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「猫好きさんが集うシェアオフィス」と店舗・オフィスに大規模リノベ! オフィス街でなくても発想力・企画力で勝負

賃貸経営/ターゲット設定 ニュース

2023/04/23 配信

前回紹介したビル屋上にバレルサウナを設置したバンブーさん。他にも、一昨年10月からシェアオフィスをオープンさせた。

「網島サンク(あみじまさんく)」
特徴は「猫が好きな人が集まるシェアオフィス」だ。

シェアオフィス「網島サンク」の看板猫 大ちゃん
シェアオフィス「網島サンク」の看板猫 大ちゃん

最近は、猫や犬を飼うことができるマンションや、猫と触れ合うことができる猫カフェなどが人気だ。しかし、働く場としてのオフィスで「ペット可」の物件はほとんどない。

元々、バンブーさんは猫が好きで飼っていたが、3年前に愛猫が亡くなってしまった。ペットロスの哀しい日々が続いていたが、縁合って、現在は保護猫2匹を飼っている。

その頃、バンブーさんのビルに長年入居してくれていたテナントが退去したため、3階フロアーを全面的にリノベーションすることにした。

友人大家さんが紹介してくれた設計士さんが、たまたま猫が大好きな女性だった。バンブーさんと猫の話で盛り上がり、「猫がいるシェアオフィスと、オフィス区画にしよう!」と意見がまとまった。

