高円寺駅の北側に1933年に創業された「小杉湯」という銭湯がある。コロナ前の2017年ごろから、この銭湯とそれに隣接するアパートのコミュニティ活動「銭湯ぐらし」が注目を集めだんだんと輪を広げていった。
その動きはアパートを引き継いだシェア施設「小杉湯となり」に引き継がれ、まちを使う人々の動きを見える化し、事業化を軌道に乗せている。
この事例がこの度「銭湯から広げるまちづくり」として書籍化された。本書の内容から、点の地域資源を生かしまちに波及させるための場づくりについて考えてみよう。
高円寺の小杉湯の転生
この7月末に刊行された書籍「銭湯から広げるまちづくり」(加藤優一著 学芸出版社)を読了した。本書に書かれているのは、以前からその存在を知って興味を持っていた、銭湯をキーとした都市の中のローカルコミュニティの活動だ。
概要を書いてみると、1933年、戦前に創業され継承されてきた高円寺の「小杉湯」をめぐって、銭湯を利用する人々がその利用者の縁とその隣にあった空き家を媒介に、それぞれの活動や指向が見える化されつながりだした。
さらにそこで確認された利用者ニーズと初期メンバ
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執筆:
(しんぼり まなぶ)