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築古、駅遠の名建築をシェアハウスに。確実な情報発信で入居者を掴む

賃貸経営/シェア ニュース

端正なたたずまいの外観。目の前の通りはバスも通る
端正なたたずまいの外観。目の前の通りはバスも通る

杉並区今川にある一戸建て住宅をシェアハウスに変えた物件を見に行って来た。中央線荻窪駅から徒歩19分、西武新宿線井荻駅から徒歩17分と、2駅のちょうど真ん中くらいにある、今どきの感覚でいえば立地的には恵まれているとは言えない物件である。

しかも建物は築40年以上と古い。そこまでなら普通は保存するより、取壊して売却などの道を選ぶだろう。

だが、その建物が保存、今後も利用されることになったのは建物が現代建築の巨匠フランク・ロイド・ライトの最後の日本人弟子である遠藤楽氏の設計による個人邸だったからであり、家族が残すことを願ったからである。

建物は4人家族のために建てられた約150uという、最近ではあまり見ない広さ。家族数が減り、広さよりも価格を優先する最近の住宅市場にあっては取り壊さないとしても、貸しにくく、売りにくい規模である。

リビングから少し上がってダイニングへ。同社のホームページにはもっと魅力的な写真が掲載されているので確認して見て欲しい
リビングから少し上がってダイニングへ。同社のホームページにはもっと魅力的な写真が掲載されているので確認して見て欲しい

だが、建物に入るとこの空間が他にない魅力を持ったものであることが分かる。玄関から入ったところに暖炉のあるリビング、少し上がってダイニングというスキップフロアを利用した立体的な作りになっており、そこに斜めに取られた屋根、天窓からの光。伸びやかで明るく、気持ちの良い空間なのである。

2階から吹き抜けを見下ろしたところ。右手に見える共用部分を挟んで左右に2つの個室が設けられている。作り付けの収納が豊富なのも印象的
2階から吹き抜けを見下ろしたところ。右手に見える共用部分を挟んで左右に2つの個室が設けられている。作り付けの収納が豊富なのも印象的

モノの価値は一般に市場の価値、価格で評価される。だが、一般的な市場の価値とは異なるところで評価される品もあれば、価値もある。骨董品などがその代表例だろう。価値が分かる人であれば古くとも、汚くとも評価し、高額を出す。だとすれば、建物にも市場価値以外に、建築価値があっても良いはず。

ダイニング側からリビング、2階を見たところ。開放的で気持ちが良い
ダイニング側からリビング、2階を見たところ。開放的で気持ちが良い

今回、この物件の企画、設計、運営にあたる勝亦丸山建築計画はそう考えた。建築としての価値の分かる人に住んでもらえるようにすれば、古さ、遠さという一般の人にとってのハンディはハンディでは無くなる。

ただ、その考えを全うするためには改装だけをやっているだけでは足りない。では、どうするか? 同社はデザイン・オペレーションというやり方を提唱している。同社ホームページによれば以下の通り。

「デザイン・オペレーションは建築をデザインする” 設計” 事務所が運営までを行うサービスです。 弊社で建築を借り上げ、現状調査、企画、設計、改修とその費用負担、運営までを一括で行い、半計画的な小さな改修を繰り返すことで、建築の価値とニーズを恒常的に高めていくというプロジェクトです。」

これまで建築家は建てるところまでには関与するが、それ以降には関わらないのが普通だった。だが、最近では同社も含め、積極的に関わることで建物の価値を向上させていこうという試みが見られる。

1階の和室。茶道で使えるようになっている。これもいずれ個室として貸し出されることになる
1階の和室。茶道で使えるようになっている。これもいずれ個室として貸し出されることになる

そして、今回、それは成功しているように思われる。改修で住宅を寄宿舎にし、全5室の個室が作られたが、募集した3室はすべて建築事務所、不動産会社勤務など建築を解する人たちで埋まった。残り2室は2019年6月以降に募集を開始するというが、内覧会に訪れた人の多さを考えると、入居者募集に苦労するとは思えない。

2階の個室。部屋によって広さはかなり異なる
2階の個室。部屋によって広さはかなり異なる

かつては入居者募集の情報発信は広く、浅くが良しとされた。だが、100戸、200戸規模の物件を埋める話ではない。限られた部屋に、その価値を知る人間を集めると考えると狭くとも深く、伝わる人に伝えるほうが効率的である。

建物を大事に使ってもらえることは当然だろうし、入居者間で価値が共有されていればそれぞれの関係も良好に保たれるであろう。そう考えると、この物件は実に的確な運営管理を行える人達の手に渡ったと言える。賃貸経営では不動産会社、管理会社をビジネスパートナーとするのが一般的だが、物件によってはこうした相手、考え方も必要になってくるだろう。

やはり2階の個室。こちらは日当たりも良く、広め
やはり2階の個室。こちらは日当たりも良く、広め

ちなみに専有部は6.6u〜17.5uで前述したように5室。賃料は5.5万円〜8万円とのことで、これできちんと回るように試算されているという。

かつてはバーベキューに使われていたという石のテーブルが置かれた庭
かつてはバーベキューに使われていたという石のテーブルが置かれた庭

賃貸経営的に見ると建物面積の半分ほどを占めるリビング、ダイニング、キッチンや水回り、2階の居室間の共有スペースなどがもったいなく思えるかもしれない。

だが、イベントやギャラリーなど人が集まる場が確保できていると思えば、違う可能性もありうる。せっかく共通の関心を持った人たちが集まるのである、面白い場、価値を生み出していただきたいものである。

健美家編集部(協力:中川寛子)

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