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不動産投資家の融資戦略に影響大?ふくおかフィナンシャルグループと十八銀行の経営統合を公正取引委員会が承認。

融資/融資状況 ニュース

公正取引委員会(以下公取)は8月24日、「株式会社ふくおかフィナンシャルグループ(以下FFG)による株式会社十八銀行の株式取得に関する審査結果について 」を公表。

FFGに対し、排除措置命令を行わない旨の通知を行い、本件審査を終了したと発表した。公取が承認したことで、両者は2019年2月に経営統合する予定だ。

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親和銀行を傘下に持つFFGと十八銀行が経営統合に合意したのは、2016年2月であった。両行とも長崎県が地盤の地方銀行である。

FFGからの企業結合計画の届出を受け、2016年6月から公取による企業結合審査が開始されたが、長崎県内での中小企業向け貸出しシェアが70%超となり、競争環境を著しく阻害する恐れがあり、承認は難しいとの見解を示していた。

これを受け両行は、他の金融機関への1000億円規模の債権譲渡を進め、シェアを10ポイント程度下げる措置を講ずる見込みがついたと公取に報告。

公取は、当該経営統合が、中小企業向け貸出しに係る一定の取引分野における競争を実質的に制限することとはならないと認められるとし、今回の承認に至ったものである。

今回の経営統合が注目を集めたのは、競争当局である公正取引委員会と、監督官庁である金融庁の考え方が真っ向から対立していた点にある。以下に両者のこれまでの主張についてまとめてみた。

1 適正な競争環境について
(公正取引委員会)
世界的に確立された基準に従って,その企業結合案件が競争を制限するものであるのかどうかによって,クリアランスを出すかどうかを判断している。

金融機関だから例外というわけにはならず、競争政策の規律、客観的な判断基準に沿って対応する必要がある。

企業が切磋琢磨して消費者にふさわしいサービスを、ふさわしい価格で供給していくためには消費者(需要者)の選択の余地がある必要がある。

消費者の選択の余地を狭めるようなもの、消費者の利害を害するような企業結合事案にクリアランスを出すわけにはいかない。

市場メカニズムを活用して経済を発展させていくために、競争を実質的に制限することとなるような企業結合は排除していかなければならない。

需要者や消費者の利益を害する形の企業結合をして、地域で独占の利益に頼って金融システムを維持していくという考え方は、決して適切ではないと考えている。企業体質を強化することにより金融システムの維持を図るということであれば、別の企業結合の仕方もあるだろうし、その事業をどのように拡大していくかということを考えていく方向もあるだろう。

*以上、「委員長と記者との懇談会概要」公取HPより抜粋

(金融庁)
現在のように需要が減少する中で過当ともいえる競争が行われると、金融機関の経営悪化を招く。

こうした状況が継続すると、金融システムの安定性を損なう可能性にも留意しなければならない。金融機関間の競争を考える際には金融システムの安定性確保の視点も重要であるとの考え方は、国際的にも許容されている。

県境を越えた貸出競争が激化する中においては、金融機関の都道府県内における貸出額シェアが高くても、貸出金利を高く設定することは、総じて困難になっている。都道府県など行政区画内における貸出額シェアのみに基づいて、貸出市場における金融機関の市場支配力の有無を判断することは困難と考えられる。

地域金融における競争のあり方を考えるにあたっては、最低限の金融インフラの確保や中小企業の経営改善への貢献を含めた、地域における金融仲介機能の発揮金融システムの安定性確保と両立する競争のあり方を検討する必要がある。

現在の地域銀行の一般的な貸出姿勢を調査すると、担保・保証への依存度合いが高く、企業の事業性評価が出来ていないところが多い。

すなわち、この点については寡占・独占の弊害と言うより、むしろ担保・保証の有無にかかわらず事業性を見た融資が普及していないことに問題の本質がある。

地域金融機関の経営統合については、都道府県内のシェア等により画一的にその是非を判断するのではなく、当該経営統合により地域にもたらされうる恩恵、寡占・独占の弊害の可能性、地域の中小企業の真の不安の所在を把握し、これらに対し的確な対応を行うことが重要である。

*以上、金融庁の有識者会議「金融仲介の改善に向けた検討会議」の報告書「地域金融の課題と競争のあり方」より抜粋

2 債権譲渡について
(公正取引委員会)
銀行に限りませんけれども、店舗譲渡だけが問題解消措置になるというわけではないと思います。競争の状況をより競争的な状況に持っていくためには、競争単位がきちんと存在するということが最も有効なわけですから、競争のための資源が第三者の手に渡るというのを構造措置というふうに言ってますけれども、その構造措置が採られるのが一番効果が強いものだというふうには思います。
*以上、「公正取引委員会・事務総長記者会見(2017 年12月6日)」公取HPより抜粋

(金融庁)
店舗・債権譲渡による弊害是正は、もっぱら人為的に競争相手を創出するために顧客の同意を得ずに行われれば、中小企業金融の基礎となる中長期的な取引・信頼関係を損ない、顧客に不安・不利益をもたらす。金融庁・福岡財務支局が平成30 年1月から2月にかけて、長崎県内の中小企業に対して独自に行った聞取り調査では、債権譲渡については、長崎県の中小企業の大多数が不安を有している。

*以上、金融庁の有識者会議「金融仲介の改善に向けた検討会議」の報告書「地域金融の課題と競争のあり方」より抜粋

両者の主張を見て分かるように、金融庁は貸出金シェアありきだとして、公正取引委員会を強く批判してきた。

今回、公正取引委員会は統合承認に舵を切ったが、これは決して金融庁の主張を認めたからではない。冒頭の「株式会社ふくおかフィナンシャルグループによる株式会社十八銀行の株式取得に関する審査結果について」を見ればわかるが、あくまで債権譲渡により両行の貸出しシェアが低下し、競争環境が維持される(一定の取引分野における競争を実質的に制限することとはならない)判断したことによる。

しかし、不動産投資家にとっては今回の承認は大きな意味を持つかもしれない。

地域(県単位)で圧倒的シェアを持つ銀行誕生の先例となるからだ。地方の高利回り物件などを狙う際、融資戦略上の有力な選択肢となることは間違いない。今後の地方の金融機関の動きには注意しておく必要があるだろう。

健美家編集部

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