あなたの物件、穴はありませんか?
前回は壁紙のDIYリペアについて学んでもらった。
今回はシンプルに「壁の穴」と題してDIYリペアを身に付けてもらいたい。
「壁の穴」と聞いて浮かぶのはどんな穴だろうか?
@画鋲やピンの穴 約1o
A釘やミニビスの穴 約1.5〜2o
Bネジの穴 約3.8o
Cアンカーの穴 約9o
Dこぶし大の穴 約100o
Eそれ以上
実に様々なサイズがある。
壁に穴が開いていると大きいほどショックも大きいが
実は恐れるに足らずで、どんな大きさであろうと
やり方さえわかれば自分で補修してしまえるのだ。
賃貸住宅の場合、国土交通省のガイドラインによると
@の画鋲やピン穴は借主の原状回復義務は課せられない。
しかし自分の財産となると気になる方もいるのではないだろうか。
無数に開いていると、小さいとはいえ目立ってくるのも確かだ。

気になったらその場で即補修できたらストレスフリーで、何より費用も掛からないのだから、挑戦しない手はない。
まず、用意したいのはこういったクロスの補修キットだ。
様々なクロスのトラブル対策ができる詰め合わせなので、1セット持っておくと重宝する。
◆穴をふさぐ「穴うめ材」
こういったアイテムはたいてい中栓がされいるので、まずはそれを外し、ノズルを取り付ける作業から始まる。
必ず覚えておいてもらいたいのが、作業が終わる時には中栓を戻しておくこと。これをしないといくらパッケージの中に入っていても材が早く固まってしまい、しばらくしてまた使おうと思ったときには買い換えないといけなくなってし まうのだ。
同時に周りに付いた穴うめ材を拭き取っておくと次の時の作業もスムーズに行える。
さて、穴をふさぐ方法だが、ただ穴を埋めるだけではここで学んでいただく意味がないので、裏技や豆知識もしっかり身に付けていただきたい。
まず色選びだ。
ホワイト、ベージュ、アイボリーと、このキットでは壁との近似色がわかりやすいと思うが、穴埋め材だけのキットの場合、もう少し近い色がセットになっていることがある。
その時にどの色を使うかによって補修箇所が見えなくなるか、悪目立ちするか、になってくる。
「白い壁紙」だと思っていても、「白」は意外にいろんな「白」があり、更には同じ壁紙でも日焼けなど、陽の当たり具合、また経年変化でも色が変わっていく。
例えば、ライトベージュに近い色の壁の補修にホワイトを使ったとすると、穴はうまっていても目立つのは想像できるだろう。
白は迫ってくる色で、コーキングや目地など、清潔感を出したいところで使うと際立って美しく見せてくれるのだが、反対になじませたいところでは「微妙な白の違い」が悪目立ちさせてしまうことがあるのだ。
しかし色がよくわからない人も安心して欲しい。
穴うめ材はすぐに固まるわけではないから、穴埋め材を入れた後に一度壁全体が見える位置に下がって見て、もし色が合っていないようなら濡れたスポンジで拭き取ったり、つまようじなどで掻き出し、合った色を入れればいいだけなのだ。
【施工方法】
@盛り上がっている壁紙があればヘラや爪で穴の中にいろんな方向から押し入れたり、ひどい場合は切り取ったりして出っ張りを無くす。
いくら穴を埋めても出っ張りがあるとそこが目立つからだ。

戻すだけでも、穴のサイズによってはこれくらい塞ぐことができる。 
Aノズルの先端を穴に押し入れ、中身を押し出し、少し盛り上がるくらいに充填する。

B付属のヘラで表面を軽くすき取る。

C穴の周りにはみ出した箇所はキレイな水で絞ったスポンジ等で軽く拭き取る。平滑な壁紙の場合はこれより少し強めにこそいで仕上げる。
凹凸がある壁紙の場合は、この時穴上にある材はできるだけ触らない。
D凹凸がある壁紙の場合、穴の箇所を周りの合わせて、つまようじや竹串などで筋や柄を付けて、のっぺりした平面の箇所を無くすことで、立体感が出て元の壁と同化させることができる。

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E塗料を塗る場合は、施工後24時間経過してから塗って欲しい。というのも、中までしっかり乾燥できていない段階で表面がコーティングされたり、表面が乾いていない状態で塗ることで、施工不良が起こったり仕上がりも汚くなるからだ。
◆隙間、剥がれ、汚れなども!
このようなキットであれば時間が経って乾燥などによって隙間ができてしまった箇所を埋めたり、壁紙の角や継ぎ目の剥がれ、手垢などの黒ずみなどにも対応できるのでパッケージの裏書をしっかり読んで取り入れてみてほしい。
◆大きな穴も補修可能!
基本どれだけ穴が大きくても補修はできてしまうのだ。
表面上はさほど大きくないと思っていた穴も
壁紙を剥がして、崩れているところを取り除くと
思いのほか大きな穴になっていることも少なくない。
やり方さえわかればこのように修復することができるのだ。
ぜひまずは小さな穴からでも挑戦してみてほしい。