• 完全無料の健美家の売却査定で、できるだけ速く・高く売却

×

  • 収益物件掲載募集
  • 不動産投資セミナー掲載募集

築30年恵比寿の1R、リノベーションで家賃が2倍の15万に。7戸空室から満室にした秘策とは

賃貸経営/リノベ・修繕 ニュース

2022/08/05 配信

恵比寿駅から徒歩8分、築30年、5階建ての鉄筋コンクリート造の賃貸マンションがある。

ワンルームが31戸入るが、現在の所有者が購入した2018年時点で7戸が空室になっていた。それを1戸ずつニーズに応じたリノベーションを施し、さらには集客方法を変えることで、従来の家賃から2倍の家賃設定でも満室にできたという。

いったいどんなリノベーションを施し、どう入居者を募集したのか? 施工から入居者の募集、管理まで一貫して手掛けている「グッドルーム」が7月22日に開催したセミナーで、その秘訣を披露した。

DSCF6812
マンスリーマンションとして運用。プロが選定した家具家電付きで、入居後すぐに生活できる環境が整っている。

2020年の緊急事態宣言中には半数が空室に!
空室を1戸ずつリノベーションしては埋めていった

現在この賃貸マンション「TOMOSマンスリー恵比寿」は満室だが、実は2020年の緊急事態宣言中は稼働率50%まで落ち込んでいた。グッドルームの担当者は次のように振り返る。

「現在のオーナーさまがこの物件を買われた直後、31戸中7戸が空室で、空室改善と収益化を当社に相談されました。そこでリノベーションを1戸ずつ行い、プロが選定した『家具家電』付きのマンスリーマンションとして運用することに。2020年の6月から、当社が運営する、ホテルやマンスリーマンションが定額で使用できる『ホテルパス』で入居者を募集し、従来の約2倍の家賃で運営しています」

各戸17〜22uのワンルームで、3点ユニット、築30年ということで、古さや狭さから入居づけに苦戦していた。そのため水回りは3点ユニットから、バストイレ別で、造作の独立洗面台を設置。脱衣所に、洗濯機を配置するなど、水回りをコンパクトに集約した。住戸によっては、浴室ではなくシャワーブースにした住戸もある。キッチン部分は、システムキッチンの横幅を大きくしてIHを設置。電子レンジやケトルなどの置き場所をあらかじめ確保した。

2
室内の【ビフォー&アフター】従来の殺風景な内装から、ホテルライクなシンプルモダンな空間にリノベーションした。収納スペースをオープンな空間にすることで、室内を広く見せている。

ワンルームながら、ベッドはダブルベッドを配置。ベッド下はスーツケースなど、収納スペースとしても活用できる。気になるリノベーション費用は1戸あたり、250〜280万円。空室から順に、退去が発生するごとに1戸ずつリノベーションしてきた。リノベーション未着手であるのは、残り1〜 2戸。現在は入居者が入っているため、今後退去が発生すれば、リノベーションする予定である。

マンスリーマンションとして運用。長期滞在の利用者が多く、
月額10〜13万円、家具家電付きの部屋のニーズが高い

さらに注目は、家賃を倍にしてでも、集客できた理由である。入居者の募集は、グッドルームの「ホテルパス」を利用しているが、利用者にとってメリットは賃貸住宅に住むのに必要な煩雑な手続きや初期費用が不要で、長期間滞在できる点である。

「ホテルと賃貸住宅の『いいとこどり』をしているのが、このホテルパスで、長期滞在者の利用が多いですね。利用者はサービス開始から2年で100倍に増えています。人気の背景には、東京の家賃上がり続けていることやコロナ禍で東京に住む人が減少傾向にあること等が考えられます」

集客がうまくいっている理由の1つに、一定のトレーニングを受けた専属のライターがキャッチコピーを書いていることも挙げられた。たしかに、サイトを見ると、写真もキャッチコピーも魅力的で、たしかに泊まってみたくなる。

2
グッドルームの「ホテルパス」の一例

利用者の85%が居住目的。
女性ユーザーが多く、会社員の利用が多い

ホテルパスを利用する人の多くは会社員で、男性よりも女性ユーザーが多いという。オフィスに近い場所に住み、好きな住まいを点々とする傾向が見られるそうだ。また、昨今ではリモートワークが浸透し、新しい働き方やライフスタイルが広がっていることも利用者の増加につながっている。

1
「利用のきっかけ」は仮住まいが25.9%、更新・引っ越しのタイミングでの利用が18.1%、一人暮らしの開始が14.7%と85%が居住目的。

なお、マンスリーマンションを利用する場合、利用者にとって「住民票を移動できない」といったデメリットがあるが、グッドルームのホテルパスでは宿泊する場所に、住民票を設定することも可能になっている。

オンラインセミナーでは、実際にグッドルームのホテルパスを利用して、マンスリーマンションに暮らしている社員の話も紹介された。

「一般的な賃貸住宅の場合、敷金や礼金、引っ越し費用など、家賃の5〜6倍はかかるものの、マンスリーマンションではそうした初期費用が一切不要で、手軽に住みたい部屋に住むことができるのがいいですね」(ホテルパスを利用しているグッドルームの社員)

長期滞在の場合、清掃やアメニティの交換が頻繁に必要ではないことで、清掃等にかかるコストを抑えることができる。ホテルパスでは、物件の管理は、一括借り上げ制度を導入しで、グッドルームが管理を担う。電気・ガス・水道などライフラインの契約はグッドルームが行い、入居者から1日300円を徴収している

このようなマンスリーマンションとしての活用によって、空室が目立つ賃貸住宅が生まれ変わることは、非常に有効な活用法だといえそうだ。

しかし、うまく集客できている背景には、このマンションが恵比寿駅から徒歩8分という立地が大いに影響しているだろう。好立地の駅近の賃貸住宅で、「狭い」「古い」といった部屋には、マネできる要素があるかもしれない。

ーーーーーーーーーーーーーーー

健美家編集部(協力:高橋洋子(たかはしようこ))

高橋洋子

https://yo-coo.wixsite.com/home

■ 主な経歴

暮らしのジャーナリスト。ファイナンシャルプランナー。
大学卒業後、情報誌などの編集を経てライターに。価値0円と査定された空き家をリノベーションし、安くマイホームを購入した経験から、おトクなマネー情報の研究に目覚め、FP資格を取得。住宅、マネー関連の執筆活動を行う。

■ 主な著書

  • 『家を買う前に考えたい! リノベーション』(すばる舎)
  • 『100万円からの空き家投資術』(WAVE出版)
  • 『最新保険業界の動向とカラクリがよ〜くわかる本』(秀和システム)など

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

アクセスランキング

  • 今日
  • 週間
  • 月間

不動産投資ニュースのライターさんを募集します。詳しくはこちら


ニュースリリースについて

編集部宛てのニュースリリースは、以下のメールアドレスで受け付けています。
press@kenbiya.com
※ 送付いただいたニュースリリースに関しては、取材や掲載を保証するものではございません。あらかじめご了承ください。

最新の不動産投資ニュース

ページの
トップへ