猫でなくても「ペットと一緒に出勤できるオフィス」というコンセプトだ。

3階のフロアマップ。右下がシェアオフィス。左の上下が店舗・オフィス用の区画。
3階のフロアマップ。右下がシェアオフィス。左の上下が店舗・オフィス用の区画。

3階フロアー全体を、店舗・オフィス用の区画が2つ、シェアオフィスが1つにリノベーションした。改装で天井が高くなったため、開放感あふれる空間になった。

「網島サンク」のロゴも猫だ。
「網島サンク」のロゴも猫だ。

シェアオフィスは月額制で、専用デスクが4つある。ビルの立地がオフィス街ではないため、オープン当初はなかなか埋まらず、苦労したそうだ。

しかし、「猫がいるシェアオフィス」というユニークさに惹かれて入居した会員さんで今は満席だ。そのため、専用デスクを1つ増設し、今は5つある。

シェアオフィス
シェアオフィス

共有で使えるキッチンや、6人が座れる大テーブルのあるラウンジスペースもあり、シェアオフィス会員と3階の店舗・オフィス区画の借主が使える。

共有のキッチン天板で座っている大ちゃん。右は6人が座れる大テーブル。
共有のキッチン天板で座っている大ちゃん。右は6人が座れる大テーブル。

「網島サンク」は大阪城には近いものの、オフィス街からは少し離れている。

しかし、東京在住の会員さんはここを「関西の出張拠点」として、近くのマンションに住む会員さんは「仕事場」として借りてくれている。

前回紹介した屋上のバレルサウナを運営代行してくれている会社も1席利用してサウナ受付としている。

「実は、シェアオフィスに来て実際に仕事をされる会員さんが全員揃う事は少なく、オフィスは静かなんです(笑)。

でも、皆さん、猫が好きという共通点があるので、会員さん同士も仲が良く、一緒にワイン会を開催するなど、オーナーも含めて楽しく交流しています」とバンブーさん。

またラウンジスペースでは、シェアオフィス会員以外でも参加できるワークショツプ、例えば壁飾りのスワッグを作る等も不定期で店舗借主が開催している。

※スワッグとは、ドイツ語で「壁飾り」のこと。花や葉、実、枝など植物を束ねて、壁にかけて飾る。

そして、シェアオフィスに時々登場する猫が、バンブーさんが保護した大ちゃんだ。もう1匹の保護猫福ちゃんは人見知りをするので、出勤できないらしい。

ただし、猫カフェとは違い、必ず大ちゃんがオフィスに居るわけではない。

シェアオフィススペースも店舗・オフィス区画の内装もキズに強いタイプを使用しているため、会員や区画の借主達も、猫以外のペットを連れて出勤することができる。

ところで、「店舗・オフィス区画」の借主は、少し意外なジャンルの事業だったそうだ。

リノベ−ション工事中に「オフィス区画」の募集を開始したところ、花屋を始めたいという若い男性からの問い合わせがあった。

オーナーのバンブーさんは、「1階路面店ではく、道行く人々から見えない3階で花屋さんを開業して大丈夫なのか?」と心配になったそうだ。

ところが、昨今は花屋もインスタで集客できるらしい。また、結婚式や店舗の花の装飾や、ワークショップも開催しているので、集客の心配はないという。

それよりも、この区画の窓から見える緑あふれる借景が気に入り、ぜひここで開業したいと言われ、オフィスから店舗へと計画変更した。

これで1区画が埋まった。花屋を営む男性と、そのお姉さんが手作りしたチーズケーキを販売するお店「cover_302」だ。

花屋さん。窓からも緑が見える。
花屋さん。窓からも緑が見える。

チーズケーキ屋さん
チーズケーキ屋さん

もう1区画は、アクセサリーの製造・販売の会社が入った。借主はアクセサリー卸しの会社員をしていたが、コロナ禍で実店舗では売れなくなってしまったそうだ。

起業してネット販売を始めたところ、人気のネットショップになった会社だ。製造拠点が手狭になったため、同ビルへ移転入居になった。

ところで、「網島サンク」の改装が成功したのは、設計士さんと「猫が好き」で意気投合しただけでなく、コミュニケーションが円滑だったことも大きかったという。

「設計士さんは『魔法使い』なんです(笑)。私が思っている事を汲み取ってくれて、理想以上に作ってくれました。今までの工務店の方達は、私が考えている事をわかってもらえなくていつも苦労していました」

大掛かりなリノベーションだったが、改装費は4年ぐらいで回収できる予定だ。

なお、バンブーさんは民泊も2015年から同ビル内で行っている。コロナ禍で観光客が激減した時期はウィークリーマンションとして貸し出し、3ヶ月や10ヶ月など長期で借りる人が多かったそうだ。

現在は再び民泊として貸し出している。そして、この部屋のベランダにも、サウナを設置する予定だ。すると「サウナ付き宿泊施設」というカテゴリーになり、差別化できるようなのだ。

バンブーさんは好奇心が旺盛で、友人大家さん達が流行り初めに手掛けた民泊や貸し会議室などを見て、自分もチャレンジすることが多い。

2013年には京都市内に戸建てを購入し、民泊運営に挑戦しようと大規模にリノベーションした。しかし、オープン直後にご近所に猛烈に反対されてしまい、残念ながら断念した事もあった。

その戸建てはその後、普通賃貸物件として貸し出したが、後日売却した。

「その経験から、難しいご近所さんやご入居者の激しいクレームが入るような『住居系物件』よりも、このビルのように、『事務所系物件』の方が私に合っているとわかりました」

「テナントには、スケルトンで貸せるので楽です。キッチンやお風呂も必要ないし、利回りも高いです。万が一テナントが夜逃げをしたとしても、住居物件と違って、『生きているのか?』等と心配せずに、ドライに考えることができると思います」

「そして、テナントさんを通じて今の『社会』と接点があるというのも気にいってます」とバンブーさん。

テナント系物件を持つ大家さんは少ないと思うが、上記のように、住居系にはない利点がある。住居系よりも立地の影響を受けやすい面等もあるが、「ペットと一緒に働けるシェアオフィス」やサウナを設置する等、大家さんの発想力を発揮することも可能だ。バンブーさんの例を参考にして欲しい。

健美家編集部(協力:野原ともみ(のはらともみ))

野原ともみ

Twitter:@noharatomomiJ

■ 主な経歴

会社員をアーリーリタイアし、現在は不動産賃貸業、ライター業、イベント企画・運営業、J-REIT投資などをのんびり行っている。趣味は旅行と料理。

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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