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日本の不動産取引透明性評価は世界16位で2ランクダウン。依然として先進諸国に遅れ

調査/都市・マーケット ニュース

2020/09/29 配信

日本においての不動産取引で不透明な部分が多いとの指摘は少なくない。個人投資家でも運用物件を購入する際に気になる一つが物件価格であろう。購入価格は適正なのか、割高で高値つかみをさせられてはいないか。

そうした不動産取引の透明度を評価してランキング化している調査がある。米不動産サービスのJLLでは2年に1度「グローバル不動産透明度インデックス」として発表しており、9月に発表した2020年度版で日本は16位だった。2年前の調査から2ランク下げている。

同調査は、世界99カ国・163都市を対象に調べているもので、透明度について「高」「中高」「中」「中低」「低」の6つに区分している。今回の調査では、世界の70%の地域で透明度が改善している。最も取引の透明度が高い国はイギリスとなり、2位に前回から一つランクを上げてアメリカ、3位が逆に一つ下げてオーストラリアだった。

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◎新興国が日本猛追、テック活用が鍵に

日本は、前々回の2016年に19位だったが、前回2018年調査で14位と大幅に順位を上げ、2020年は16位に後退と透明度の評価が蛇行して足踏み状態だ。ただ、99カ国中「中高」の上位に位置し、シンガポール、香港とともにアジア太平洋地域の透明度をけん引。

同社では、「過去の日本と比べれば、透明度の改善は着実に進んでいるが、日本にとどまらず、アジア市場全体が、これまで以上に不動産に資金を呼び込むために取引の透明度を高めようと必死になっている」と今回の結果を分析する。新興国が日本を猛追している構図である。

その日本にあっての大きな改善点はいくつかある。まずは、新型コロナウイルスのパンデミックにより、一気に浸透した感のある不動産テックの分野が出遅れていることだ。ここへの対応は急務だとする。

不動産テックの普及率を見ると、日本は35位と隣国の韓国3位、香港12位、中国19位と比べて大きく水をあけられているのがわかる。アジアだけでなく、世界の不動産テックへの対応はかなりのスピードで、「例えばアメリカでは、ジャストインタイムで空室の状況がわかる」(JLLリサーチ事業部ディレクターの大東雄人氏)

◎取引価格の欠如が評価の足引っ張る

そして、不動産の取引情報の開示が不十分であることが評価を下げる大きな要因になっている。価格の登記が義務付けられている海外基準に照らすと、取引価格情報の欠如により財務情報の開示に対する評価が低い。この指摘は今に限ったことではなく、学習能力のなさを突き付けているとも言えよう。

上場不動産投資信託(Jリート)のように取引価格や賃料水準など細かに開示しているものが、一般の実物不動産取引ではわからない。取引価格の推移にとどまらず、例えばオフィスビルでは、実際の賃料一つをとっても共益費との区別しづらく、ランニングコストの不明瞭さがあるため、その物件の将来性をシミュレーションして現段階との比較がしづらい。財務情報の開示と不動産テックが鍵を握っている。

JLLグローバルリサーチディレクターのジェレミー・ケリー氏は、「透明度が高に来ている国々を見ると、やはり投資家や企業からの期待度、要求度が毎年高まっている」と指摘する。一方、同社では、日本が評価を受けている部分は、不動産ローンにかかわる情報に優れているとし、不良債権の比率や貸出先のチェックも厳しいことで評価が高いとする。

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▲ちなみに東京56位、大阪63位、福岡64位、名古屋66位

◎コロナ踏まえ、取引評価に新たな指標も

今後の透明性を評価する上では、新しい要素も加わりそうだ。気候変動を踏まえての対応がなされているか、エネルギー効率の数値化の可視化が行われているか、といったものが取引の透明性に影響するというものだ。

新型コロナを受けて、不動産の所有者は、テナントやワーカーなどの入居者への健康に配慮することが求められ、例えば空気清浄の数値化などAI(人工知能)やIoTなどテックを活用して詳細な情報が取引の信頼性を高める。

日本の不動産取引を安心したものにするためにすべきことは山積している。

(文・鹿嶋淳一)

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