており、新築には見えない新築となっているのである。

ここは近隣に畑を所有する農家の蔵と少し離れて母屋があった場所で、蔵はオフィスとして再生、母屋は取り壊して4戸の賃貸住宅と作業所、事務室などに新築した。蔵と同じイメージの三角屋根がリズミカルに並ぶ風景は人目を惹くようで、内覧会時には通りがかりに見かけたという人が入ってきてもいた。なんだろう、と思われているのだ。

蔵は2階も利用、南の窓から入る陽光が印象的

蔵の外観。角に設けられて大きな窓のおかげで室内は明るい
蔵の外観。角に設けられて大きな窓のおかげで室内は明るい

蔵の再生では2階を除去、天井の高さを生かすような再生をよく見かけるが、ここでは2階も利用、上下階でひとつのオフィスとなるようになっている。トイレ、キッチンは蔵の脇に別棟を新設してある。多少不便だが、この建物が気に入って使いたいという人ならさほど問題はあるまい。

蔵と賃貸住宅を隔てる通路。ここも緑がまばゆいほど
蔵を賃貸住宅を隔てる通路。ここも緑がまばゆいほど

蔵は窓がなく、内部が暗いイメージがあるが、ここは南側のコーナーに明り取りのガラスが入っており、思っていたより明るい。公道からは駐車場を挟んでいるので外が気になるほどではなく、面白い工夫と思った。

オフィス専用のトイレとキッチン。通路には屋根がある
オフィス専用のトイレとキッチン。通路には屋根がある
太い柱、梁を残して改装、他にない空間になっている
太い柱、梁を残して改装、他にない空間になっている

蔵をそのままで改装するには様々なハードルがあったはずだが、建築雑誌ではないので、そこは省略。ただ、状態によっては蔵も十分に再生可能であり、魅力的な空間にできることは覚えておいて良い。

蔵入口。ここがオフィスと言われたら驚く人多数だろう
蔵入口。ここがオフィスと言われたら驚く人多数だろう
1階。窓を背にしているが内部は明るい
1階。窓を背にしているが内部は明るい
2階。エアコンは壁の中に設置されている
2階。写真左手にあるようにエアコンは壁の中に設置されている

住宅のほうは内覧会時に4戸中3戸まで決まっていたことを考えると、オフィスの動きは遅め。だが、蔵という特殊な建物である。貸す側としても意味、魅力を分かる人に借りて欲しいと思うはずで、誰でも良いとはならない。マッチングには多少時間が必要かもしれない。

豊富な植栽に囲まれた魅力的なアウトドア空間

南側住戸のリビングからウッドテラスを見たところ。実に気持ちの良い空間になつている
南側住戸のリビングからパーゴラデッキを見たところ。実に気持ちの良い空間で、かつ植栽が目隠しになり、プライベート感も
外から見たパーゴラデッキ。手間にはコンクリート敷の空間も。広さもあり、いろいろに使えそう
外から見たパーゴラデッキ。つる植物などを這わせれば本格的なパーゴラになる。手間にはコンクリート敷の空間も。広さもあり、いろいろに使えそう

それ以上に魅力的だったのは住居部分。南向き住戸、北向き住戸が背中合わせになっており、各住戸の1階リビングに面した場所にはパーゴラデッキが用意されている。

植栽が目隠しになっているので独立感が高く、デッキの隣には多目的に使えそうなコンクリート敷きも。駐輪場は別にあるが、子どもの三輪車等を置いておくにもちょうど良さそうである。

室内から見ると窓いっぱいに緑が望め、とても都心の賃貸住宅からの風景とは思えない。人によってはこの風景だけで入居を決めてしまうのではなかろうか。

こちらが住戸間の2階のルールテラス。水栓も用意されており、奥まった感じがある
こちらが住戸間の2階のルールテラス。水栓も用意されており、奥まった感じがある

スイシャハウスにはもうひとつ、屋外空間がある。2階の、東西住戸の間に設けられたルーフテラスで、こちらは階下のアウトドア空間と違い、少し閉じられた雰囲気。ルーフテラスの先にパーゴラデッキがあるため、植栽の緑とも少し離れており、奥まっているのである。南北住戸間は木の格子で互いが見えないようにもなっている。

だが、空は見えるし、緑も。デッキチェアを出して空や星を眺めたらどんなに気持ちがよかろう。思わず妄想してしまったほどである。在宅時間が長くなり、鬱屈を抱えている人なら、気分がおおいに変わる、楽しい空間。どちらにも水栓が用意されており、子どもの水遊びや植物栽培などにも使える。

