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オフィス需要が高い札幌市で、賃貸用オフィス新築・建替向け補助金制度創設。テレワークでさらに需要拡大か?

政策/助成金 ニュース

2020/08/06 配信

新型コロナウイルスによって多くの企業がテレワークを採用し、在宅と出社による勤務形態を混ぜるような働き方が進んできている中、オフィス面積の縮小が進んで来ている。

しかしながら、この新型コロナ禍の前は全国的にオフィスの面積が足りなく、増床が望まれていた事は記憶に新しい。

その中でも北の中心都市札幌では、全国的に見てもオフィス空室率が低く、供給が望まれていた都市の代表だ。これからオフィスを建てようとする投資家には「札幌市オフィスビル建設促進補助金」という制度がある。

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■札幌市オフィスビル建設促進補助金
この補助金の趣旨は、札幌市内中心部の賃貸用オフィスが不足している状況を踏まえ、新規供給を促し、企業立地を図ることを目的に、 一定規模の賃貸用オフィスを整備し提供する事業を行う方(対象ビルの家屋、償却資産の固定資産税の納税義務者となる方)に対し助成を行うものだ。

対象期間は、令和2年(2020 年)4月1日から令和5年(2023 年)3月 31 日までの間に工事契約を締結するもので、工事契約から5年以内に竣工するものが対象となる。

補助対象となるビルの要件は札幌市立地適性化計画における都市機能誘導区域(都心)に新築または建替するビルであること(改装は除く)で、基準階において、オフィスとして賃貸する部分の一面で貸付可能な面積が 660 u以上(共用部を除く)、オフィスとして賃貸する部分の合計の床面積が、5,000 u以上、建替えを行う場合は、建替前よりもオフィスとして賃貸する床面積の合計が 5,000 u以上増加していること、新規進出企業または増設・増床する市内企業1社以上に賃貸することと、そして札幌市建築物環境配慮制度(CASBEE札幌)総合評価B+以上である事などの要件を満たす必要がある。

札幌市建築物環境配慮制度(CASBEE札幌)とは、事務所ビルやマンションなど建築物の新築や改修を行う建築主に対し、省エネルギー、省資源、緑化、雪処理など環境配慮に努める事を条例で定めたものであり、このB+評定をクリアする必要がある。

図2

そして折りに触れ出てくる「立地適正化計画」が出てきた。
図3

この「都市機能誘導区域(都心)」エリアは「札幌市地図情報サービス」では紫の網掛け部分だ。

北は札幌駅北口エリアから南はMICE施設が開発予定の中島公園付近まで、東は北3条東13丁目の旧苗穂駅付近から西は大通り西14丁目付近までの札幌市都心エリアだ。

不動産投資家はこの「立地適正化計画」があり、これに基づきインフラ誘導が進むことを考えると、この先の物件取得においては常にチェックしておくべき項目であろう。

さてこのエリア内で、オフィスとして賃貸する部分の一面で貸付可能な面積が 660 u以上(約200坪)が必要で、オフィスとして賃貸する部分の合計の床面積が、5,000 u(約1500坪)以上の建物が条件なのでかなりの大きさの建物である。

仮に建築費を200万円/坪と計算すると、総工費で30億円以上の建物が該当になる計算である。

それらの条件を満たす事によって固定資産税課税標準額の2割、10億までが上限の補助を受けることができるのである。
図4

例えば先程の30億(1500坪?100万円/坪)のオフィスビルを建てたとして、固定資産税課税標準額が工事費の80%と仮定すると、単純計算で24億?20%=4.8億円の補助となる。

ただし賃貸オフィス部分の面積は以下のように計算されるので建物全てが対象となるわけではない。

図4-2

■札幌市のオフィス需要
北海道の中心都市札幌は、便利な都市機能と豊かな自然のバランスが取れた、とても住み心地のよい街である。近年は豊富な人材やBCP適地としてのビジネス環境を評価され、IT開発拠点や本社機能の移転先として多くの企業が進出している。

札幌市としても、新たに拠点を開設された企業に補助金を用意するなど、札幌への進出やビジネスの発展を積極的に支援しているのだ。

詳しくは企業進出総合ナビ「NEXT SAPPORO」で解説されているだが、進出する企業に様々な補助金が用意されている。

主なものを紹介する。
・コールセンター・バックオフィス立地促進補助金
新設で最大 3,000万円、増設で最大1,000万円の補助
・本社機能移転促進補助金(企業等の本社又は本社機能の一部の移転)
人件費で最大 1.5億円、開設費で最大 6,000万円

・IT・コンテンツ・バイオ立地促進補助金(情報通信技術・デジタル技術・バイオ技術を活用して、製品の研究・開発・制作を行う事業)
新設で最大 3,200万円、増設で最大 1,200万円

・札幌圏設備投資促進補助金(データセンターを重点施設に追加)
市内で最大 10億円、市外で最大 5億円

・北海道産業振興条例に基づく企業立地の促進を図るための助成制度
最大 10億円

・地域未来投資促進法による支援措置
地域の特性を生かした成長性の高い分野に挑戦する取組みに対する支援制度。
課税の特例(不動産取得税の免除や設備投資に関する特別償却等)国補助の優先採択(加点)
この他にも様々な補助や助成が用意されており、札幌への企業進出は手厚く優遇されている。

三鬼商事オフィスマーケットデータによれば、札幌ビジネス地区の6月時点の平均空室率は2.03%、前月比0.09ポイント上り平均空室率は3ヶ月連続で上がっている。
同社が発表している「オフィスリポート札幌2020」によると、札幌でのオフィス新規供給量は全国主要都市と比較しても非常に少ないのだ。

図5

過去5年間のオフィスの新規供給量は年間3500坪程度であった。このオフィスビル供給の環境で、面積が最低でも約1500坪以上の建物が対象の補助金であるということだ。
それだけ札幌市は大型オフィスを誘致しようとしている。

また三鬼商事によれば2020年の新規供給量(延床面積)は8554坪、2棟を予定している。
3月には既にオープンした「大同生命札幌ビル」(延床面積7220坪)、11月には「(仮称)サムティ大通西5ビル(延床面積1334坪)である。

そして日本経済新聞2020年5月7日の記事よれば、札幌ビジネス地区の4月のオフィス賃料は1坪あたり9336円と前年同月比383円上昇し、仙台ビジネス地区の平均賃料(9316円)を上回り、現在の調査形式になった95年以来初めてで、1坪あたりで31カ月連続の上昇となった事が書かれていた。

札幌では大型オフィスビルが少ないことは明らか。
今後東京からの本社機能の移転なども新型コロナの影響ですすむのかもしれない。

執筆:J-REC教育委員 原田哲也

【プロフィール】
2010年より、一般財団法人日本不動産コミュニティー(J-REC)の北海道支部を立上げ、不動産実務検定の普及に尽くし、多くの卒業生を輩出。2018年よりJ-RECのテキスト編集、改定などを担当する教育委員に就く。
また自身が主宰する北海道大家塾は既に62回の開催を数え、参加人数も述べ3700人を超える。

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