
USJの隣接地「此花西部臨港緑地エリア」で
さらなる賑わい創出の動きが加速
大阪市此花区は橋英樹区長の提案のもと、2020年より地域のさらなる賑わいの創出を目指した「西部臨港緑地エリア水辺賑わいづくり」構想が進められている。
此花西部臨港緑地エリアは、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(以下USJ)に隣接し、その対岸には世界最大級の水族館である海遊館や、大型客船が発着可能な岸壁を有する天保山エリアがある。また、?阪市街地から電?で約15分、最寄り駅の「ユニバーサルシティ」駅や「桜島」駅からも徒歩5分ほどでアクセスできることもあり、集客数は年間1400万人以上にものぼる。
臨海部(港湾)と?阪都?部(河川)の舟運の結節点としての評価も高く、物流・交流・環境・防災面の機能向上のために行われる「大阪港港湾計画」や、「淀川水系西大阪ブロック河川整備計画」の対象にもなっている。
また、本エリアから車で10分ほどの夢洲(ゆめしま)においては、大阪・関西万博の開催を控え、統合型リゾート(IR)を含む国際観光拠点の形成が検討されているなど、話題に事欠かないエリアだ。

しかし、現在は遊歩道等の破損や未整備箇所が多く、その大半が未供用。水辺へのアクセスもできなくなっている。
そのため、USJやシティウォークとの相乗効果が生み出されず、大阪都心や大阪湾を眺望できるという好?地も活かし切れていない状態だ。そんな現状を改めるべく、この計画は動き出すことになった。
2020年から進められる本計画の進捗と
賑わいを創出する2本の柱
本構想はこれまで、地先関係者や大阪港湾局との複数回にわたる勉強会と2度の協議会を実施。2022年1月に大阪府へ区域指定を要望、3月には大阪府による区域指定を獲得、さらに4月には3回目となる協議会を開いた。
現在は2023年3月の事業者選定に向け、主に事業者公募に向けた検討及びヒアリング等を随時実施している。
この計画は、水都大阪の成長・魅力の向上につながる「場」と「機会」を公民連携により創出し、このエリアに訪れるすべての人々に水都大阪を体感してもらうことが目的。そこで定めた2本の柱が「水辺遊歩空間の創出」と「舟運等のネットワーク形成」だ。

水辺エリアの賑わいを創出することで、USJやシティウォーク、ユニバーサルポートなどの周辺施設と一体となった、魅力的なアーバンリゾートエリアを形成。さらに、臨海部と都心部をつなぐ水上交通や次世代モビリティを整えることで、結節拠点として多様なネットワークの形成を図る。
最先端の賑わいエリアとして
周辺エリアの活性化促進にも期待
現在挙がっている具体的な施設案としては、イベント施設、遊歩道、飲食店、売店、オープンカフェ、バーベキュー場、船上食事施設、川床など。
さらに、フードイベントや企業PRイベント、音楽イベント、アートイベントなどさまざまな催しの開催が検討されている。
また、結節拠点としての機能を強化し、大阪の臨海部と都心部のつながりを一段と高めるため、船着場や係留施設を新設するという。これが実現すれば、USJやシティウォークを含む此花?部臨港緑地エリアと、関?の賑わいスポットとの相互交流も生まれるだろう。
これら以外にも次世代モビリティとして、空飛ぶ車の導入も議論中。大阪のみならず、関西全体の活性化に貢献する最先端の賑わいエリアとなるか。本構想の今後の動きからも目が離せない。
健美家編集部