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経営破綻したホテルをサービス付オフィスへコンバージョン!大阪オフィス立地を生かしたJ-REITみらいの戦略

不動産投資全般/Jリート・小口化商品 ニュース

2020/11/01 配信

コロナ禍真っ只中の今年4月、WBFホテル&リゾーツ(大阪市)が経営破綻したニュースは記憶に新しいところだろう。

上記が運営していた「ホテルWBF淀屋橋南」を、建物を所有する投資法人みらい(上場REIT)がウィズコロナ時代にマッチしたサービス付オフィスへと改装している。「BizMiiX(ビズミックス)淀屋橋」は来年1月オープンに向け、改装中の内部を10月下旬に公開した。

セットアップ+サービス付き+フレキシブルなオフィスへ
自然換気や非接触型カードでコロナ対策を重視

1席当たりの空間を広くとってあるセットアップオフィス。オリバー社のデザインなので、おしゃれだ。
1席当たりの空間を広くとってあるセットアップオフィス。オリバー社によるおしゃれなデザインだ。

9階建ての元ホテルは、机やイスなどのインテリアや家具を備えたセットアップ型のサービスオフィスへと大胆にコンバージョン(用途変更)している。オフィスの内装はスターバックスカフェの内装を手掛けるオリバー社によるもので、カフェのようなオシャレな空間だ。

オフィスの大きさは12uから32uと4種類ある。例えば一番小さな12uのオフィスの場合、標準3席が用意されている。月額賃料は17万円からで、最短3ヶ月から賃貸契約を結べる。

2階から9階の各階には、コピー機やシュレッダーなどのOAコーナーや、お茶やコーヒーなどのドリンクサービス付きの共用サロンが用意されている。

1階には平日コアタイムに受付対応するコンシェルジュが常勤し、開放的なコワーキングカフェサロンなどもある。その他、ビル内には無料会議室が5室、有料会議室が1室ある。

元々ホテルとして開業していたので、窓を開けて自然換気できる上、防音性も高い。各部屋にはスマートロックロボットAkerunを採用し、非接触型ICセキュリティカードで入退室などのログも管理できる。非常時にはオフィス運営側がドアを開けられるよう、通常の鍵も備えている。

元ホテルだったので、窓を開けて自然換気できることがコロナ禍では重要ポイントに。防音性も高い。
元ホテルの24時間換気システムに加え、窓を開けて自然換気できることがコロナ禍では重要ポイントに。防音性も高い。

また、各部屋で使用するWi-Fi番号が違うため、1つのWi-Fiアドレスをみんなで使うようなコワーキングオフィスよりもセキュリティが高い。感染症や災害対策を含めたBCPプログラムもビル運営側が準備し、非常食や飲料水などを備蓄している。

スマートロックロボットAkerunを採用。非接触型ICセキュリティカードで入退室のログも管理できる。
スマートロックロボットAkerunを採用。非接触型ICセキュリティカードで入退室のログも管理できる。
非常時にはオフィス運営側がドアを開けられるよう、通常の鍵も備えている。
非常時にはオフィス運営側がドアを開けられるよう、通常の鍵も備えている。

上記のオフィスの賃料には、光熱費やWiーFi使用料、OA機器使用料、室内清掃費、ドリンクサービス、無料会議室使用料などを含む。退去時はクリーニング代のみで、通常使用内であれば原状回復費用は発生しない。

J-REITのみらいはホテル破綻前からコンバージョンを検討
従来のフロアー貸しより、付加価値をつける

「ホテルWBF淀屋橋南」は、北海道や沖縄でホテル事業を展開していたWBFホールディングスのグループ会社が2017年4月に開業したホテルだ。2018年、J-REITの投資法人みらいが物件を取得し、ホテル運営はWBFホテル&リゾーツがテナントとして行っていた。

ところが2019年夏から、日韓関係悪化の影響を受けたインバウンド客の減少や大阪市内のホテル間競争の激化などでホテル稼働率が低下。テナントから賃料減額要請を受け、投資法人みらいはテナントの変更やホテル以外のコンバージョンなど、根本的な方策を検討していた。

そこへ2020年春に新型コロナウイルス感染症が猛威をふるった。投資法人みらいはサービスオフィスへのコンバージョンを断行すべく、テナントと賃貸借契約の解約協議を進めていたところ、テナントが4月に民事再生法の適用を申請した。

投資法人みらいは5月にテナントと賃貸借契約を解約し、ホテルは閉館された。
そして、7月からリニューアル工事を着工し、2021年1月に完成させてセットアップ型サービスオフィスをオープンさせる予定だ。

