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コロナ禍のREIT。カネの流れは物流系へ!不動産投資に活用したいREIT指数・後編

不動産投資全般/Jリート・小口化商品 ニュース

2020/09/26 配信

同シリーズ前編では、この7月に算出が始まった2本の日経REIT指数(日経ESGーREIT指数・日経高利回りREIT指数)を糸口に、「REITの基礎」「不動産投資とREITの違い」「REIT指数」等について、確認した。

後編では、最近のREIT指数の動向を見ながら、不動産市場をとりまく資金の流れを見ていく。皆様の不動産投資のヒントとなれば嬉しい。

■東証REIT指数の現状
東京証券取引所に上場するREIT全体の動きは、全銘柄を対象とした「東証REIT指数」で確認できる。基準日(2003年3月31日)の時価総額を1,000とした指数だ。株価指数のTOPIXをイメージするとわかりやすい。※前編を参照。

不動産証券化協会「J-REIT.jp」のホームページに「東証REIT指数・東証株価指数(TOPIX)の推移(配当なし指数)」が掲載されている。東証REIT指数は、TOPIX(赤線)と同時期に下げるが、谷はより深く、回復の勢いはTOPIXに及ばない。新型コロナウイルスが、幅広い業種が対象のTOPIXよりも、不動産に特化したREITの重荷になるのは当然と言えよう。

≪図1≫東証REIT指数・東証株価指数(TOPIX)の推移(配当なし指数)
≪図1≫東証REIT指数・東証株価指数(TOPIX)の推移(配当なし指数)※一般社団法人不動産証券化協会「J-REIT.jp」のホームページより

■REITは、配当に強みあり
上記「図1」は、「配当なし指数」だが、「配当込み」にするとREIT指数とTOPIXは逆転する(図2)。REITの特徴がよく出ていると言える。

REITの主たる収益は、賃貸収入。決算期に投資家へ利益を分配するが、配当可能利益の90%超を配当することで分配金を損金算入できる(実質法人税は免除)。このためREITへの投資家は、同等の事業を営む株式会社へ投資するよりも、より多くの分配金を受け取ることができる。

≪図2≫東証REIT指数・東証株価指数(TOPIX)の推移(配当込み指数) ※一般社団法人不動産証券化協会「J-REIT.jp」のホームページより
≪図2≫東証REIT指数・東証株価指数(TOPIX)の推移(配当込み指数)
※一般社団法人不動産証券化協会「J-REIT.jp」のホームページより

だが、REITの魅力である安定配当も、商業施設、ホテルなどREITの投資対象によっては新型コロナウイルスの影響をまともに受け、分配金が減少する見通しだ。

減配の背景には、ホテルなどの稼働率も影響するが、利益の源である賃料の減免や延滞がある。今回の局面での不動産オーナー共通のリスクと言える。

■コロナ禍のREIT
8月28日、REIT大手の「日本リテールファンド投資法人」と「MCUBS MidCity投資法人」が2021年3月1日付で合併すると発表した。合併後の資産規模は1兆円超となり国内最大となる。

新型コロナウイルスで、経済や消費が縮小し、働き方が変化するなど、不動産市況の不透明感が強まっている。合併により資産規模を拡大して、幅広い分野の不動産へ投資できる体制を整える戦略だ。
REITが投資対象とする不動産は様々だが、オフィスと商業施設が過半を占める(図3)。

日本リテールファンドは商業施設系、MCUBS MidCityはオフィス系とそれぞれに強みを持つが、合併により総合型REITへ転換し、投資効率を高め、リスクを分散する。

≪図3≫J-REIT保有不動産の用途別比率 ※J−REIT=日本版REIT ※一般社団法人不動産証券化協会「J-REIT.jp」のホームページより
≪図3≫J-REIT保有不動産の用途別比率
※J−REIT=日本版REIT
※一般社団法人不動産証券化協会「J-REIT.jp」のホームページより

■REIT市場は二極化。カネの流れは物流系へ
株価に相当するREITの「投資口価格」は、新型コロナウイルスの影響を受け、商業施設系やホテル系は軒並みダウン。一方で、ステイホームを追い風に、物流系は上昇が目立つ。

