らいおん大家です。リフォーム屋さんで大家さんです。
シリーズで紹介している三重県鳥羽市の「 0円の空き家を旅館にしてみます 」の内装を紹介した前回。
参照:築100年という古民家の古き良さ。0円の空き家が「お値打ちな素材」を使って生まれ変わりました!
今回はその続きです。
■ 和室を魅せるのに天井と壁はそのまま。だけど圧倒的な差別化が!
古い部屋を映えさせるのによく使われる塗装やクロス仕上げといった手法。
この旅館ではそういった手法を使わず “既設の壁をそのまま” 使っている部屋がいくつかあります。
この和室は既設の綿壁と剥き出しの天井板、梁も全てノータッチ。
必殺 “既設利用” をしとるんです。
元々の和室と比べると壁と天井が変わっていないのがわかるはず。
いや、ちょっとわかりづらいかもしれないですな・・・。
本当に何もしていないの!!
でもまるで生まれ変わったように見えるのは、既設の壁と天井を渋く魅せるために工夫したスペースと照明のおかげである。
畳と壁を木で区切ってスペースを設けて・・・。
豪快に砂利を敷く。
砂利に内装用も外装用もないので、普通に外に敷く砂利をザザザーと敷いていく。
なんだか悪いことをしている気分になりますがここは豪快に。
そして砂利を敷いたらほっそいほっそい “ライン照明” という間接照明を隙間にポンと置く。
※国内メーカーの電気工事が必要な照明なので、資格がないと設置はできない。
これだけで壁にクロスを貼る、天井を塗装するよりも圧倒的に差別化ができ、築100年の古き良さを壊さず、むしろそのまま活かしながら魅力を増す事ができるのだ。
かっこいい・・・。
住みてぇ・・・。
■ お金を注ぎ込まず愛情を注ぎ込む、地元産の砂利や竹!
ちなみにこの砂利、ただの砂利ではなく、伊勢の国北部でとれた “伊勢砂利” というものである。
ここは見た目ではなく、地元で採れた砂利という意味を盛り込みたかったのです。
そうする事で愛がより込められるのよ。
そしてそしてこのアーチ状の壁に突き刺さっているこの竹たち。
この竹にも一本一本愛情がこもっているんです。
この竹、その辺のインテリアショップで買ってきた代物はなく、ガチで伊勢の山奥で採取してきた竹です。
竹藪を所有している伊勢の伝統技術職人さんにお願いをしてお邪魔して、竹を30本くらい採取させて頂きました。
所有者の職人さん曰く「 竹なんていくらでも持っていってほしい。どんどん伸びて生えてキリないから 」との事で、こんなに邪魔だった竹がインテリアとして生まれ変わるのが楽しみだともおっしゃっていました。
師匠!!おかげさまで竹たちは光り輝いていますよ!
かぐや姫が出てくる勢いで輝いております!!
どうですかこの黄金に輝く竹・・・。
惚れ惚れするでござるよ・・・。
おや? 竹が青くない・・・?
ふふふ・・・・気づいたかね。
そう。竹というは本来青い・・・
が、油抜きをする事でこれだけの輝きを醸し出すことができるのでござるよ!
- ● 油抜きとは・・・
竹は多くの水分を含んでいて、それを外に逃さないために表面がツルッとコーティングされたようになっているのです。採取後、そのままにしておくと水分が逃げていかずに中から腐食したりカビが生えたりしてしまう。
そこで火で炙ったりする事でコーティングを壊して中の水分を逃して乾燥させる。その工程の事である。
油抜きを調べるといくつか種類があるのですが、誰でもできる手法としてガスバーナーで地道に炙る方法がある。
僕はこの地道な方法でとにかく炙りまくった。
2mの竹を油抜きするのに30分・・・。
これを1本1本丁寧にじっくりやっていく。
火を使うため公の場では中々できないので、自物件の庭でひたすらやり続けた。
愛情を注ぐとその一つ一つにストーリーが生まれ、意味を成し、それがブランドになり、物件の強みになるのだと思っています。
好立地や豪華な設備が物件の強みになるのと同じく、意味を創り出す事もまた、他には無いその物件の強みになるはず。
この竹の事を飲みの席で延々と話すことができますもの。
「 竹を炙るとめちゃくちゃ香ばしい匂いがしてお腹が空いてくる 」なんて話はきっと誰もできないはず。
こうやってアナログの世界でも愛情を注ぎ込んだストーリーって大活躍するのよ。
竹なんてその辺で買ってきた方が効率良いのかもしれないけれど、効率が悪い事で得られる経験と苦労話は何にも変え難い資産ですな。
そんな話の酒はうまい。
ちょっと熱くなってしまったので次回、トイレとキッチンの水廻りの魅せテクニックを綴っていきたいと思います。
■ クラウドファンディングという不動産投資の資金調達の新しい選択肢
実は現在、この旅館の修繕費の一部をクラウドファンディング中なのです。
僕がこんな感じで熱い想いを発信し続けていたら、おかげさまで共感してくれた方々が、たくさんご支援してくださいました。
支援金は屋根や外壁の修繕に愛情と一緒に全て注ぎ込みます。
これは決して宣伝ではなく、今後の不動産投資の資金調達の選択肢として、クラウドファンディングも視野に入れると幅が広がるかもしれないよ!ということの共有です。
従来の王道的手法ももちろん大事ですが、やっぱり時代の変化と共に新しい選択肢も模索していかないといけないと思うんです。
そうやって道を常に作り続けていかないと、いつか道を辿ってやってくる未来の若き投資家たちの選択肢を狭めてしまう。
最悪行き止まりになってしまう。
そんなの嫌ですな。
どの道にしよっかなーー!なんて楽しく悩みたいじゃないの。
僕の今回のこの挑戦が空き家問題解決だけでなく、不動産投資の明るい未来のためにも何かキッカケになりますように。
・・・宣伝じゃないと言いましたが、もし共感して応援・ご支援してくださいましたらとても嬉しいです。
それはそれはもう泣いて喜びますよね!!!!
↓↓未来を覗くつもりでどんなものか覗いてみてやってください↓↓
https://camp-fire.jp/projects/view/609212