どうも、らいおん大家です。
サラリーマンから独立してリフォーム会社を経営してはや3ヶ月・・・。
特にサラリーマン時代から生活スタイルが変わる事はなく、相変わらず現場まで車を走らせ、車内でラジオを聴いて思考とアイディアを巡らせ、家に帰ってたらふく食べてビールを飲み、シャワーを浴びながら思考とアイディアを巡らせ、未来を楽しみにしながら寝床に就く毎日を過ごしております。
特に自由になったわけでもなく、ずっと前から独立しようと決めていた時からこんな感じなので良くも悪くも変わっておりませんな・・・。
さて、今回は僕の第1号築古戸建のストーリーの続きを書こうと思います。
参照:築古戸建をフル融資!耐用年数オーバーの物件に唯一貸してくれた銀行は?金利は?条件は?
半年ほど前に物件の取得費用とリフォーム費用を公庫に打診したところフルローンが通ったぞ!というところまで綴って終わっていましたので、リフォーム内容と入居付けまで一気にいきたいと思います。
結論から言うと、
田舎特有の歪みを突いたら募集1週間で入居が決まったよ
という内容です。
昨今のブームであるボロ戸建投資が成り立つエリアでは、ある文化が根付いている可能性があります。
そこを突く!!!
どのエリアでも通用するかわかりませんが、歪みを突く考え方として参考にして頂ければ嬉しいです。
■ 築40年の4LDK、1号物件の概要
- 築年数 : 約40年
- 間取り : 4LDK
- 価格 : 600万円 → 400万円で指値
- 土地面積 : 約200㎡
- 延床面積 : 約100㎡
- 構造 : 木造2階建
- 駐車場 : 敷地内に1台可
田舎の戸建としてはThe☆普通といったスペック。
気に入ったポイントは外壁が金属サイディングだったところ。
耐久性と断熱性能に優れているのが特徴である。
ただ、この年代の建物は窓サッシが軒並み断熱性能皆無なので、耐久性だけが期待できるといったところ。
こんな感じの物件を初めて購入したのが2018年。
それまで仕事ではたくさんの物件をリフォームして入居付けをしてきたが、自分の物件となると手が震えたのを覚えています・・・。
水栓の交換の数万円が高い高い・・・。
替えた方が良いのはわかっちゃいるのに「 ああ・・・これでプレステ4買えたな・・・ 」とか思っていました。
客観的にアドバイスするのと当事者になるのではまるで感覚が違うことを痛感しました。
■ 内装はこんな感じでした
リビングにはカーペットが敷かれていて、天井・壁はクロス。
40年前の建物としては珍しいかもしれない。
1号物件の内装にかけられる予算は100万円ちょっとだったので、壁を抜いたり、造作物で魅せる技は使えず、クロスの色と床材の柄だけで勝負をしなくてはいけなかったのがこの時悩みでした。
でもだからこそアイディアとか、ちょっと勝負かけてみるか!というチャレンジ精神が湧いてくるのよ。
この年代の主流は据え置きタイプのブロックキッチンと言われるものです。
今ではシステムキッチンという、組み立て式の高機能なタイプが主流ですが、築古戸建投資のポイントではいかに “既設設備をそのまま使うか?” ですよね。
ここをどう費用を抑えつつ綺麗に魅せるか・・・?
玄関もまさに普通。
特筆することがない。
この時、一面だけ違う色のクロスを貼るアクセントクロスがめちゃくちゃ流行っていたのだが、なんだか僕はアクセントクロスにしたくないなぁと逆張りをしていました。
リビングの横の和室は6畳。
畳や障子の汚れくすみが気になるのでこれは綺麗にしたい。
壁はどうする・・・?
ここで僕のチャレンジ精神が湧いてくるのである。
いや、湧いてしまったのである・・・。
■ 外国籍労働者にまつわるこのエリアの歪みがあった
物件購入前から、このエリアの歪みには気づいていました。
まず、
競合がめちゃくちゃ弱い。
このエリアは市全体が山々に囲まれており、その一部を切り開いて住宅街が造られているのですが、その先にまた山道が続いてまた一部が切り開かれて住宅があり、という一見するととても賃貸需要があるようには思えない場所なのです。
そのため、土地値がとても安い( 坪単価7万円前後 )のに、ボロ戸建投資ブームが起きた時にこのエリアは全く見向きもされず、投資家の息が全くかかっていなかったのです。
そうするとどうなるのか。
競合のいないこのエリアには、まるでやる気のない賃貸物件ばかりがあるではないか!!