1階に広いリビング、2階に2個室の2LDK

北側住戸のリビングとパーゴラデッキ。明るさか、落ち着きか、悩むところである
北側住戸のリビングとパーゴラデッキ。明るさか、落ち着きか、悩むところである

室内は1階に約14畳大のリビング、2階に6畳の2室を配した2LDKとなっており、専有面積は64u。南北で多少作りは異なる。だが、1階を入ると広い、緑の見えるリビングという点は共通。非常に開放的だ。

?棟の間取り図。多少の違いはあるが、基本的な配置は4戸に共通
多少の違いはあるが、基本的な配置は4戸に共通

1階には南向き住戸では北側、北側住戸では南側に予備室、パントリーと多少使い方の異なる2畳ほどのスペースが設けられており、向き以外ではその辺りが選ぶ際の差違になりそうだ。

加えて細かいところに使い勝手を考えた配慮があり、いちいちなるほどと頷いた。まず、玄関を入った脇にはウォークインクローゼットがあるのだが、その中に郵便受けが。これなら投函すると室内に入るので雨の日も濡れる心配がなくて済み、外から持って行かれる懸念もない。

玄関わきのシュークロゼット内部の郵便受け。細かい部分の配慮が素晴らしい
玄関わきのシュークロゼット内部の郵便受け。細かい部分の配慮が素晴らしい
これも玄関脇の壁にしつらえられた鍵置き場。土地の歴史を伝え、かつ実用的
これも玄関脇の壁にしつらえられた鍵置き場。土地の歴史を伝え、かつ実用的

玄関脇の壁には小さなトレイが設置されており、聞くと母屋の神棚を再利用した鍵の置き場だという。土地、建物の歴史を感じられる良い工夫でしかも実用的である。

写真上部、細い線が見えるがこれは備え付けのブラインドのためのもの。この部分に日除けが用意されている
写真上部、斜めに細い線が見えるがこれは備え付けのブラインドのためのもの。この部分に日除けが用意されている

リビングのパーゴラデッキに面した窓は高く取られていて開放的なのだが、南向きなどであれば夏はかなり暑くなるはず。それを防ぐためにあらかじめブラインドが設けられており、簡単に日照を遮ることができる。

敷居のない引き戸にびっくり

各室は引き戸で仕切られるようになっているのだが、驚いたことに敷居はない。フラットな床に溝があり、それが敷居代わりになっているのである。敷居がないことから部屋が広く見え、躓くこともなくなる。南側住戸の予備室部分のように「ここ、仕切れるんだ!」と後になって気づくことすらあるほど見えなく作られている場所もあった。

収納はすべてオープン。2階は屋根の形が外観同様にリフレインされていてアクセントに
収納はすべてオープン。2階は屋根の形が外観同様にリフレインされていてアクセントに。床をよく見ると細い溝が作られており、これが敷居になる。上部も同様

収納は徹底的にオープンな作り。最近、よく見かけるが、空間を無駄なく使えるという意味では有効なのだろう。面白かったのはエアコンのカバー。木を使ったナチュラルな空間に違和感が出ないようにという配慮か、木のカバーが掛けられているのである。もちろん、メンテナンス等の作業時には容易に外せる。

他にない物件なら高くても借りたい人は集まる

賃料は18万円台。溝の口駅から10〜15分、新築で2LDKという検索をしてみると建物種別を問わず、サイトにより多少差はあるが、相場は12万〜13万円ほど。それから考えるとかなりお高めということになるが、前述したように竣工後の内覧会時にはすでに4室中3室が決まっていたほどの人気。

しかも、賃料が相場より高めというだけではない。契約条件は今時、あまり見なくなった礼金1カ月、敷金2カ月。それでも借りたい人がいる物件というわけだ。

水回りその他もシンプルながら美しく作られており、久しぶりに個人的にも住みたいと思う部屋だった
水回りその他もシンプルながら美しく作られており、久しぶりに個人的にも住みたいと思う部屋だった

聞くとオーナーは近隣にも多数の賃貸住宅を所有しており、最近は空室も出ているとか。周辺を見回してみると、ごく普通の集合住宅ばかりが並んでおり、数もかなりある様子。それが決まりにくく、逆にこれまでこの地になかっただろうスイシャハウスに人気が集まる。多少高くても広さ、アウトドアスペースのある住宅ならと選ばれているのだろう。

もちろん、これが何十戸もあったら話は別だが、小規模に作るなら思いきって他と違うものというのはいつの時代にも有効というわけだ。個人的には緑の活かし方は今後、これまで以上に意味を持つように感じた。建物周囲だけでなく、室内から見える場所にどう緑を配するか。まだまだ工夫の余地はありそうだ。

健美家編集部(協力:中川寛子)

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