※引用:東京建物
2026年夏に建物竣工の予定
千葉県の都心、千葉駅の東口にあった百貨店、三越千葉店の跡地で複合施設の開発が進んでいる。
複合施設は下層階に商業施設が入るタワーマンションであり、デベロッパーの東京建物や野村不動産などが、2024年3月からマンションの販売登録受付を開始した。
建物の規模は地上23階建てで、マンション部分の総戸数は491戸となる。
下層階には、商業施設や保育所に加えて近隣住民も利用できるコワーキングスペースなどが入る予定だ。
1階の商業施設外側には、三越を想起させる赤色のオーニングが設置されるという。
三越千葉店は、もともと地場の百貨店と三越が運営する「ニューナラヤ」という店舗だった。
ニューナラヤは1972年にオープンしたが、1984年10月に「千葉三越」へと商号を変更、三越千葉店として営業を開始したのは2003年からだった。
ピーク時の年間売上高は500億円を超えていたが、ブランドテナントなどが近隣のそごう千葉店へと移っていくなど、逆境を覆すことができず2017年3月に閉店した。
三越を運営する三越伊勢丹ホールディングスは、他の不採算店舗も整理を進めており、三越千葉店の閉店は整理の流れを受けたものとも言える。
店舗が入っていたビルの所有者は三越伊勢丹ではなく、所有者の企業はデベロッパーのファーストコーポレーションに建物と敷地を売却した。
売却時点で建物が老朽化していたため、建物の解体と再開発が決定され、2020年9月から解体工事が始まった。
再開発建物の完成予定は2026年8月下旬で、商業施設のオープン予定はまだ決まっていないが、マンションの引き渡しは2026年12月中旬の予定となっている。
千葉駅東口 西銀座地区の開発
千葉駅の周辺では様々な再開発が進んでおり、三越千葉店の跡地も開発対象のエリアに入っている。
エリアの名称は「千葉駅東口 西銀座地区」というもので、エリア全体の広さは約3.8ヘクタール。
※引用:国土交通省
三越千葉店の跡地は上記地図の6街区に該当している。開発の目的は、駅近で目抜き通りに面している立地を活かして都市機能を集約することだ。
もう1点、歩行者中心のにぎわい軸の形成を推進し、千葉駅から来街者を誘引する界隈性のあるエリアとすることも目指すとされている。
6街区に隣接する3街区にはヨドバシカメラの千葉店が建っているが、ヨドバシカメラはそごう千葉店のジュンヌ館へ移転することが決定された。
ジュンヌ館はそごう千葉店の別館に当たる建物で、そごう千葉店が進める昨年からのリニューアルに伴い、昨夏に営業を終了している。
現在のヨドバシカメラ千葉店は閉店するという。これは2024年3月に明らかになったことであり、閉館後の開発計画などはまだ公表されていない。
一方で、千葉市の計画ではヨドバシカメラ千葉店が含まれるエリアについて、建築物に関する制限が既に決められており、共同住宅などは建てられないことになっている。
三越千葉店跡地の開発はゲタ履きのタワマンということになったが、ヨドバシカメラ千葉店の方では、駅の目前ということもあってか、タワマンが建つことは無さそうだ。
その他のエリアも含め、今後の開発計画発表が待たれるところだ。千葉駅周辺エリアの盛り上がりに期待したい。
取材・文:
(はたそうへい)