アパートはそこそこあるが、戸建賃貸はほぼ皆無。
あったとしてもリフォームなんて当然のようにされておらず、ブレブレの室内写真に意図がわからない網戸のアップ写真。
しかし、最大の歪みはここではない。
このエリア、なぜ山々を切り開いていたのかというと県でも有数な工業地域だったからなのです。山から一本道に続く主要の国道が大都市まで1時間かからない事を、外部の人たちは知らなかった。
その工業地域には、国内大手メーカーの工場があったり、世界シェア率の高い部品を造っている工場があったりと大手、中小の働き口がたくさんあったのです。
そして、そこには多くの外国籍労働者がいたのです。
実際に賃貸仲介にどのような層が賃貸物件を探しているのかヒアリングしてみると、一家全員工場に勤めているという外国籍ファミリーが非常に多いのだという。
工業地域と聞くと出稼ぎの技能実習生をイメージするかもだが、永住権を持っていて一家で日本に何年も住んでいます、という層が少なくないという。
昔からこのエリアに住んでいたり、仕事でこっちに引っ越してきた日本人の大半は家族が増えてきたタイミングで新築マイホームを建てるらしい。
ここから歪みが発生!!
外国籍のファミリーだとやはり新築マイホームを建てるというのはハードルが高い
↓
賃貸を選ぶしかなくなる
↓
戸建賃貸が少ないのでアパートを選ぶ
↓
外国籍NGの物件が多い
↓
数少ない外国籍OKのアパートに多国籍の住人が集結する
↓
多国籍が故に色々なトラブルが勃発する
↓
引っ越したいのに引越し先がない
ここまで市場を把握できればもうこの需要を独占するのは簡単である。
■ 外国籍OK!初期費用0円で引越しできる条件にして即入居
このエリアで最大の歪みは外国籍NGの物件が多いことであった。
トラブルが多い、というイメージからかほとんどがそうであった。
だが考えてみれば家賃の安いボロボロな賃貸だったら国籍関係なくトラブルにはなりやすい気がする。なので僕の物件では、そこそこ綺麗にして家賃を相場よりも上げてみる事でモラルのある方に絞ってみた。
このエリアの家賃相場は5万〜6万円弱。
そこを思い切って7.1万円で募集する事に。
そして大事なポイントとして “日本語の読み書きができる事” を条件にしました。
外国籍トラブルでよく聞くのは、文化の違いなどによる習慣や建物の扱い方。
ルールを説明して、理解してくれればそんなトラブルにならないと思っています。
それができない人はそもそもこのエリアの家賃相場以上の家賃が払えるほど年収も高くならないはず。いやらしい言い方をすると家賃と言語能力でフィルターにかけたのです。
ごめんね・・・。
そして、引越しがしやすいように敷金礼金は0・0に。 という、理屈では完璧な家賃と条件で早く実験がしたくてリフォーム途中で募集をかけてみました。
まだ工事中だったため、全ての写真を掲載することはできなかったが、先にこの和室だけ完成させて募集をしてみたんです。
外国ウケを意識してちょっとぶっ飛んだ和室にしてやろうと紫色に塗装をしてみたんです・・・。
ええ・・・周りの仲間たちからはめちゃくちゃ不評でした・・・。
「 こ、この色にしなくちゃいけなかったのかい・・・?」
「 へ、へぇ!チャレンジ精神溢れる和室だねっ・・・!」
が!!募集してすぐに問い合わせ殺到!!そしてすぐ入居申込が入ったのです!!
ははは!!決まれば正義よ!!
※この色じゃなかったら3日で決まったのでは?という説もあるが無視している
狙い通りに外国籍のファミリーであった。
それから4年。
まじで一回もトラブルがなく今も入居して頂いております。
毎月家賃の振り込み前には「 家賃振り込み完了です👌 」というメッセージもくるほどに律儀な方。
たまに様子を見に行くと、コーヒーとお菓子をご馳走してくださり、「 不満はないですか?」と聞くと、「 何もない!とても住みやすくて大満足だ 」とおっしゃってくれます。
あわよくば、このままマイホームとして購入してくださるのでは?とも思っていますが、それはまたいつか話してみよう。