「この街は感じいいな」と思わせる理由には、街区のゆとりや緑の多さなどもあるが、開発計画によってすべての住民が安心して公平に住めていることが、いい雰囲気を作るのには重要だ。
筆者が東京と2拠点生活を送るポートランド(アメリカ・オレゴン州)は、サスティナブルなライフスタイルで、全米でも住みたい街として人気を集める都市だが、どんな背景があるのだろうか。
一つには、中心部から緑豊かな周辺まで車で15分ほど。公共交通機関を利用しての移動も可能なコンパクトなサイズで、米国でありがちなスプロール化(無秩序な拡大開発)をさせないことが功を奏してきたと言われる。その開発手法や街のあり方を学びに日本を含む海外からの視察なども多い。
そんなポートランドで今、過去の開発のひずみから、住民の経済格差などの問題が生じてきているエリアがある。そこで、今後の開発の大きなテーマになっているのが「equitable (公正)な開発」だという。ポートランド州立大学で住民政策について教鞭をとる西芝雅美教授に聞いた。
西芝教授は
「いま、SDG’s(国連サミットで採択された持続可能な開発目標)のなかでもうたわれているequity(公正)
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