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シェアハウス市場限界に。訪日客、若年層頼み見込めず。ライバルは一般の賃貸住宅

賃貸経営/シェア ニュース

2020/04/17 配信

シェアイメージ
▲オークハウスが運営する東京・鎌田のシェアハウス(他の写真も)

新型コロナウイルスによる影響はどこまで広がるか。住宅・不動産と、その関連業界で見ると、分譲住宅市場では、マンションの新規発売がストップするとともに、国内景気の悪化に伴いマイホーム購買意欲の落ち込みが心配されている。

オフィスビル市場では、企業業績の悪化でテナントの賃料負担能力の低下や必要以上に床を抱え込まない動きにシフトしてオフィス需要が減退する懸念がくすぶっている。

ホテルや商業店舗では、訪日客の蒸発と外出自粛による国内需要の急落で既に客室稼働率、売り上げなどが大きな打撃を受けている。しかし、インバウンド需要の恩恵を受けてきたのは、ホテルや商業用不動産だけではない。シェアハウスもその一つだ。

■足もと新型コロナ感染に追われる

そのシェアハウスが感染症を機にビジネスモデルの見直しを迫られそうだ。日本人とは違い外国人旅行者は数カ月滞在するケースが少なくないが、そうした旅行者は安く機動的に宿泊できる場所を求める。シェアハウスがその受け皿となった。

国内需要では、同じ趣味の人が集まったり、異業種交流を求める若年サラリーマン層の興味を引いてきた。

しかし、感染症の影響により向こう数カ月、もしくは1年以上は訪日客の需要は見込めそうにない。派遣社員や契約社員、バイトの雇用切りにとどまらず、中小零細企業の倒産が顕在化している関係で国内需要も見込みづらい。

そうした中、シェアハウス大手のオークハウスでは、需要の急減により困窮するシェアハウスオーナーの物件を取引して救済にも乗り出している。

同社が運営するシェアハウスの稼働率は1月31日時点で85.3%、4月8日時点で83.3%と高い稼働率となっているが、そうした事業者ばかりではないようだ。

同社のシェアハウス内での感染症対策としては、同社主催のイベントを自粛したり、アルコール消毒液や石鹸の設置のほか、手洗いの励行・咳エチケットなどの貼り紙掲示、外部訪問者の滞在・宿泊の禁止、物件内での複数人数の会食、会合の自粛、十分な換気で対応する。

同社によれば、「まずは既存の居住者ができるだけ安心して快適に住んでもらえることが重要だと思っている」とし、新型コロナ対策としては6月末までの期間限定で家賃3万9000円を100室限定で開始するという。

シェアA

■需要層の拡大とイノベーティブがテーマ

こうしたシェアハウス市場への感染症の影響について、複数の関係者に聞くと、「感染症の終息しだいだろう。当面は厳しい状況が続くのではないか。影響が今後1年も続けばシェアハウスを畳まざるを得ない状況に追い込まれたり、民泊同様に業態を変えざるを得ないかもしれない」との声も聞かれ、シェアハウスが生き残るには、割安感を重視したビジネスモデルからの脱却が必要だとの声が少なくない。入居審査自体が一般の賃貸住宅に比べて緩いことから賃料の支払い能力が計れていないとの指摘もある。

「イノベーティブな人たちの共同生活の場」がキーワードだ。入居者同士を結び付ける工夫が欠かせない。外国人が居住するシェアハウスで語学を磨きたい、異業種交流で自分の仕事に生かしたい、といった需要を取り込んだ例は既にあるが、そうした層を取り込む工夫がいっそう重要になっている。

シェアB

現状を見ると、すべてのシェアハウスがイノベーティブな人材を生む場所となっているわけではない。

そもそも欧米諸国と事情が異なっている。日本の場合は、単身者向けの賃貸住宅が充実していることからシェアハウスの市場性は限定的だとの見方があるだけに、入居者への訴求力がシェアハウス運営の成否を握っている。

記者が過去に1カ月ほど滞在した米国フロリダの州立大学に通う大学生は、「単にシングル向けで借りられる賃貸住宅が乏しいことと、大学卒業後に働いて奨学金を返済しなければならずお金がない」と話していた。

アイビーリーグや私立大学の学生は、さらに学費がかかっている。米国の一流大学の学生が部屋をシェアするのは、単にお金の問題だと見られる。働いてキャリアを積み稼ぐようになればシェアハウスからは出て行くのが実情である。

日本においても一生他人と住み続けるわけではない。少子高齢化はシェアハウスのターゲットとする20代、30代の若年層が確実に減っていくことを示しており、今後は需要層の拡大も生き残りの大きなテーマになりそうだ。

(取材・文、鹿嶋淳一)

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