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他にない企画で空室を埋める!1年限定入居でやりたいことを後押しする共創型コリビング「ニューヤンキーノタムロバ」

賃貸経営/シェア ニュース

2022/03/07 配信

横浜市南区にある弘明寺は横浜の浅草という異名もある、横浜市内最古の寺。門前にはアーケードのある商店街が続き、周辺は横浜の奥座敷として賑わったという場所である。

現在も京急、横浜市営地下鉄の二路線が利用でき、横浜駅から京急だと10分前後、横浜市営地下鉄でも10数分と利便性が高いため、住宅地としてのニーズは高い。

だが、一方で商店街を中心に高齢化も進んでおり、往時に比べるとやや寂れてきた印象は否めない。

建物内の書かれたいくつもの文字が印象的なニューヤンキーノタムロバ
建物内の書かれたいくつもの文字が印象的なニューヤンキーノタムロバ

そんな弘明寺の門前すぐ近く、京急線の弘明寺駅からだと徒歩5分という立地にあるビルの4階が共創型コリビング「ニューヤンキーノタムロバ」としてリノベーションされた。と書いても、一体、それはなんだ?と思う方が大半だろうと思う。順に説明していこう。

「家賃を安く」より、他にない企画で空室を埋めたい

物件のオーナーは地元の弘明寺のほか、横浜市内にもビル等を所有する不動産会社・泰有社。同社はリーマンショック後に空室になった横浜市のビルを公益財団法人横浜市芸術文化振興財団が当時実施していた芸術不動産事業を活用、積極的にクリエイター、アーティストの受け入れに本腰を入れた経験がある。

それによってそのビルが満室になっただけでなく、その後に買い増した3棟と合わせて4棟120区画のうち、80区画以上がクリエイター、アーティストなどで埋まっており、しかも既入居者の紹介、口コミなどで次の入居者が決まるため、仲介手数料、広告費は払ったことがないという。人間関係、信頼がある中での入居のため、滞納もない。

加えてアーティストとは頼まれてもいないのに作品を作る人たちである。自分たちで自発的に自治会を作り、建物の価値を高めるための活動をしているのだとか。さらにそれが評判となり、入居したい人、訪ねて来る人が相次ぐという好循環も生まれているそうだ。

そうした経験から同社では安くして空室を埋めるより、他にないコンセプトで選ばれる物件を作ることを意識しており、今回もこれまで聞いたことがない、挑戦する人のための期間限定の物件を打ち出してきたというわけである。

元留学生シェアハウスを改装、チャレンジの場に

エレベーターを降りた先に広がる廊下部分。トイレや倉庫などが左手にある
エレベーターを降りた先に広がる廊下部分。トイレや倉庫などが左手にある

元々は約400uほどもある留学生を中心としたシェアハウスで、それ以前はパチンコ店の社員寮だったと企画・デザインディレクションに当たったYADOKARI株式会社の神永侑子氏。それがコロナ禍で留学生がいなくなり、留学生シェアハウスを経営していた事業者が退去、空室に。それをどう活用しようかと考えた結果が今回の改装である。

用途を変えず、費用をそれほどかけずに活用をと考えるとシェアハウスが妥当だが、普通のシェアハウスでは面白くない。そこで前述のコンセプトが登場、共創型コリビングという言葉が出てくるわけだが、幸い、この物件には広い共用部があった。そこでリノベーションでは共用部を利用して入居者同士が刺激しあう場を作ることになった。

中央に共用部があり、左側、さらに奥に個室がある
中央に共用部があり、左側、さらに奥に個室がある。奥の女性がいる場の背後辺りがアトリエと呼ばれる空間

「共用部だけで200u弱あるのですが、以前はキッチン、社員食堂のような無味乾燥なダイニングスペースに、一応ソファが置かれたラウンジがありましたが、その部分を改装、使える場にして居住する14人で使い切るようにすることに注力しました」

弘明寺商店街。右側角の店舗が
弘明寺商店街。右側角の店舗がアキナイガーデン

設計は弘明寺商店街の一角でシェア店舗をも運営するデザインスタジオ、AKINAI GARDEN STUDIO。同店舗は小さいながら、人が集まりやすい、印象的な空間で、ここにもそのセンスは存分に生かされている。

中央にある広い空間に可動式の家具がお分かりいただけるだろうか。フレキシブルに使える空間である
中央にある広い空間に可動式の家具がお分かりいただけるだろうか。フレキシブルに使える空間である
共用部のうち、キッチンもある、明るい空間。会話の場と言った雰囲気である
共用部のうち、キッチンもある、リビングダイニングは明るい空間。会話の場と言った雰囲気である

それが個室に囲まれたリビングダイニング、アトリエ、アジトと呼ばれる空間。リビングダイニングはキッチンの前にある明るく、日常の会話の生まれそうな場で、アトリエはモノ作りの場を想定されている場。

こちらはアジト。集中の場という印象がある
こちらはアジト。集中の場という印象がある

アジトは少しアンダーな照明が印象的な、籠った感じのある空間で集中して構想を考えたり、はたまた激論を交わしたりということに向きそう。一続きの空間ながら、少しずつ雰囲気が違うのは面白いところだ。

キャスター付きの可動式家具で空間自体も自由に

「コリビングというのは働く場のあるシェアハウスと考えていただければ分かりやすいと思います。この空間は自由に使える場として想定しており、その自由さの中には空間そのものも自分たちで動かせるようにとキャスター付きで可動式の家具を作成、配置してあります」。

