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2021年度税制改正 固定資産税、住宅地も地価上昇で負担増やさず! ただし恩恵は感じにくいか

税金/税制改正 ニュース

2020/12/12 配信

コロナ禍で土地の課税額は1年間、据え置き
公明党の主張を反映、対象を商業地から拡大

与党の2021年度税制改正大綱が12月10日決定した。新型コロナウイルス感染拡大で打撃を受ける企業や家計を支えるための減税メニューがズラリと並び、減税の総額は最大600億円に達する。

その中で不動産投資家に関係がありそうなのが、固定資産税の上昇が見込まれるすべての土地の課税額を1年間、据え置く措置だ。

初め検討されていた商業地だけでなく、住宅地なども対象となることが決まった。もっとも、土地の面積によっては減税効果が1人数千円しかないケースもあり、投資家の感じる恩恵に差が出そうだ。

自民党

固定資産税

固定資産税の据え置きについては、9月3日配信の「コロナ禍で2021年度の固定資産税は据え置き?東京、大阪、北海道、沖縄など地価上昇エリアに恩恵」でも解説した。

税調が年末に向け、21年度税制改正の本格的な検討を始めるタイミングで、自民党の甘利明税制調査会長が報道機関のインタビューに答えた内容を踏まえたものだった。

今回、税制改正大綱が正式にまとまり、固定資産税額の据え置きも決定した。9月3日時点からの変更点もあり、説明していきたい。

まず前提の知識として、固定資産税とはどんな税金かおさらいしておく。固定資産税は土地や建物に課される「地方税」で、市町村へ納める。支払うのは、1月1日時点でその土地や建物を所有する人。納税通知書が4~6月ごろ送られてくる。

固定資産税の税額を計算するための基準となるのが土地・建物の評価額だ。土地の場合、評価額は、前年1月1日時点の「公示地価」のおおむね7割が目安となっている。

この評価額は3年に1度、見直されることになっており、21年度はちょうど見直しの年だった。21年度の評価額の基準となるのは、20年(つまり今年)1月1日時点の公示地価だ。

インバウンドなどで全国の公示地価は11.4%上昇
評価額が下落なら固定資産税額も減額

そして、例年通りの手法なら、評価額が上昇する場所が続出することが予想されていた。新型コロナ前までのインバウンド(訪日外国人客)急増を受け、公示地価が上がっていたからだ。

今年1月1日時点の公示地価は、商業地や住宅地など全用途の上昇率が全国平均で11.4%と、5年連続の上昇。牽引したのは札幌、仙台、広島、福岡の中核4市で、住宅地が5.9%、商業地が11.3%上がった。東京圏は住宅地1.4%、商業地5.2%の上昇だった。

インバウンドに人気のある北海道倶知安町の羊蹄山
インバウンドに人気のある北海道倶知安町の羊蹄山

今回の税制改正で決まったのは、「本来なら公示地価の上昇を受け、評価額を上げて固定資産税を増税しなければならない人についても、今回は特別に固定資産税額を据え置こう」ということだ。

新型コロナで収入が減るなどして苦しくなっている人の増税負担を避けるのを狙う。

具体的には、固定資産税額を据え置き、20年度と同額にするのは、21年度のみの1年間だ。

初めは、対象を商業地に限る方針だったが、最終的に、住宅地、農地も含むすべての土地を対象とすることになった。検討の過程で公明党が住宅地なども入れることを求めたためだ。

固定資産税は市町村の税収の約4割を占める主要な税金で、税負担の軽減が広範囲に及ぶと地方財政に悪影響が出る。自民党や総務省は初め、インバウンドの観光による恩恵などを大きく受けている商業地に限る方向で検討していた。

しかし公明党が、商業地の近隣の住宅地も上がっていることを考慮すべきだとの考えを示したことから、結果的に住宅地も含めて税額を据え置くことになった。

一方、地価が下がり減税となる土地は、そのまま減税とすることにした。

評価額2億円、値上がり5%なら軽減効果14万円
1000万円の土地なら7000円にとどまる

ところで、今回の固定資産税の据え置きで、どこまでの人が恩恵を実感できるのか。

たとえば、3年前(2017年)の1月1日時点と比べて公示地価が3.4倍になった北海道倶知安町、1.8倍になった沖縄県那覇市などは恩恵を感じやすいだろう。

公示地価

不動産投資家でも、大規模に賃貸経営している人なら当然、実感しやすくなる。

単純化した計算だが、持っている土地のもともとの評価額が合計2億円だったとし、かりに評価額が5%上昇すれば、上昇分の評価額は「2億円×5%=1000万円」だ。

固定資産税率1.4%で計算すると、固定資産税の増税分は「1000万円×1.4%=14万円」。今回の税制改正の措置をあてはめると、この「14万円」を納税しなくてすむということだ。

もし、持っている土地の評価額が10分の1の2000万円だったら、納税しなくてすむ額も10分の1の「1万4000円」。評価額が1000万円だったら、納税しなくてすむ額は「7000円」となる。

これらの額を多いとみるか少ないとみるかは、事情に応じて人それぞれと言えるだろう。

取材・文 小田切隆

【プロフィール】 経済ジャーナリスト。長年、政府機関や中央省庁、民間企業など、幅広い分野で取材に携わる。ニュースサイト「マネー現代」(講談社)、経済誌「月刊経理ウーマン」(研修出版)「近代セールス」(近代セールス社)などで記事を執筆・連載。

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