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奈良、台風による法面崩落事故から考える。事前チェックで危険な盛土を回避

不動産投資全般/災害・防災 ニュース

2017/11/10 配信

画像はヤフーニュースから、崩落の現場
画像はヤフーニュースから、崩落の現場

台風21号で奈良県三郷町の線路脇の住宅の法面が崩落、うち、6軒が危険宅地と判定された。盛土の危険は以前から言われているところだが、基礎が剥きだしになった画像は衝撃だった。

崩落前の現場の様子。グーグルのストリートビューより
崩落前の現場の様子。グーグルのストリートビューより

現状では造成の詳細などが伝えられていないため、直接、この問題については論評することができないが、再度、盛土について知り、危険を避けるためのノウハウを見ておきたい。

■盛土には2種類の方法がある

切土、盛土の概念図
切土、盛土の概念図

まず、斜面を造成するには2種類の方法がある。非常に簡単にいうと斜面を切り取る切土と土を盛る盛土である。このうち、前者の切土はもともと強固な場所を切るだけなので安全とされるが、盛土は新しく柔らかい土を盛ることになるため、造成方法によっては不安があると言われている。

腹付け型盛土
腹付け型盛土

その盛土にも2種類の方法がある。ひとつが斜面に土を盛る方式で腹付け型盛土と言われ、今回崩落したのは報道されている図解からするとこのタイプと思われる。首都圏では神奈川県に多いタイプだ。

谷埋め型盛土
谷埋め型盛土

もうひとつは谷、窪地などに土を入れるもので、これは谷埋め型盛土と言われる。こちらは首都圏では埼玉県に多いタイプで、見た目には分かりにくい(大規模盛土造成地の変動予測調査ガイドラインの解説 国土交通省より)。

■盛土は土地条件図で調べる

では、盛土はどうやって調べるか。一番簡単なのは国土地理院の土地条件図である。これは日本全国で作られているものではないが、首都圏を始め、宅地化が進んでいる都市部の多くで作られている。投資で考える際にはほとんどの場所にあると考えても良いだろう。

探し方だが、「国土地理院 土地条件図」で検索すると下の画面が現れるので、「地理院地図で土地条件図(「数値地図25000(土地条件)」)をみる」をクリックする。

検索で最初に出てくる画面がこちが
検索で最初に出てくる画面がこちら
黒い部分が土地条件図がある地域
黒い部分が土地条件図がある地域

ここで日本地図が黒くなっている部分が土地条件図が用意されている地域である。ここから見たい地域まで移動、そこで地図を確認しよう。赤い斜線が盛土、しかも高い盛土とある。これは「約2m以上盛土した人工造成地。主に海や谷を埋めた部分」のことである。

今回崩落が起きた地域あたりの画面。
今回崩落が起きた地域あたりの画面。ちょうど画面の東信貴ケ丘の東という字のあたり

下の図は今回崩落が起こった地域を見ると近鉄生駒線に沿って赤い斜線があることが分かる。線路を挟んだ反対側は青い斜線で、こちらは切土ということになる。

土地条件図の凡例
土地条件図の凡例

■実は点在する危ない造成地

日本では昭和30年代以降、土地を造成して宅地化を図ってきたわけだが、宅地の造成を規制する宅地造成等規制法が施行されたのは昭和37年。すでに造成が進んでから後追いで法が作られたわけで、それ以前の造成が適法だったかどうかについては疑義がある。

当時のみならず、現在の造成が安全かという点も怪しい。2014年10月には横浜市緑区で土砂災害で1人が死亡しているが、その後、市が過去の指導を洗い直したところ、最後の指導から一年以上放置されている違法造成地が200カ所以上に及んでいることが分かったという。

また、2015年7月にも日野市で無許可で宅地造成を行い、怪我人が出たとして土木会社の関係者が逮捕されている。今回の台風でも無許可で造成されていた奈良県生駒市の土地に亀裂が入り、崩落が懸念されている。

加えて近年は台風も、雨の降り方も異常だ。東京では1時間に50ミリの雨が降ることを想定して河川改修が行われているが、100ミリを超す豪雨にはしばらく忘れていた洪水の危険が想定されるほど。今回の奈良県の場合も観測史上最大の雨量だったという。

それを考えると、今まで以上に危険は高まっているのかもしれない。よほど信頼できる事業者による造成であるなどで安全を確認できる場合以外は慎重な態度で臨むほうが賢明である。

■造成計画図で安全をチェック

具体的には必ず、造成計画図面を見せてもらうこと。擁壁の設計図、地盤調査の結果、切り盛土の分布を書いた図面などがあるはずだから、最低でもその中に書かれている上載荷重を確認しよう。可能であれば専門家に確認してもらえば安心だ。

ポイントとなる上載荷重とは、擁壁の構造計算で擁壁の下の地盤の強度を計算する際に、上に建つ建物の荷重として見込む重さのこと。現行基準では擁壁上の土地は最低上載荷重として10KN/m2 以上とされている。これは1uあたり、およそ1トンの重さを載せるという意味。

そこにどのような構造、規模の建物を建てるか、あるいは建てられているか。建物の重さは木造なのか、鉄骨造なのか、RC造なのかといった構造や階数などで異なるので、きちんとバランスがとれているかどうかを建築、土木の専門家などに聞いて確認をしたい。

健美家編集部(協力:中川寛子)

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