20〜30代限定の「TerraCoya大家の会」の代表を務める林奏人さん。20代から不動産投資を始め、賃貸併用住宅、新築アパート、築古アパート、地方物件など、さまざまな種類の物件に投資をしてきた。
不動産投資を始めて5年で目標としていたキャッシュフローを超えたことを機に脱サラし、現在は大家業の他にレンタルスペースを運営、事業多角化のために奮闘している。どんな物件をどう買い進めてきたのかなど取材した。

投資の勉強を始めるも、最初の5年は物件が買えず
同世代でアパートを何棟も買っている人から刺激を受ける!
サラリーマンとして働くも、自分は組織の中で働くよりも、個人で働くほうが向いていると思っていた林さん。書籍やセミナーなどで不動産投資の勉強を始めるも最初の5年は物件を買うことができなかった。風向きが変わったのは、20代向けの大家の会に参加したことだ。
「不動産投資の勉強をするなかで、大家の会など勉強会に参加するも、周りには40〜50代で資金が潤沢な人が多く、20代の自分とは戦略が違いすぎました。そんななか、20代向けの大家の会で同じ年齢でアパートを何棟も持っている人と出会い、衝撃を受けました。自分にもできるかもしれないと励みになりました」
そうして勉強を続けるなかで最初に購入したのは、2017年、神奈川県の某ターミナル駅から徒歩5分の土地である。賃貸併用住宅を建てることにした。
ある日、ネットで相場よりも安く土地が売りに出ているのを見つけ、その日のうちに見に行って、買い付けを出した。賃貸併用住宅の場合、低金利の住宅ローンを利用できる利点もある。1階が自宅で2階に単身者向けに4戸入る設計だ。
その後、父が亡くなるなど家庭の事情で、予期せず早期に売却することになったが、予想以上に、『売却益』が出たことに驚いた。値上がりしていた土地であったことなどの背景があるが、1棟目から不動産投資の旨味を知った。
2棟目は契約から完成までに3年の歳月が・・・。
すぐにキャッシュフローが出る築古アパートに路線変更!
1棟目の経験を活かし、2棟目も土地から購入して今度は単身者向けのアパートを建てることに。神奈川内のターミナル駅に近い立地で、1Kが10戸。敷地が広く、積算評価が高い点が魅力だった。
土地の情報をえてから90分後には現地調査に行き、1棟目同様に、その日のうちに買い付けを入れた。積算評価が高い土地であることや、紹介者がいたことなどが幸いして積算評価を重視する地銀から融資を受けることができた。ところが、立地の関係で、行政の許可を取るのに、予想外に時間がかかってしまった。
「工務店が土地を見つけて、その工務店でアパートを建てる流れだったのですが、行政の許可の関係で、工事までに時間がかかってしまい、契約から完成まで3年ほどかかりました。1棟目がスムーズにいったこともあり、2棟目で新築の難しさを学びました」
この経験からその後は、すぐにキャッシュフローが出る築古1棟アパートに戦略を変えた。
「エリアはどこでも、相場より安ければ検討し、ある程度稼働率を重視し、6〜7割埋まっているものを狙っていきました」
そうして購入していったのが以下の物件だ。
【3棟目】群馬 築古 ファミリー向けアパート(10戸)
駐車場20台置ける点が魅力に。
3950万 利回り13〜14%
【4棟目】千葉 築古ファミリー向けアパート (6戸)
3000万 利回り13% →売却
【5棟目】埼玉 単身&ファミリー向けのアパート (3戸)
健美家からの提案
1580万円利回り17%

【6棟目】栃木県 単身&ファミリー向けアパート(3戸)
480万円 現金で購入。利回り25%
それぞれ融資は公庫やノンバンクを利用した。6棟目は登録していたメルマガで見つけた物件で、550万円で売られていたものを指値した。そのほかの物件も、自力でネット検索をして探したり、仲介業者から紹介を受けたりした。
「利回りも状態もそこそこの物件をちょっと割安に買うのが、自分なりの投資法かもしれません。そのためには数をひたすら見ることが重要で、メルマガは、のべ数十社の業者で登録し、1日数十件は物件をチェックしています。
なんとなくスクロールしてチェックしているだけで、相場観が分かってきます。いい物件があればその日のうちに見に行き、仲介業者と仲良くなって、信頼関係を構築することを心掛けています」

最近は所有するアパートの1室などをレンタルスペースとして運用するなど9室運用している。レンタルスペースは、収益物件を購入することに比べれば、少額で始めることができる。部屋づくりやマーケティング力を養うことができ、大家業に活かせると考えている。
最後にこれから不動産投資を始めようと考えている方に、メッセージを。
「特に同年代で、バックグラウンドが似ている人のノウハウを参考にするのがいいのではないでしょうか。SNSで繋がったり、それが難しければ大家の会などのコミュニティでも出会えます。私自身、同い年でアパートを何棟も持っている人との出会いがきっかけになりました」
なお、「TerraCoya大家の会」では2冊の著書『不動産投資の羅針盤』『僕の不動産投資は、1,000円のお酒から始まった』を出版している。こちらもぜひ参考にしてほしい。
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健美家編集部(協力:
(たかはしようこ))