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犯罪に使われる部屋、使われることがない部屋。違いは何?

不動産投資全般/社会問題 ニュース

賃貸トラブルに携わっていると、「この案件、犯罪絡みで借りられたかな?」と思うことが増えた。

手続きの中で案の定、警察から連絡がある場合もあるし、警察が動いたことでご依頼いただくこともある。ただ共通点とすれば、犯罪に狙われる物件は、やはり管理が行き届いてないということだろう。

どのような犯罪が多いかというと、圧倒的には振り込め詐欺のアジトであり、その他には良からぬ荷物の受け取りや、クスリの使用場所、貧困ビジネスの郵便物受け取り場所などがある。

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彼らはなぜ管理の行き届いていない物件を選ぶのか。

それは目立ちたくないからである。

管理が行き届いている → 誰かが物件を掃除している → 人がウロウロしている そう考える。あるいは住民の個々が「きちんと」している → 自分たちの存在が目立つ そう考えるのだ。

これを逆手に取れば、とにかく「物件の管理に力を入れる」ことで、犯罪者に物件を狙われる確率はぐっと下がる。

なぜこんなにも犯罪に物件が使われるようになったのか

この理由は、賃貸業界の取り巻く環境が変わったことがあげられる。

圧倒的に物件の数が少なかった時は、人は住む部屋を確保するだけで精一杯だった。だから家主側も、貸す相手を選ぶことができた。しかし賃貸物件が増えたことで空室が増え、選べる立場にいる家主は随分限られている。また家賃保証会社の存在も大きい。

「本当に家賃を払えるだけの経済力基盤があるのか」

そんなことを気にしなくても、家賃保証会社を利用すれば、保証会社が万が一の時に家賃を代位弁済してくれる。家主にとっては救世主的な存在だ。その反面、家主側が審査をすることが少なくなった。

つまり貸すかどうかの判断は、支払い能力含めた本人の資質より、保証会社の審査が通るかどうか、この1点に限られるからだ。さらに家賃保証会社も数が増えたことで、牌の取り合いになっている。

しかもデータが共有されていないことから、審査といっても限界がある。借りる側にすれば、好条件が整っている。

家賃滞納で追い込んでいる賃借人が「次の物件見つかりました! 後は家賃保証会社の審査待ちです!」と連絡をしてくる。通るわけない……と思っていても、次の瞬間には「通りました。引越しします!」とくる。

そう、現在、家賃滞納で訴訟手続きに入った賃借人ですら、審査が通るのだ。

もちろんその過程では、何社かの家賃保証会社は審査で落としただろう。しかし最終的には、どこかの保証会社で通ってしまう。これが現実なのだ。

「家賃保証会社の審査が通れば」この1点が、入居審査とする家主は、確実に犯罪者を招き入れてしまう。自分の物件は、自分で守る。大切な財産を貸し渡す賃貸経営では、家主自身が審査して物件を引き渡す覚悟が必要となる。

犯罪者は何枚も上手である

滞納が始まって、手続きの依頼を受けた案件があった。手続きに入るタイミングとしては、遅すぎるくらいだった。

なぜか? 彼らが巧妙だからである。

まず廊下側の部屋はすりガラスになっていて、カーテンはもともと下げられていなかった。そして室内には、薄暗く電気が点けられていた。昼間では分からないが、夜になると在宅していることを思わせた。

さらにエアコンも点いたままだった。室外機が動いている、電気メーターが動いている、その状況から家主側は「夜逃げ」を選択肢から外す。在宅しているなら、「根気よく訪問したら会えるはず」。

訴訟手続きをせずに、話し合いで解決できるなら。そう思いつつ、何度も督促に足を運んだ。

しかしながら訪問回数を重ねても会えない、置手紙残しても連絡がない状態が続く。これ以上仕方がないから訴訟手続きに移行するか、そう思った頃には、犯罪者たちは遠くに逃げ終えている。

つまり彼らは部屋にいると見せかけて、時間稼ぎをしていた。室内に立ち入ったときには、完全にもぬけの殻。髪の毛1本も落ちていなかった。

警察もマークしているものの踏み込むまでの証拠がなく、ようやく動ける段階になった頃にはこの有様だ。

彼らは、賢い。だからこそ家主側に、狙われない努力が求められる。

まずは物件の管理を強化させよう。清掃を徹底的にし、ゴミステーションや集合ポストを整備して、余分なチラシ等も取り除こう。防犯カメラも設置するのも効果的だ。

入居者同士で挨拶し合うくらい、コミュニケーションを密にする。エントランス回りには、常に人がいることを想像させるように花を植える。手間はかかる。だがこの「手間がかかる」ことが、重要だ。

こうやって手をかけられた物件は、犯罪者を遠退ける。

目をかけなければ、物件も子ども同様グレてしまうことを覚えておいて欲しい。

物件も生き物。上手く育て続けなければ、残念ながら病気になってしまうのだ。

太田垣章子(おおたがき あやこ)

【プロフィール】
司法書士・章(あや)司法書士事務所代表
平成14年から主に家主側の訴訟代理人として、悪質賃借人の追い出しを延2000件以上解決してきた賃貸トラブルのエキスパート。徹底した現場主義で、早期解決のためにトラブルある物件には必ず足を運んできた。現場で鍛えられた着眼点から、賃貸トラブルの解決を導く救世主でもある。著書に「賃貸トラブルを防ぐ・解決する安心ガイド」(日本実業出版社)がある。

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