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長期的には不動産投資市場にも影響? 人が集まり生き残る地方都市のキーワードは「コンパクトシティ」!

政策/街づくり ニュース

2020/08/09 配信

日本が人口減社会に突入しているのは、ご存じの通り。2008年の1億2808万人をピークに減少に転じていて、20年7月時点で1億2596万人になった。

なんと、前年同期比で30万人も減っているそうだ(総務省統計局調べ)。そうしたなか、都心部より地方の方が人口減は激しく、一時は「消滅可能性都市」というワードが世間をにぎわせた。一方、これに歯止めをかける動きも顕著で、それが「コンパクトシティ」への取り組みだ。

人口減に直面している、日本の地方都市。その打開策として期待されているのが、コンパクトシティの構想で、富山市などはすでに取り組みを深めている。
人口減に直面している、日本の地方都市。その打開策として期待されているのが、コンパクトシティの構想で、富山市などはすでに取り組みを始め成果を得ている。

今後の日本を占うキーワード
持続可能な都市・社会を形成

コンパクトシティとは、土地利用の郊外への拡大を抑えつつ、生活に必要な機能が集約することで中心市街の活性化を図った、効率的で持続可能性のある都市、もしくは都市計画を指す。一般的には「高密度で近接した都市開発」「公共交通機関でつながる市街地」「地域サービスや勤務地までの移動が容易」といった機能を備えた都市構造と考えて良いだろう。

日本の場合、戦後に人工が増え経済が右肩上がりだった高度経済成長期に、都市機能は中心部から郊外へと拡大を広げた。ところが、人口が減少に転じた少子高齢化の社会において、住まいに関わる様々な機能が点在していると非効率なだけ。

国土交通省の「コンパクトシティの形成に向けて」では「持続可能な都市経営(財政・経済)のため」「高齢者の生活環境・子育て環境のため」「地球環境、自然環境のため」「防災のため」の4つの観点から、コンパクトシティが有効だと述べている。これを実現するため、都市再生特別措置法など関連する法律の改正も実施した。

限られた資源を集中させ、効率的に利用することで持続可能な都市・社会は実現。それを形にしたのがコンパクトシティだ 出典:国土交通省の「コンパクトシティの形成に向けて」
限られた資源を集中させ、効率的に利用することで持続可能な都市・社会は実現。それを形にしたのがコンパクトシティだ
出典:国土交通省「コンパクトシティの形成に向けて

具体的にはどういった取り組みがあるのか。

富山市は他の都市に先駆け、03年からコンパクトシティへの取り組みを始めている。同市では既存の公共交通網のうち、市内すべての鉄軌道、運行頻度の高い路線バスなどの路線を「公共交通軸」として設定。「中心市街地地区(都心地区)」と、利便性の高い公共交通軸の沿線を「公共交通沿線居住推進地区」に選び、住民の住まいが分散から集約へシフトするよう居住推進エリアに誘導した。これにより、両エリアは転出超過から転入超過に転じている。交通網を利用した好事例と言えるだろう。

熊本市はコンパクトシティを目指し、公共交通沿線に居住機能や都市機能を集積させるため、都市マスタープランを作成。街の中心拠点ではバスターミナルや商業、住宅、MICE施設(ビジネストラベル拠点)などの複合施設の整備を予定し、中心拠点と地域拠点をつなぐバス路線を再編するなど、公共交通ネットワークの強化、利用促進に向けた取り組みを行っている。

熊本市の取り組み。中心市街地や地域拠点に都市機能を維持・集積させ、その周辺や公共交通の利便性が高い地域へ居住を促進する。 出典:国土交通省「コンパクトシティの形成に向けて」
熊本市の取り組み。中心市街地や地域拠点に都市機能を維持・集積させ、その周辺や公共交通の利便性が高い地域へ居住を促進する。
出典:国土交通省「コンパクトシティの形成に向けて

北海道上川郡鷹栖町は、居住や都市の生活を支える機能の誘導によるコンパクトな街づくりと地域交通の再編との連携による、コンパクトシティ・プラス・ネットワークの取り組みを推進。ここでは、人口減少のなかでも一定のエリアで人口密度を維持して生活サービスやコミュニティが持続的に確保されるよう居住を誘導する「居住誘導区域」、同エリアの中に医療・福祉・商業などの都市機能を都市の中心拠点や生活拠点に誘導・集約することで、これら各種サービスが効率的な提供が図られる「都市機能誘導区域」を設定した。住まいと都市機能の集約化を目指している。

滋賀県の草津市では、JR草津駅を中心都市、子供や高齢者を含めた多くの人が暮らしやすい、歩いて暮らせる街づくりを進める「草津市中心市街活性化基本計画」を13年から推進。

これまでに、駅前のショップ&カフェ。レストランの「niwa+(ニワタス)」や草津川跡地公園de愛ひろばなどの拠点整備を実施し、歩行者通行量の増加といった成果があるようだ。これに加え今年3月には、旭化成不動産レジデンスが若い世代の定住促進、高齢者への介護・医療の充実を図りコンパクトシティを目指した「Cross Avenue(クロスアベニュー)草津」を竣工。分譲マンションやサ高住、飲食店などが高層棟と低層棟の2棟に集積している。

このように、全国各地では官民が協力し、コンパクトシティへの取り組みが行われている。公共交通機関を軸にすることもあれば、高齢者や子育て世帯が住みやすいよう在宅医療・服施設の開設、子育て支援施設を整備するなど、その内容は多岐にわたるようだ。こうして、効率的に運営される都市が生まれることで人口減に拍車がかかれば、資産価値の維持、もしくは改善につながるかもしれない。賃貸経営というと近年は首都圏が注目されがちだが、こういった視点で有望エリアを探す手もあるのでないだろうか。

健美家編集部(協力:大正谷成晴)

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