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新型コロナウイルスで地価下落! 今年の地価公示は実体との乖離が鮮明に?

不動産投資全般/市況 ニュース

2020/02/04 配信

2020年の地価動向について強気の見方が続く。国土交通省の地価LOOKレポートによると、2019年7月1日〜10月1日(第3四半期)の地価動向で全国100地区のうち上昇地区数が97地区と7期連続で上昇地区の割合が9割を上回った。

空室率の低下、賃料の上昇等堅調なオフィス市況、再開発事業の進展による魅力的な空間・賑わいの創出、訪日外国人の増加による旺盛な店舗、ホテル需要などが要因となっている。2月に発表予定の2019年10月1日〜2020年1月1日の第4四半期も上昇基調が観測される。

ただ、その地価上昇の勢いにブレーキがかかる可能性が高まった。中国・武漢を発信源に世界に急速拡大している新型コロナウイルスに終息の兆しが見えない。

武漢の街は閉鎖され、日本政府は、中国に在住する日本人を政府チャーター機で帰国させたり、直近で中国の湖北省に滞在歴のある外国人の入国を2月1日から入管法に基づいて拒否する方針を決めた。

中国政府も団体旅行の禁止をしている。政府が音頭を取ってきた2020年に訪日外国人客数4000万人や2030年の6000万人といった目標の達成も難しくなっている。

これまでの地価上昇は、訪日客の需要の増加によって土地の収益が改善するインバウンド需要≠ェけん引していただけに今回の事象が地価上昇の勢いを欠くことにつながる可能性は高まっている。

中国の春節による訪日客の増加に対応できるよう仕入れを大幅に増やした飲食店や土産物店は例年に比べて外国人の顧客が半分に減ったとの声が報道で相次いだ。ホテルや旅館といった宿泊業界でも稼働率に影響し、それが客室単価にも反映される懸念が急速に高まっているなど、とりわけインバウンド業界にとって、日韓関係の悪化に続く痛手となった。

銀座中央通
▲訪日客で賑わった銀座中央通りは、例年になく人が少なくなった

このことを踏まえると、地価LOOK(第4四半期)に地価上昇の傾向が出たとしても、新型コロナウイルスの事象が反映されていないためだと推測できる。そもそも遅効性のある指標であるが、国土交通省が3月に発表する地価公示でも実体と乖離した地価の上昇率が示されるかもしれない。

年末から年初にかけて不動産の専門家など関係各所では、2020年も地価の高止まりが続き、上昇余地がほぼない都心部でも小幅上昇する、割安感がまだ残る地方都市では都市部よりも上昇幅を拡大して上昇する、といった見方を裏切る結果が想定できる。地価の潮目が変わる兆しは、9月の都道府県地価調査(基準地価)で見られるかもしれない。

ただ、新型コロナウイルスが早期に終息して東京五輪・パラリンビックを迎えることができるとまた状況は変わってくる。五輪観戦者を中心に訪日客が戻れば、商業施設や宿泊施設は五輪特需で売り上げも大幅に回復し、オリンピック開催で日本という国をしっかり発信できれば観光立国としての存在感を高める。

五輪特需が剥げ落ちても一定水準以上のインバウンド需要が見込めるため、賑わいを見せる地域の地価が落ち込むことはない。「不動産マーケット的には、基本的に訪日客を取り込みながら堅調に推移するのではないか」(不動産鑑定士)との見方は根強く残っている。

とはいえ、インバウンド狙いは、一定地域からの需要に偏るような呼び込み戦略からの脱却が求められるところだ。日韓関係の悪化と中国発の新型コロナウイルスがそれを印象付けた。

現状アジアに集中し過ぎている点を改めることが外的リスクの直撃を回避する。日本で開催した昨年のラグビーワールドカップが良い例となった。開催期間中に他の訪日客と比べて1人当たりの消費額が多く、滞在期間も長い欧米からの観光客が増えた。新たな客層に魅力を発信し、訪日客の分散化を進められるかが課題となっている。

世の中にお金が余り過ぎている状況は変わらない。世界的に投資先が狭まり始めていることを受けて不動産に余剰資金が流入する流れは続く。

実際、米国の投資ファンド大手が日本の賃貸マンション群をバルク取引により3000億円ほどで購入すると1月末に報道されている。不動産市場は、引き続き海外勢によるインバウンド投資が不動産の取引相場を決定する存在として目が離せないが、地価はインバウンドだけで決まるものでもない。

中長期的なスパンで見ると、人口減少が本格することに伴い地価の下落圧力も強まり、空き家の増加や所有者不明の土地の問題など諸問題への対応も地価に影響する。日本の国力とも比例する。

少子高齢・人口減少に突入しながらも就業者数が増え、2018年は就業者数の増加が統計始まって以来の増加となったが、これは高齢者と女性による社会進出によるもので、人口減少下にあって総体的に就業者数はこれから減少に向かう。地価下落の潜在的な圧力は大きい。

健美家編集部(取材・文、鹿嶋淳一)

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