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【競売事例】首都圏主要エリアの借地権付きの戸建てを200万円台で落札。利回りは?

収益物件購入・売却/競売 ニュース

2022/03/06 配信

定期的に競売セミナーを開催し、日々、競売の相談を受けているドクターKである。
今回、競売で公開されていた戸建の競売事例をご紹介する。

紹介する物件は首都圏の戸建物件である。この物件は借地権付きの築53年の戸建てである。借地権とは、建物を建てるために地代を払って他人から土地を借りる権利のことである。毎月、地主へ地代を払う必要があり、正直、人気がない物件であり、入札件数は少なくなる傾向にある。その代わり、入札件数が少ない分、落札価格が安くなる可能性が高い。

この物件の場所は、非常に立地条件が良く、南関東でも大都市の中心部に位置している。そのため、賃貸ニーズは高い。読者には、今回、紹介する物件を参考に、このような競売物件もあるということをご理解頂けたらと思う。

1.物件概要
(1) 所在地
物件の所在地は南関東の市町村にあり、人口は約370万人である。この人口は、日本の市町村の中で最も多い。また、日本有数の港湾都市、商工業都市であり、観光地としても人気があり、ショッピングモールや公園、動物園が点在する。工業都市としても盛んである。

(2) 物件概要
物件は、土地が61㎡、建物の延べ床面積が44㎡、築53 年の2階建ての戸建である。外観は白であり、狭小住宅である。車を駐車できるスペースはなく、玄関横に自転車は置くことができる。建物の周りにも家が建てられており、住宅が密集している地域である。

建物外観。築53年経過し、狭小住宅である
建物外観。築53年経過し、狭小住宅である

(3) 間取り、室内
間取りは3DKである。1階にキッチンとトイレ、浴室などの水回りと和室が1つあり、2階に和室が2つある。

間取り 3DKのファミリー向けの間取りである
間取り 3DKのファミリー向けの間取りである

以下、室内の写真である。家の中に残置物が点々としている。また、キッチンや風呂は、かなりの年数が経過しているため、水回りのリフォームが必要だろう。

室内 各部屋に残置物が点々とある
室内 各部屋に残置物が点々とある

2.物件詳細
(1) 関係者のコメント
裁判所の公開資料には、通常、債務者や所有者などの関係者のコメントが記載されている。以下、債務者の妻、地主の息子の妻のコメントが記載されている。地代は、毎月13,162円である。地代の未払い分があるため、落札後、落札者が滞納分を支払う必要がある。

関係人の陳述等 しっかりと確認しよう
関係人の陳述等 しっかりと確認しよう

(2) 執行官のコメント
裁判所の公開資料には、債務者などの関係者のコメント以外に、裁判所の執行官のコメントも記載されている。執行官とは、競売などの裁判を進め、書類作成などを行う。執行官は競売物件を確認した際、自らの意見も必ず記載されている。

執行官の意見 しっかりと確認しましょう
執行官の意見 しっかりと確認しましょう

(3) 物件評価の金額
裁判所から依頼された不動産鑑定士による競売の基準価格は以下である。

1,820,000円
上記の金額は、裁判所から依頼された不動産鑑定士によって、査定される。この金額は、一般流通市場の価格よりも安く設定される。理由は、この金額が一般流通市場よりも高いと誰も入札せず、競売自体が成り立たないためである。

3.落札結果
(1) 落札結果
落札金額は以下である。入札件数は3件であり、法人が落札している。

2,366,000円

(2) 利回り
利回りについて、算出する。家賃はこの近辺で類似の戸建賃貸の家賃相場より算出する。結果、家賃は80,000円で仮置きする。リフォーム費用は業者に見積りを取ったわけではないが、水回りの交換、壁紙交換などを含め、1,500,000円とする。

今回、借地権であるため、地主との契約において、更新料が発生する。更新料は、一般的に更地価格の3%程度、借地権価格の5%程度と言われている。通常、裁判所から公開されている資料には対象物件近辺の時価公示価格が記載され、こちらを参考する。

今回、その価格は1平米あたり、272,000円である。土地の広さが61平米であるため、更地価格は約1600万円。その3%が更新料だとすると、約50万である。但し、更新料は地主との交渉次第となるので、ご注意を。

家賃 80,000円/月
地代 13,162円/月
落札金額 2,366,000円
リフォーム費用 1,500,000円
借地権 500,000円
諸費用 200,000円
(裁判所へ代金納付する際の諸費用(登録免許税など))
利回り 17.5%

4.最後に
今回、借地権の戸建て物件を紹介した。もし、借地権ではなく、土地と建物の権利が100%入手できる通常の物件であれば、落札金額は、今回の3倍ぐらいになったと思われる。

借地権の物件は、土地の権利がなく、更新料や地代の支払いが必要であり、万が一、売却するもの難しい。そのため、人気がない代わりに、安く落札できる傾向にある。借地権の物件で注意すべき点は、地主の存在である。

もし、借地権の物件の入札を考えている場合は、必ず地主を確認し、特に問題ないか確認ください。また、このような物件もあることをご参考頂けたらと思う。

執筆:ドクターK

■ 主な経歴

「株式会社ココス」所属。競売コンサルタント。
年に数十回の入札を行い、数件落札。競売をやりたい初心者向けに毎月競売セミナーを開催し、競売のノウハウを伝授。
執筆活動も行い、著書「はじめての競売」に一部寄稿。

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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