長崎駅と武雄温泉駅を結ぶ66qの新幹線
博多駅まで最速1時間20分でアクセス
2022年9月23日、長崎と佐賀の武雄温泉との間を結ぶ、「西九州新幹線」が開業する。線路延長66qをフル規格(標準軌)で整備し、武雄温泉駅で博多・武雄温泉間を運行する在来線特急列車と同じホームで乗り換えを行う「対面乗換方式」を採用し、1時間50分(平均2時間)かかっていた博多-長崎間が約30分短くなり、最短約1時間20分でアクセスできるようになる。

将来的に未整備区間の武雄温泉〜新鳥栖間をフル規格で整備すると、博多-長崎間は約51分で結ばれることに。乗り換え不要で広島や大阪まで行けるようになる。
西九州新幹線では、長崎寄りから諫早、新大村、嬉野温泉の3つの停車駅も同時に開業。各駅の周辺ではインフラ整備が進められていて、そのうちのひとつ、新大村駅前では2024年秋の竣工を目指し、複合施設の開発事業が始まっている。それが「新大村駅前市有地再開発事業」だ。
大村市は西九州新幹線の開業に向けて、「新大村駅周辺土地区画整理事業」を推進。「Convenient(利便性の高いまち)」、「Meet-up(出会いのまち)」、「Relax(くつろぎのまち)」、「Transport hub(交通の拠点となるまち)」のコンセプトを掲げ、新駅東側エリアで民間事業者を公募していたが、大和ハウスと日本エスコン、イズミの3社が事業予定者として決定し、複合施設を開発することになった。

出所:プレスリリース
同事業では敷地面積約2万5400uの土地を大村市から3社が買い取り、分譲マンションや商業施設などを開発。「都市型住居ゾーン」「沿道商業ゾーン」「生活充実型ゾーン」にエリアを区分し、新幹線などの交通機関の結節点となる立地を生かしたまちづくりを行う。

出所:プレスリリース
「都市型住居ゾーン」では、ファミリー世帯をターゲットにした2棟・総戸数174戸の分譲マンションを開発。「沿道商業ゾーン」では、総合スーパーマーケットなど、生活必需品を扱う店舗が出店、「生活充実型ゾーン」では、生活雑貨店などの商業施設を誘致し、タクシー乗り場や電気自動車充電スタンドなども設置する。
カフェやファストフード店、地元の飲食店なども誘致し、新幹線や高速バスの待ち時間に困らないようにするという。
そもそも、大村市は長崎県の中央に位置し、世界初の海上空港である長崎空港や九州横断自動車道の交通網を生かしながら発展してきたまち。
直近の人口は約9.6万人で、この5年間で約3000人も人口が増えている。交通の利便性が高く、長崎市・佐世保市へのアクセスが良くベッドタウンとして機能し、中央部では大型マンション、郊外では新興住宅地の開発が活発。長崎市は坂道が多いまちとして知られるが、大村市は土地が平坦で住みやすいのも特徴だ。
長崎県立図書館や国立病院機構長崎医療センターなど、市民の生活に寄りそった施設も多い。
不動産・住宅情報サイト「LIFULL HOME’S」の「住まいインデックス」によると、大村市の標準的な賃貸マンションの賃料相場は、直近3年間で8.59%上昇。
これは長崎県の変動3.01%に比べると、やや高めの水準だ。中古マンションや中古戸建ての価格も上昇していて、ここからもまちの成長ぶりや住宅に対する需要の高さがうかがえる。新幹線の開業や今回の再開発事業を機に、さらなる発展が期待できそうだ。
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健美家編集部(協力:
(おしょうだにしげはる))