レンタルスペースの一番の特徴は、小資本でできることです。そんな「 レンタルスペース 」の始め方や運営方法を全4回に分けてお伝えします。その他、私が感じた不動産投資との違いやレンタルスペースの魅力、トラブル事例なども紹介したいと思います。
■ レンタルスペースとは何か?
レンタルスペース、貸議室、パーティスペース。これらの言葉を聞いたことがある方も最近は多いのではないでしょうか。まずはざっくりと「 レンタルスペース 」とは何か? について説明します。
レンタルスペース事業とは、簡単にいうと「 場所を時間貸しで貸す 」ことです。不動産が年単位、民泊・ホテルが1日単位なのに対して、レンタルスペースは基本的に1時間単位で場所を貸し出します。利用用途は多様で、それに合わせてレンタルスペースの種類も多くあります。
・会議や打ち合わせ、セミナー、勉強会→貸会議室
・飲み会や女子会、誕生日やオンライン配信の鑑賞会→パーティスペース
・ダンスやヨガなどの練習・スクール→レンタルスタジオ
・整体やマッサージなどの施術→レンタルサロン
・一日だけのお店やカフェ→シェアキッチン
これらのスペースを総称して、ここでは「 レンタルスペース 」と呼んでいます。「 そんなの使ったこともないし、見たこともない 」という方は一度、「 ●●県( 最寄りの大都市 ) レンタルスペース 」で検索してみて下さい。
首都圏や大阪、名古屋、福岡などは驚くほど出てくるはずです。近くにあったらお仲間とぜひ一度、使ってみることをおすすめします。飲食店やカフェとは違う良さがきっと分かると思います。
■ レンタルスペースの集客はどうやるの?
集客は、主にプラットフォームを利用します。集客するサイトは大きなところが3つあり、それぞれ特徴があります。すべて登録料は無料ですが、成約料がかかります。
・スペイシー( 会議室メイン。法人利用にも強い )
・インスタベース( 検索サイトで上位にくることが多い。会議以外にも検索項目の種類が豊富 )
・スペースマーケット( 2019年にマザースに上場。TVCMなども行っており、パーティスペース利用では圧倒的な知名度がある )
私が最初にレンタルスペースに興味を持ったのは4年ほど前のこと。検索すると地元にも数件あることに大変驚きました。その時は「 なんか面白そうだけど、本当に利益が出るのかな? 」と思いつつ、特に行動は起こしませんでした。
それからしばらくして、会社員を辞めました。専業大家として過ごす中で、「 何か新しいことをやってみたい 」という気持ちがわいてきたと同時に、「 自宅やカフェ以外にも打合せができる場所があったらいいな 」「 場所をとるステージングの小物や増え続ける書類の置き場も欲しいな 」と思うようになりました。
これを満たすには事務所を借りるのがベストなのですが、たまにしか行かないところにお金を払うのはもったいない!そんな時に思い出したのが、「 レンタルスペース 」でした。
「 自分で使いながら、人にも貸して、お家賃分程度をいただければ最高じゃない? 頭いい!!! 」。思いついた時には大興奮したものです( 笑 )
どうやって始めるのか? 運営はどうするのか? いろいろ調べていくと、とある本に出会いました。その著者のセミナーへ参加したことで、本気でレンタルスペースの運営を始める覚悟ができました。早速、鼻息も荒く、物件探しをスタートしました。
■ 貸会議室ならあまり手がかからない
1件目はあまり手のかからないと言われている「 貸会議室 」メインでいくことにしました。通常の賃貸物件を借りる時のように、希望エリアを決めてネットで検索→問い合わせ→内見→良ければ申し込み、という流れで物件探しを始めました。
ところが、問い合わせるも、10件中10件が、「 レンタルスペース??なにそれ??? 」と、釣れない返事。セミナーでも「 物件探しが一番ハードルが高い 」と聞いていましたが、本当にその通りでした。
しかし、諦める気はありません。丁寧に説明し、まずは不動産屋さんにどんな業種なのかを理解してもらうところから始めました。そのうち、理解してくれる仲介業者さんが少しずつ出てきました。
ここまで来たらあと少しです。途中で、物件探しを依頼する業者さんを1人に絞りました。その方にこちらの希望条件を伝えて、紹介されたものを見に行きながら、精度を上げていきます。
また、貸会議室を知らない物件オーナーに向けて、説明用の簡単な資料を作りました。そしてセミナーから3カ月後、条件に合う物件を発見! いよいよ1つ目のレンタルスペースがスタートです。
1件目に契約したスペースは、東京都23区内にあり、JRも私鉄も使える大きな駅( 乗降客数10万を超える )から徒歩5分程度の場所に決まりました。家賃は65,000円+消費税( 当時は8% )。広さは約20平米です。
部屋の契約にかかった費用は約61万円。それ以外に、備品代として約19万円が必要となったため、合計では約80万円がかかりました。
・保証金:390,000円( 償却2カ月130,000円 )
・仲介手数料:70,200円
・保証料:70,200円
・火災保険料:10,000円
・前家賃:70,200円
☆合計:610,600円( これプラス備品代として約19万円かかった )
・仲介手数料:70,200円
・保証料:70,200円
・火災保険料:10,000円
・前家賃:70,200円
☆合計:610,600円( これプラス備品代として約19万円かかった )
いままで自分の所有している不動産はレジのみだったので知らなかったのですが、都内の多くの商業ビルは「 保証金 」というものがありました。たいてい3~6か月、場合によっては8か月や中には10か月というものもあります。退去時には帰ってくるお金ですが、なかなかの大金です。
これはオフィスや店舗などは、借りた後で内装を変更する場合も多く、また家賃滞納や退去時の原状回復リスクなどがレジよりも高いことから設定されていると言われています。
ちなみに今回の保証金は6カ月分で、そのうち2カ月分が退去時には償却として引かれるとのことでした。契約は順調に進み、私はオープンに向けて備品の購入などの準備を始めました。
次回、2話目は購入した備品や、オープン当初の売り上げ、試練の2号スペースのお話を紹介します。