物流系の最大手の日本プロロジスリート投資法人は7月、時価総額でオフィス系最大手の日本ビルファンド投資法人を超えトップに躍り出た。先の合併のように、特化型REITが総合型REITへ転換する動きも出よう。

厳しい状況のREITだが、投資家の間では、afterコロナの回復を見込み、割安REITを物色する動きもある。金融緩和策としてREITを気前よく買っている日本銀行の購入限度も近く、チェックポイントは多い。

REITは、実態経済や業績の先行きを株価より反映しやすいといわれる。新たな不動産投資、手持ち資産の売却、賃貸経営戦略に、不動産市場の大きな資金の流れを反映したい。

■REITのキャップレートと分配金利回り
REITの保有不動産別キャップレート(収益還元率)の月次(図4)と分配金利回り(10年間)(図5)を見ておこう。キャップレートのチャートは、昨年11月までのデータだが、新型コロナウイルスの影響を受け、この後はインバウンドで好調だったホテル系が下がり、物流系が上昇していく。

分配金利回りのチャートは、2020年8月までのデータが反映されている。REITの利回りに加え、長期金利、東証1部株式配当利回り等の10年間のデータだ。

一般人にとってREITは遠い存在だが、不動産オーナーにとっては、株式よりも値動きの理由がわかりやすいと考えるが、どうだろう。数値情報は、マーケットの状況情報だ。活用したい。

≪図4≫J-REIT保有不動産 月次キャップレート ※一般社団法人不動産証券化協会「J-REIT.jp」のホームページより
≪図4≫J-REIT保有不動産 月次キャップレート
※一般社団法人不動産証券化協会「J-REIT.jp」のホームページより
≪図5≫J-REIT分配金利回り(10年間) ※一般社団法人不動産証券化協会「J-REIT.jp」のホームページより
≪図5≫J-REIT分配金利回り(10年間)
※一般社団法人不動産証券化協会「J-REIT.jp」のホームページより

■日経指数の動き
「日経REIT指数」の動きもみておこう。算出開始時から上昇しているが、東証REIT指数と同様、コロナ前の水準には復活できていない。特に日経ESG-REIT指数伸びは鈍い。

だが、不動産市場にESGは着実に浸透している。前編で紹介した日経ESG-REIT指数に採用されているGRESBのESG評価を不動産大手や準大手が取得に動いているという。わざわざESG評価を取得するのは、機関投資家がESG評価を求めているからに他ならない。

先に、投資家が割安REITを物色する動きがあると言及したが、海外投資家の動きが強い。REITには株式のPBRに相当するNAV倍率があるが、現在は非常に低水準で割安感を醸し出している。

そういえば先日、香港の大手投資ファンドが、今後4年間で日本の不動産に最大約8400億円を投じる、というニュースがあった。海外勢からは日本の不動産市場が割安に見えるのだろう。日本の不動産オーナーも海外勢の視点を参考に行動したい。

※日経リート指数は、「日経プロファイル>指数一覧」で確認できる。

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■おわりに
当サイトのユーザーは、居住用不動産へ投資しているケースが多いことと思う。REIT市場で商業施設系よりも物流施設系が伸びているとおり、withコロナではステイホームやリモートワークが前提だ。

徒歩圏の商業施設もさることながら、非対面で荷物の受け取りが完了する宅配ボックス等の充実が評価されるのかもしれない。でかいリビングよりもリモートワークに適した部屋数の多い一戸建てに人気が出る。今回の動きが一過性で終わるのか、大きなトレンドとなるのか見極めたい。

駅近や交通利便性は外せない条件だが、今後は「災害に強い」というポイントが一層重視されることになるだろう。近頃の住宅相談では、「ハザードマップを見たのですが」と、安全性についての問いかけが多い。

災害対応力がある住宅や地域コミュニティ、都市機能が求められている。立地条件において、入居者や購入者に文句なしに選ばれる不動産は限定的になるのかもしれない。正確で役立つ情報の収集と提供を心掛けたい。

“新聞による経済教育”NPO法人全国NIE.E指導委員会 副委員長 大石泉

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