いま東京・城東エリアが熱い。2月15日に江東区住吉駅と豊洲を結ぶ鉄道延伸計画を記事にしたが、同区内の亀戸の街も大きく変わりそうだ。2016年3月に閉館した商業施設「サンストリート亀戸」の跡地開発の全貌が明らかとなった。

敷地面積2万2989uに大型のショッピングモールと934戸の大規模マンション、地域に解放された広場、隣接する区立第二亀戸小学校の増築を敷地内に確保し、商・住・広場・学が一体化。
JR亀戸駅前の京葉道路をわたって徒歩2分の場所で大規模な再開発が本格始動している。多様なコミュニティ形成、地域共生をテーマにした街作りを進めている。閉館を惜しまれたサンストリート亀戸が担っていた商業施設を継承しつつスケールアップし、2022年1月の街開きを目指す。
同地域の課題となっていた生活利便施設の不足や急増する児童数の増加に対応する。事業主の野村不動産は、江東区が立ち上げた連絡会でオブザーバーとして参加し、行政や周辺住民との協議により今回のプロジェクトの根幹となる「亀戸六丁目まちづくり方針」が策定されたことで事業化した。
ショッピングモールの規模は、地上6階地下1階建て延べ床面積5万8000uとなる。店舗面積は2万8000u。店舗数は、サンストリート亀戸(店舗面積2万800u)の約50店舗から約150店舗と3倍となる。

野村不動産では、「サンストリートでは年間1000万人が来場し、コンサートなど年間800本のイベントも展開していた。店舗数が3倍でも売り場面積が3倍になっているわけではないので単純に売り上げや来場者数をはじくのは難しいが、年間で1500万人は呼び込みたい」などと話す。
徒歩や自転車などで来場する一次商圏として24万人、半径5km圏では72万人を想定している。東京の東側エリアに大型商業施設が不足しているといい、買い物を楽しむモノ消費にとどまらず、コト消費と滞在して楽しむトキ(時)を提供していくとする。
サンストリート亀戸時代には、メジャーになる前の歌手がコンサートを開くなどイベントの聖地としての系譜も継ぎながらそこに住みたくなる街を目指す。
■アメ横ならぬ『カメ横』で活気のある街へ
街に開かれた動線計画により、大型スーパーマーケットに加え、生鮮三品・色物販の専門店を配して地域No1の食市場や亀戸ならではの食文化を生かし、食のライフスタイルを提案する。
上野のアメ横ならぬ「カメ横フードホール(仮称)」導入などの賑わい創出により新たな人の流れでの地域の活性化につなげる。925戸の分譲マンションにより3000人超の新たな住民が増え、同マンションは、ワンルームタイプから4LDKと幅広く最上階はすべて億ションとなるなど従来とはまた違う幅広い人種≠ェ行き交う街となりそうだ。

サンストリート亀戸の元館長をはじめ、亀戸観光協会、地域の5つの商店街が協力し、「カメイドタートルズ公式ホームページ」を開設するなど街を盛り上げるプロモーション活動にも余念がない。
地元の不動産仲介事業者は、「新たな賑わいができることで、そこに住みたくなる街になると賃貸住宅の家賃のアップや空室リスクが低くなるのではないか。家主の賃貸経営をサポートするような効果に期待している」といい、これまで思い浮かぶのは亀戸天神と亀戸餃子、くずもちの船橋屋ぐらいしかなかったが、新たなランドマークとして発展してもらいたいとする。
健美家編集部(取材・文、鹿嶋淳一)