コロナ禍以降全国的に中古マンション価格の高騰がみられる。不動産売却一括査定サイトを運営するマンションリサーチ株式会社では、東京都23区中古マンション売却マーケットの調査結果を発表。東京都23区が全国的にも群を抜いて超高騰している事がわかった。
<調査対象マンション>
・東京都23区内
・40平米以上
・居住用マンション
■マンションナビ調べ価格上昇のきっかけはコロナ禍
居住用マンション価格は、需給の変化を敏感に織り込んで変動する。すなわち、供給が過剰になれば価格は下落し、供給が不足すれば価格高騰する。
グラフ1:東京都23区前年同月比中古マンションマーケット売出数

上記のオレンジの折れ線は、前年同月比の中古マンションの売出数の増減比を示しており、コロナ1波の真っ最中だった2020年4月が調査期間内で最低値のマイナス37.5%となっている。
グラフ2:東京都23区月別中古マンション売出戸数

また上記は各年度各月ごとの中古マンションの売出戸数を示しており、2019年以降中古マンションの売出数は減少していることがわかる。
グラフ3:東京都23坪単価

一方で上記は東京都23区の四半期ごとの中古マンション坪単価を示しており、上記の中古マンション供給が大きく減少し始めたのと同時時期の2020年第2四半期以降、急激に高騰していることがわかる。すなわちコロナ禍を機に、中古マンション供給数が不足したことにより、価格の高騰がおこったと考えることができる。
■中古マンション供給数はコロナ禍前の水準に戻りつつある
表1:東京都23区前年同月比中古マンションマーケット売出数の増減率

上記の表は、前年同月比の中古マンションの売出数の増減比を示している。緑塗箇所はコロナ1波から一年以上たった地点での前年同月比の中古マンションの売出数の増減比となっており、いずれもプラスに転じている。このことは、中古マンションの供給数が上昇しているということができる。
グラフ5:東京都23区月別中古マンション売出戸数

上記の黄色のグラフ、2022年の各月ごとの中古マンションの売出戸数を示しており、コロナ禍以前の2019年(青いグラフ)の水準に近付いていることがわかる。
■歯止めがきかない、高騰する中古マンション価格
大きく減少していた中古マンション供給量がコロナ禍以前の水準にもどしつつある現在であるならば、本来マンション価格は下落すると考えられるはず。にもかかわらず実際は全く逆の動きをしており、未だ高騰の動きを見せている。
表2:東京都23区平均坪単価
このことは、需給関係という経済原理では説明することができず、バブルの様相を呈してきていると言わざるを得ないのが、現状の東京都23区の中古マンションマーケットとなっている。
健美家編集部