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超高齢化社会到来で病院も投資対象に?拡大するヘルスケアリートに加え、病院リートにも商機到来か!?

不動産投資全般/その他投資 ニュース

日本の75歳以上の高齢者が爆発的に増えるとともに、ケアを必要とするシニアも増加して医療や介護などのコストもかさむ。国立社会保障・人口問題研究所が4月19日に発表した2040年までの「世帯数の将来推計」によると、2040年には世帯主が75歳以上の世帯が1217万世帯となって全体の4分の1を占める。

一人暮らしは1994万人と全世帯の4割、75歳以上の一人暮らしも500万人超となると予測した。社会保障給付費は、2018年に比べて約6割増加して190兆円に達するとしている。

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こうした中、業界を問わずシニアマーケットを今後の数少ない成長市場だと捉え、新しいサービスを供給する動きがある。不動産市場を見ると、相続税対策で地主が小規模のサービス付き高齢者向け住宅などを建築している。ただ、これはアパート経営の発想で、地元金融機関から融資を受けて行う。言わば供給側の論理でアパート運営を手掛けるモデルだ。

しかし、大規模物件では調達コストがかさむ。例えば、70室の場合で7000万円の費用がかかると言われている。地価の高い大都市部で、土地から開発して運用しようとすると、巨額の資金を調達する必要がある。ここで不動産投資ファンドの出番となる。不動産投資の世界では、シニア向け住宅や病院を投資対象とするファンドも登場し、上場リートでもヘルスケア・リートが定着してきた。

お金の出し手は資本市場の役割として割り切れるし、リートとして上場すれば一般投資家がリートを買うことによって資金が回り、金融機関がリートやファンドに資金を貸し出す。金融の資本市場の人たちがキーポイントとなっている。

こうした市場にフォーカスする理由はニーズ強いとの判断が働くからだ。ニーズは大きく3つ。@入居ニーズAオペレーターニーズB投資家のニーズ。

まず、自宅ではなく老人ホームや高齢者専用住宅に入りたいと考えている高齢者や家族も多い。公的な施設として特別養護老人ホームがあるが、これは比較的低料金で利用できるものの、膨大な待機者がいてなかなか順番が回ってこない。入居希望者からは、特養ホームを増やすべきだとの声は少なくないが、国や地方自治体の財政事情もあって需要の増加に対応しきれず、民間資金でシニア向け住居を供給してもらうという流れで進んできた。

オペレーターは出店(拠点)の拡大ニーズが強い。だが、自ら資産を保有する発想は原則ない。規模にもよるが土地・建物を含めた建設資金は最低でも10億円は必要だと言われている中で、拠点拡大のためには物件を借り上げて運営をする。持たざる経営、資産のオフバランス化を図ることが基本となる。

そして投資家ニーズを満たすには、公正で透明性、経済力のある安定家主の存在が不可欠である。また、高齢者向け住宅の性質上、景気回復に伴い賃料の上昇が見込めるマーケットではないことから、資産規模拡大=外部成長に着目する。運営収入は介護保険に依存する側面が強い。

投資家としては、長期スパンでの賃料上昇が見込みづらいものの、景気変動の影響も受けにくいことから、長期賃貸借契約による安定利回りに投資メリットを見いだすことになる。

また、シニア住宅の供給は、都市部よりも郊外に集まりやすい。都市部で展開したくても、物件取得コストの高さが入居料金に跳ね返り、稼働率の低下につながりかねないためだ。そもそも適した土地もない。補助金や税金の優遇、低利融資などの活用に加えて、立地選択が入居者負担を左右する。

ただ、郊外に展開すると、地価の安さから相対的に建物価格の割合が高くなり、減価償却負担が増すことから配当額が小さくなってしまう。リートの配当原資は、減価償却後の利益であるため魅力的な利回りが出づらい点である。

こうした高齢者向けの住宅に限らず、不動産証券化協会などでは病院を対象とするリート(病院リート)の登場にも期待を寄せている。米や豪、英、カナダ、シンガポールなどでは、病院を投資不動産として運用し、複数のクリニックが入居する日本の医療モールに相当する施設やリハビリ病院、療養病院、レディースクリニック、子どもクリニックに加えて、医療事務などのオフィス機能が入るビルを広い意味での病院リートとして捉えている。

日本でも、国土交通省が「病院不動産を対象とするリートに係るガイドライン(平成27年6月26日)」を策定。Jリートが投資した病院資産等の運用を委託する資産運用会社が整備すべき組織体制などを示した。それによると、運用会社は病院の事業特性等(病院開設者以外の者が経営に関与することはできない等)を十分理解することなどを求めている。

それでも病院サイドにはリートに対する警戒感が強い。一方でリート側は、過度な規制が病院不動産の取得のハードルを引き上げるとして、民間の不動産売買や一般の賃貸借契約と変わらないようにすべきとの立場である。

そうした中、ヘルスケア&メディカル投資法人は、新潟のリハビリテーション病院を2017年11月に取得。Jリートで初めての病院取得として注目を浴びた。病院の運営会社と賃料保証のマスターリース契約を結んだ。

冒頭の国立社会保障・人口問題研究所の「世帯数の将来の推計」を踏まえると、医療ニーズは確実に増える。社会保障費抑制のための病床規制などもあり、新たな病院開発も難しいことで、既存病院の効率性や機能強化に目が向けられている。耐震強化や建て替えなどでの資金ニーズも高まっている。

また、LCパートナーズは昨年春に複数の医療関連施設(病院不動産)を組み込んだリートとして「ポーリー・プラス投資法人」を立ち上げた。ただ、同投資法人は、リート組成の関係者と協議を進めていたローンアレンジが期日までに整わなかったため、昨年3月28日の運用開始を延期している。病院不動産に特化したリートの難しさがうかがえる。

投資家としては、病院が一般的な不動産アセットと違うことを認識する必要がある。病院のタイプも様々。救急病院など高度な医療を提供する病院だったり、生活習慣病など慢性医療に対応する病院などで収益構造も異なる。それはその病院の賃料負担能力に直結することになる。病院不動産のデューデリジェンスも他の不動産よりも難しいと言われている。例えば、病院側の人件費や診療報酬といった財務情報の開示が不十分であれば、運用資産の適正な評価ができないとの声が上がる。

病院経営の健全化、透明化にも資する資金調達方法として着目されているものの、病院リートが投資先として期待できるかは、なお予断を許さない。

健美家編集部

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