投資法人みらいがリサーチしたところ、淀屋橋エリアは大阪市内有数のオフィス街であるものの、テレワークやBCP(テロや天災など緊急事態が起こった際の事業継続計画)に対応するサテライトサービスオフィスが少ない。

またコロナ禍では、換気の重要性やオンライン会議への参加、テレワーク環境が整備されていることなど、オフィスに必要とされる条件が大きく変化していることを受け、ウィズコロナ時代に対応できるサービス付きのセットアップオフィスにしたようだ。

お茶やコーヒーなどのドリンクサービス付きの共用サロン。
お茶やコーヒーなどのドリンクサービス付きの共用サロン。

なお、通常はJ-REIT自身が物件の開発や賃貸休止を伴う大規模改修をすることはあまりない。なぜなら、開発やコンバージョンをしている期間は賃料が発生しないため、J-REITの投資主に分配金を払うことができないからだ。

普通は、必要がなくなった物件を売却し、完成した物件を新たに購入して賃料を得て、投資主に分配金を払うという場合が多い。
また、すでに賃料が発生している完成物件を購入することに比べ、コンバージョン自体が成功するかわからないので、投資法人みらいは大胆な戦略を取ったと言えるだろう。

今回は、元ホテルがオフィス街の淀屋橋にあって立地が非常に良かったことや、自身のポートフォリオからホテルの割合を減らす選択をしたこと、ホテルで継続運用することによる不動産価格の下落リスクを避ける判断をしたこと、従来のオフィスビルのようにスケルトンでフロアー毎に貸して賃料をもらうのではなく、サービス付きオフィスとして自分たちで運用する方が高い収益が見込めると考え、決断したのではないかと思われる。

入居時の初期費用やランニングコストが月額賃料に含まれ、入退去がしやすく、ビル内でのオフィスの変更や移動がフレキシブルにできるオフィスとして、現在のところ多くの問い合わせが入っているようだ。

ビルの前には看板を立て、近隣オフィスへの宣伝も。
ビルの前には看板を立て、近隣オフィスへの宣伝も。

投資法人みらいは三井物産系と独立系の合弁J-REIT
現在の分配金利回りは6%と高め

投資法人みらい(証券コード:3476)は、総合商社である三井物産グループの三井物産アセットマネジメント・ホールディングスと、独立系のイデラキャピタルとの合弁で2016年12月に上場したJ-REITだ。

イデラキャピタルは2012年にエムケーキャピタルマネジメントとアトラス・パートナーズが合併した会社だが、2014年に中国のフォースン・グループ(復星集団)が資本参加した。フォースン・グループは日本のレジャー・観光分野にも進出し、クラブメッドや北海道のトマムなどを所有している。

投資法人みらいの保有物件は33物件、取得価格合計は150,911百万円(2020年10月31日時点)。物件の稼働率は98.9%(2020年9月末日時点)。

分配金は2020年4月期(第8期)が1,561円で確定済みで、2020年10月期(第9期)の予想分配金は1,380円、2021年4月期(第10期)は同1,150円と発表している。

10月28日時点での投資口価格(株式の場合の1単位当たりに相当)は38,800円。10月期の分配金1,380円をもらうために、もしこの価格で買っていた場合の予想分配金利回りは6.5%となる(売買手数料・源泉徴収税などは除く)。

コロナの影響で、2021年中旬までは「みらいリバイバルプラン」と称し、今回の旧・WBFホテル淀屋橋南のサービスオフィス「BizMiiX淀屋橋」へのコンバージョンと、苦戦している奈良の商業施設ミ・ナーラの再リニューアルや物件の入れ替え等を大きな柱として推進している。

大阪メトロの淀屋橋駅から徒歩3分、北浜駅から徒歩4分とオフィス街の好立地に建つ「ビズミックス淀屋橋」
大阪メトロの淀屋橋駅から徒歩3分、北浜駅から徒歩4分とオフィス街の好立地に建つ「BizMiiX淀屋橋」

なお、内装工事済みで机・椅子などもあらかじめ用意されたセットアップ型オフィスは、「いちごオフィス投資法人」(証券コード:8975)でも導入されている。いちごオフィスは中規模オフィスを中心に展開しているJ-REITだ。ビル内にある不整形で少し使い勝手悪そうなスペースをセットアップ型オフィスにして、スタートアップや小規模の会社自身が内装工事などせずに簡単に借りられるように対応している。

J-REITについての詳細は、過去記事を参考にどうぞ。
なお、J-REIT投資は投資家自身の判断と責任で行ってほしい。

健美家編集部(協力:野原ともみ)

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