エッグファニチャーと呼ばれる合板で作られた家具は半円や台形その他、それぞれに変わった形をしており、床にはそれをどこに置けるかを示すガイドが書かれている。可動式といっても一度置かれると固定されてしまい、動かさなくなることが多いが、それを動かす気になるよう、動かしても使いやすいようにというのがガイドの意味だ。

やりたいことに没入する1年間に

共創型というのは互いに刺激し合いながら、それぞれの夢を実現していくというような意味と受け止めた。

「自分はもっとやれる、やりたいことがあるという人を募集しています。そうした人たちに4月から翌年3月の1年間限定で住んでもらい、夢の実現に向けて互いに切磋琢磨していく、そんな場を作りたいと考えています。毎日の生活があると、なかなか踏み出せないという現実がありますが、1年という限られた時間なら集中できるのではないかとわざと期間を限定。チャレンジする時間、自分に向き合う時間にしてもらいたいと思います」。

チャレンジする内容は問わない。料理でも、演劇、ダンスでも、はたまた工作、マジック、何でもよいと神永氏。小さな特技を磨いて、1年後にはみんなでフェス型イベントを開き、各人にファンを作る、踏み出すきっかけにしたいとも。

そのために、14人募集している入居者のうちには1人、コミュニティビルダーと呼ばれる、ファシリテーターのような、運営を手助けする役割の人が置かれる。

ニューヤンキー、タムロという人によってはネガティブに捉えられそうな単語は1990年代に渋谷の路上から文化を産みだしていった人々のように、ここから文化を、熱いエネルギーを発散して欲しいという思いから。お行儀よく、誰かの目を気にしているより、やりたいことに邁進する時間を過ごして欲しいというわけである。

個性的な文字が住む人を鼓舞する空間

角が丸く、力強さを感じる独特の書体
角が丸く、力強さを感じる独特の書体

館内で目に付くのはあちこちに書かれた人を鼓舞するような言葉。これはガムテープを使った新宿駅や下北沢駅の案内で人気になったガードマン・佐藤修悦さんの、修悦体と呼ばれる文字で、言葉自体は関係者が出し合ったもの。

修悦体そのものが即興で同じものは二度と作られないことを考えると、ここで入居者が過ごす限られた時間とも重なる。空間を個性的にしているだけでなく、この場の意図をも伝えるインテリアなのである。

一人用の個室。ベッド、冷蔵庫、テーブルと椅子が用意されている。収納も豊富
一人用の個室。ベッド、冷蔵庫、テーブルと椅子が用意されている。収納も豊富

個室は11室あり、うち8部屋は1人用でベッド、冷蔵庫に机、椅子が用意されたコンパクトなもの。残る3部屋は冷蔵庫、家具類に加えユニットバス、キッチンのある2人用の部屋。

こちらは二人用の部屋
こちらは二人用の部屋
水回りは既存のものをほぼそのまま使っている
水回りは既存のものをほぼそのまま使っている

内装にはほとんど手を入れられていないが、たっぷり収納もあり、部屋によってはバルコニーも。広い共用部があることを考えると十分快適に暮らせそうである。

角が丸みを帯びた不思議な文字。右側は何も使われていなかったデッドスペースにクッションとテーブルを置いてくつろぎ空間に
右側は何も使われていなかったデッドスペースにクッションとテーブルを置いてくつろぎ空間に

床はタイルカーペットを剥がしただけ、天井も以前の蛍光灯の跡を残したままと最低限の改修だが、前述の修悦体の文字がそれ以上に目を惹くからだろう、全く気にならない。逆に以前は使われていなかったコーナーを利用、ちょっとした寛ぎ、会話の場が設けられているのはうまい使い方と唸らされる。

どんな場所だろうと思うはず
どんな場所だろうと思うはず
これだけなのだが、それでもバルコニーという戸外空間があるだけでちょっと得した気になる
これだけなのだが、それでもバルコニーという戸外空間があるだけでちょっと得した気になる

バルコニーも休憩所という文字ひとつで、特別な空間に思えるから不思議。さらにバルコニーに出るためのステップはブロックを積んだ上に板を置いただけと、お金をかけずにそれなりに見せるのは、これまたうまい。費用をかけなくても空間は作れるわけである。

入居者は現在募集中で、賃料は5万7000円から7万9000円。礼金、敷金はなく、入居時には2万円の初期費用(返還されない)、月々1万2000円〜1万5000円の共益費がかかる。入居者が決まってくるのはこれからだが、ここからその道で知られる人が出て来るようになると面白いと思う。

健美家編集部(協力:中川寛子(なかがわひろこ))

中川寛子

株式会社東京情報堂

■ 主な経歴

住まいと街の解説者。40年近く不動産を中心にした編集業務に携わり、近年は地盤、行政サービス、空き家、まちづくり、地方創生その他まちをテーマにした取材、原稿が多い。
宅地建物取引士、行政書士有資格者。日本地理学会、日本地形学連合、東京スリバチ学会会員。

■ 主な著書

  • 「ど素人が始める不動産投資の本」(翔泳社)
  • 「この街に住んではいけない」(マガジンハウス)
  • 「解決!空き家問題」「東京格差 浮かぶ街、沈む街」(ちくま新書)
  • 「空き家再生でみんなが稼げる地元をつくる がもよんモデルの秘密」(学芸出版)など。

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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