暑い、寒い、うるさい、汚い、臭うなど住まいの様々な不満を一気に解消してくれる塗料がある。国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)がH-UAロケットのために開発した断熱技術が転用された商品GAINAである。
一般に住宅の断熱は外壁と内壁の間に熱を遮断する層を作ることで行われており、ある程度の厚さがなければ効果がないとされる。厚みで熱を遮断しようというわけだ。
だが、GAINAの発想は全く違う。開発した日進産業の石子達次郎氏が塗る断熱材という着想を得たのは、当時作っていた物流の無人搬送の機械を納入した工場から断熱を頼まれたことから。機械と壁の間はわずか5o。だが、断熱材を入れるとすると75oは必要。従来の断熱材を使う方法では施工できないのだ。

どうすれば良いか。悩んでいたところにひとつ、アイディアが浮かんだ。窓辺に置いた黒い紙は熱くなるが、白い紙はそれほど熱くはならない。そこで濃いグレーだった工場を真っ白く塗ることで室温を3度下げることに成功する。
だが、光を反射することで温度を下げるという方法は日が出ている時にしか使えない。そ
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