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九州で福岡一強に「待った!」 TSMC進出で変わる熊本。

都市計画・再開発(地域情報)/福岡/九州・沖縄 ニュース

2023/05/09 配信

インフラ整備、再開発などは地価・不動産価格を上昇に向かわせる大きな要素となるが、そこに何を誘致できるかが地域を発展させる。その点から注目を浴びているのが熊本県だ。

半導体メーカー世界最大手の台湾のTSMCが進出してきたことが新たな不動産需要を生み出している。

国土交通省が発表した「令和5年地価公示」では、熊本県菊池郡菊陽町の住宅地と商業地が同県内で地価上昇率がトップとなった。

同省では、菊陽町エリアの利便性の高い場所や幹線道路沿いの地域で住宅需要が堅調にあったところに、TSMCが進出して共同住宅やオフィスなどの需要が急激に増加していることが高い地価上昇につながったとしている。

九州フィナンシャルグループ(FG)は、TSMC進出に関する経済波及効果について「生産+投資」による2031年までの10年間の累計額は4兆2921億円とはじいている。これは、熊本県内での域内総生産の3%、投資は同12%に相当する。

投資における経済波及効果の内訳を見ると、TSMCの日本法人のみで9321億円を占めて、関連産業が2744億円、工業団地が779億円、住宅が1362億円となっている。また、同グループでヒアリング等による想定値として新たな進出企業が80社、関連産業を含む雇用が7500人とみている。

九州FG
出所:九州フィナンシャルグループ「会社決算会2023年3月」より。

マンション価格は過去10年間で50%超の上昇

不動産調査会社の東京カンテイが5月8日に発表した「九州・沖縄県マンション市場の現在」によれば、既に熊本市内のマンション価格が2013~2022年の10年間で50%超上昇している。

2019年には熊本桜町バスターミナルを中核とした複合商業施設「サクラマチ クマモト」が誕生し、高速バスを使い久留米市や福岡市に通勤するサラリーマンも増えているが、2021年にTSMCの工場誘致が決定したことの影響が加わり、2022年の新築マンションの平均坪単価は185.5万円、1戸当たりの平均価格は4003万円と2013年比でそれぞれ56.1%、39.1%の上昇率を見せている。

中古マンションも同様に上昇しており、2022年の平均坪単価は87.4万円、1戸当たりの流通価格は1926万円となり、それぞれ2013年比で33.6%、32.1%の上昇幅である。

ちなみに東京カンテイによれば、熊本県内での最高坪単価は、2022年竣工の「レーベン上通ザ・レジデンス」(熊本市中央区)の平均236万円である。

2位で2023年2月竣工の「MJR熊本ザ・タワー」(熊本市西区)と、3位で2017年分譲の「ザ・熊本ガーデンズ」(熊本市中央区)も平均坪単価が200万円を超えている。ザ・熊本ガーデンズは、複合商業施設「サクラマチ クマモト」の上層階に開発されたもので、立地とバスターミナルと直結の利便性などが反映されているという。

不動産ニーズを取り込む動き加速へ

新型コロナウイルスは5月8日に感染症法上の扱いが季節性インフルエンザと同じ「5類」に移行した。社会経済活動がコロナ前に戻りつつある中で、国内外からの投資も活発化しそうだ。

九州FGでは、全国との比較でコロナ禍からの回復度合いは産業集積とともに顕著に高いとする。半導体産業への取り組みは、進出企業を含めた企業集積支援やサプライチェーン構築に向けた事業者間マッチングなどを進めていき、工場建設や周辺開発などの不動産ニーズを取り組んでいく。貸出金の残高は法人・個人とも増加傾向にある。

これまでの九州は、福岡市が圏域の需要を吸い上げていた福岡一強のイメージが色濃かったが、熊本の台頭により、新たなイメージを生み出している。特に有力企業の誘致力が新たな商機を生むことを示している。TSMCの工場建設第2弾が取り沙汰されているが、国内のどこになるのかが今後の注目の的である。

健美家編集部(協力:若松信利(わかまつのぶとし))

■ 主な経歴

学生時代から不動産に興味を持ち個人的に不動産関連の記事を多数執筆。大学卒業後、不動産関係情報誌に20年以上勤務。現在は都内のIT会社に勤め、副業でいくつか投資関連の記事を担当・執筆する40代サラリーマン。

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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