近年、マンション管理の適正化推進として、長期的な視点で施策が講じられ始めている。
建替えという通過点や敷地売却といった出口に対応するための道筋が整備されつつある一方、「マンション管理計画認定制度」や「長期修繕計画作成および修繕積立金のガイドライン」改訂に象徴されるように、躯体の老朽化を抑制し末永く活かしていくための整備も同時に進んでいる。
今回、「マンションの長寿命化」というテーマについて、札幌在住の一級建築士でS.E.T.建築計画事務所の所長である横山 幸弘氏にお話を伺い、RC造マンションの長寿命化に関する啓蒙活動の一環として解説をもらった。
「三方」の視点をもつがゆえに思いを巡らせ続けてきた課題提起
自身の設計事務所におけるキャリアとしては主に戸建の設計に携わってきた横山氏だが、マンションに関しても3つの視点から俯瞰する立場にあり造詣が深い。1つ目は言わずもがなの「建築士」、2つ目は「住み手」、3つ目は「管理組合の理事」だ。
「自宅は約30 年前に住み始めたマンションですが、職場の設計事務所は別のマンション
...この記事は会員限定です。
会員登録(無料)すると続きをお読みいただけます。
健美家会員のメリット
- 会員限定物件や非公開物件情報が見れる
- 最新のコラムニュース情報がメールで受け取れる
執筆:
(さんとうりゅうおおや)