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コロナ禍で2021年度の固定資産税は据え置き? 東京、大阪、北海道、沖縄など地価上昇エリアに恩恵

融資/その他 ニュース

2020/09/03 配信

自民党の甘利税調会長がメディアのインタビューで表明
インバウンドなどで公示地価上昇、苦しむ事業者に配慮

自民党の甘利明税制調査会長が8月、メディアのインタビューに答え、2021年度税制改正で、商業地の固定資産税を据え置くことを検討するとした。インバウンド(訪日外国人客)増加の影響などで各地の公示地価が上昇してきたが、これにあわせて固定資産税を増税すれば、新型コロナウイルスの感染拡大で苦しむ事業者らに過酷な負担となるからだ。3年で公示地価が3.4倍になった北海倶知安町をはじめ、多くの地域が恩恵を受けそうだ。

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固定資産税は、土地や建物にかかる税金で、市町村に対して納める地方税だ。土地や不動産をその年の1月1日時点で所有している人が払わなければならず、4〜6月ごろに納税通知書が送られてくる。不動産投資家には、おなじみの税金といえる。

固定資産税を計算するための基準となる不動産の評価額は、3年に1度、見直しとなる。2021年度は、ちょうど見直しの年にあたり、新しい評価額が適用される。土地の評価額は前年の1月1日時点の公示地価から算出するので、21年度の新しい評価額は、今年1月1日時点の公示地価を使って計算することになっている。

甘利氏のインタビューは8月14日の日本経済新聞電子版に掲載された。それによると、甘利氏は「(評価額の)見直しの起点は1月1日だ。その後、経済は落ちた」と指摘した。新型コロナの感染拡大は1月より後であるため、今年1月1日時点の公示地価には、新型コロナの影響が十分に反映されていなかったとの認識を示したものだ。

商業地は2017年の公示地価を使い算出か
日本不動産研・吉野氏「一般論として考え方は妥当」

そして、日経新聞電子版は次のように指摘する。

「民間の試算では20年の全国の商業地の公示地価は17年から平均8%上がった。東京近郊で公示地価が2割強上がったある小規模オフィスビルの場合、土地部分の固定資産税は200万円程度から300万円程度に上がるという」

さらに、「店はガラガラなのに固定資産税だけ増える」「これでは新たな投資もできない」との不動産業者の声も紹介。

こうした状況を踏まえて、甘利氏が「企業の支払い能力が落ちているのに増税はどうか。検討した方がいい。(対象は)商業地だ」と語ったとし、「商業地に限り今年1月の公示地価を適用せず、17年の公示地価で算出する措置などを議論する。税収増がなくなる地方自治体に補填はしない方向だ」との見方を示している。

税制改正のとりまとめは年末にも本格化する
税制改正のとりまとめは年末にも本格化する

21年度税制改正の取りまとめは、今年の年末にも本格化する。

固定資産税の据え置き方針に関し、一般財団法人「日本不動産研究所」(東京都港区)の吉野薫・不動産エコノミストは、「一般論として、とくにここ数年、商業地で地価が力強く上昇してきたところは、少なからずインバウンドの影響を受けてきた。それにあわせて事業者が固定資産税を負担すれば、コロナ下にあっては過酷というのは、考え方としては妥当だ」と評価する。

重ねて、吉野氏は次のように指摘する。
「全般的に日本の景気や実体経済は好調だった。オフィスやマンションの需要もしっかりしてきたのが地価上昇の要因になってきた。だが、とくに商業地の中でも地価の上昇が著しいエリアは、インバウンドの影響が強かった」

3年間で倶知安町3.4倍 沖縄県那覇市1.8倍に
浅草は2倍、福岡市博多区は1.8倍

具体的に、どこの公示地価が上がっているのか。まず、2020年1月1日時点の前年比の値上がり率ベスト3の場所(北海道倶知安町、沖縄県那覇市、大阪市中央区)が、3年前の17年1月1日から何倍値上がりしているか見る。

公示地価
外国人のスキー客などでにぎわってきた北海道倶知安町の商業地は19年比1.6倍、17年比3.4倍だった。
同じくインバウンドでにぎわい、ホテルなどの建設需要が高まるなどした沖縄県那覇市の商業地は、19年比1.5倍、17年比1.8倍となった。
大阪の中心部で、オフィス需要が堅調だった大阪市中央区の商業地は19年比1.5倍、17年比2.2倍だった。
ベスト3に入っていない場所では、やはりインバウンドでにぎわった東京・浅草の商業地が19年比1.3倍、17年比2倍に。福岡市博多区の商業地は19年比1.3倍、17年比1.8倍となっている。
これらの商業地でビル、マンションなどの物件を運営している不動産投資家も多いことだろう。だが、足もとのコロナ禍で、テナントの家賃滞納や入居者の退去などで苦しんでいる人も多いはずだ。
税制改正で固定資産税の据え置きが実現するなら、増えるはずだった負担が回避され、賃貸経営の苦しさがいくぶんでも和らぐことになるはずだ。

取材・文 小田切隆

【プロフィール】 経済ジャーナリスト。長年、政府機関や中央省庁、民間企業など、幅広い分野で取材に携わる。ニュースサイト「マネー現代」(講談社)、経済誌「月刊経理ウーマン」(研修出版)「近代セールス」(近代セールス社)などで記事を執筆・連載。

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