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適温相場継続?2019年の不動産市場はどう動く。日本不動産研究所定例講演会

不動産投資全般/市況 ニュース

2019年の不動産市場を予測。2018年は家族の変化が市場に及ぼす影響についての講演も行われた
2019年の不動産市場を予測。2018年は家族の変化が市場に及ぼす影響についての講演も行われた

毎年年末に開かれる翌年の不動産市場を予測する日本不動産研究所の定例講演会。昨年は適温相場が持続するという見立てだったが、2019年はどうなるのか。

まず、2017年末に予測された2018年の不動産市場は
・利回りは低い状況が継続
・賃料の動きは緩慢ながら底堅い動きを続ける
・資産価値も緩慢な上昇基調が続く公算大
・立地に対する志向が引き続き強まる(地価の二極化)
というもので、これを評して適温相場という表現がなされた。

実際の2018年の不動産市場はおおむね、その予測通りだったのだが、ひとつ、最大のトピックとなったのは平成30年の地価調査で全用途平均で27年ぶりに地価が下落から上昇に転じたこと。

これまで商業地、都心部や新幹線開通などの利便性アップによる限られた地点での地価上昇が全体で見られたということである。

ただ、全体で上がってはいるものの、上がり方は均質ではない。それを同研究所の吉野薫氏は「地価上昇は単峰型から多峰型へ」と表現した。

どこかひとつ突出した場所だけが上がっているのではなく、複数の地点で上がっているのである。その背景の要因は実質的な利便性の追求だと吉野氏。

具体的には東京23区内での荒川区や北区、豊島区、足立区などといった北東の区の地価上昇がそれだ。

日本全体で見ると人口増と価格増はリンクするものだが、東京ではそうはなっていない。それよりも周辺からみて少しでも安いところへ、安いところへと水のように動く部分があり、そのうちでも利便性に優れた、価格の安いところへは動きが著しい。

その結果、相対的に安く、都心からの所要時間では大差のない北東エリアへ人が動き、それが地価を押し上げているのである。

かつてより、住む場所の地位(じぐらい。土地の優劣)を気にする人が少なくなかったが、近年は気にする人が減っており、便利で安ければ良しとする風潮がある。今後もこれは続くであろう。

それ以外の、利回りの低下、オフィスや住宅の賃料の水準維持、価格の高止まりなどは予想通り。昨年後半からの不動産投資家に対しての不法な貸付け露見などにより、ローンの貸出残高の伸びが抑えられたのではないかという予想もあったが、実際には2016年後半から減少しており、不祥事の影響は限定的であるという。

一部には不動産市場が過熱しているのではないかという声もあるが、それも当たらないと吉野氏。

その結果から2019年を見ると、メインシナリオは適温相場の継続となる。近々金融緩和が終了する可能性は事実上ゼロであり、企業の設備投資計画・人員採用計画は高水準にあるなど、2019年の経済に大きなマイナス要因は見られない。不動産投資関係者へのアンケート調査でも現在の市況が2020年頃までは継続するという見方が多い。となれば、現在の状況が続くと考えるのは妥当だ。

だが、外部には米中貿易戦争の帰趨など世界経済の変化が及ぼす可能性などマイナス要素もないではない。投資家に限らず、多くの人が日本の経済成長に資すると大きく期待を寄せる観光業も現在は好調といっても景気の変動、災害などによって落ち込む可能性がある。また、近年は人手不足が好況に水を差すという見方もある。

ここで面白かったのは吉野氏の、世で言う人手不足に対しての考え。人手が足りていないのではなく、需給のミスマッチが起きているのではないかというのである。

実際、示されたデータでは人手不足に陥っているのは販売、生産工程、農林漁業などであり、事務的職業ではさほどでもない。問題はその仕事をしたくないと思っている人をどう動かすかということというわけだ。

今後の不安要因としては消費税率の引き上げ、五輪前後の経済の動きも挙げられる。まず、前者については不動産市況への影響よりも一般的な景気そのものへの影響のほうが心配と吉野氏は語る。前回の消費税率引き上げ時には企業が駆け込みで設備投資を行い、その後に反動が出たという事例が紹介された。

ただ、不動産でも持家戸建、賃貸集合住宅では供給の変動が生じる可能性はあるとされており、気にしておきたいところだ。

もうひとつ、五輪前後で住宅価格が下がる、その要因としては五輪前に外国人が売り浴びせるからだという見方があるが、これは誇張だという。日本の過去の五輪における地価動向を見ると開催都市の地価には突出した動きは見られていないという。

こうしたことから2019年のメインシナリオは

・緩和的な金融政策を背景に、投資意欲は高い状況が続く
・市況が過熱化する可能性は低く、利回りの低下はごく緩やかなペースを維持する
・景気後退が差し迫っている兆候はなく、当面は賃貸需給が引き締まった状態が継続・
・不動産価格の緩慢な上昇基調が続く可能性が大きい

などという。とりあえず、2019年は穏やかな状態が続く年になりそうというわけだ。

健美家編集部(協力:中川寛子)

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