どうも!
古いお家が好きならいおんです。
築古専門のリフォーム屋さんを立ち上げてはや10ヶ月が経ち、もう設立1年が見えてきました。
時の流れが早すぎてドン引きしておりますが、やりたい事はやりたいと言い続け、やりたくない事と同時に進めていかないとあっという間に人生が終わると実感しております。
今回のコラムはシリーズ連載している「築50年古家再生物語」の完結編!
前回までのお話→古家再生でグレーのワントーンに仕上げたらステージングは必須!IKEAの出番ですな!
地方の狭小築古戸建を好き勝手デザインしてどのように変貌を遂げたのか?
ちなみに一つ注意点。
なんでもかんでもお金をかけてリフォームすれば良いというわけではないと思うので、どこまでやるのか?は費用対効果を考えながら見極める必要があると思います。
わざわざ床を全面貼り替えるのは勿体無いですが、水漏れしている床下の配管交換のためにどうしても床をめくる必要があるのであれば、ついでにフロアタイルを一新するとか。
そんな時の参考になれば嬉しいです。
今回、こちらのリフォームを依頼してくださったのは茨城で大家活動をされているHantoさん(@Hanto12317190)です。
改めてありがとうございます!
■壁も天井もグレー1色な玄関
【ビフォー】
築40年~50年あたりではよく見かける、木目がプリントされたシートで仕上げられているベニヤ。
ぱっと見は綺麗だが、ところどころ壁の損傷が激しく壁の補修が必要だったため、ならば壁と天井を塗装する事に。
【アフター】
壁も天井もグレーの塗料で一色塗り!
床もクッションフロアではなくフロアタイルを貼りました。
フロアタイルってクッションフロアよりも固くて丈夫なんですよ。
それでいて、1枚1枚が30センチ四方の材料なので、部分的に貼り替え補修ができるのでメンテナンス性も抜群。
オススメです。
特に入退去の回転が早い間取りの場合だと、クッションフロアよりもフロアタイルの方が相性が良いかもしれませんね!
その他、玄関の細かいこだわりポイントは、
・殺風景にならないよう靴棚を壁に取り付けた
・のっぺりしないように巾木の黒い部分はあえて残した
■とにかく狭い洗面所は尖らせたデザインに
【ビフォー】
水廻りがしんどかった・・・。
とにかく狭いのよ・・・。
これが理由で、尖らせたデザインにして攻めよう!!となりました。
正直、戸建賃貸って供給が少ないので、それだけで差別化しやすいために、そんなわちゃわちゃやらなくても入居が決まりやすい強みがあるのよね・・・。
ただ、昨今のブームで競合がやたら増えたエリアや、戸建としての強みが出しにくい条件(狭い、超絶田舎など)の場合だと、少し捻らないといけないと思うのです。
まぁそんな物件を買わなければ良いだけの話なのですが、捻らせる術を知っておくのは今後の武器になりますからね。
武器は多い方が良いですもの。
【アフター】
狭さは相変わらずですが、狭いなりにもテンションが上がる雰囲気にしてみました。
洗面の奥行きが34センチ(通常は50センチは欲しい)という狭さなので、どうしてもゆったりサイズの洗面器は設置できず・・・。
歯磨きの時は使いづらいだろうなぁ・・・と思いつつもまぁ、僕も自分の家でこういうタイプの洗面器使って慣れましたからね・・・。
これはもう割り切るしかない。
■少しでも広く感じるように工夫を凝らしたLDK
【ビフォー】
今回この6畳の和室と
4畳のキッチンをつなげてLDKにしてみたのですが、垂れ壁と袖壁を撤去するという技で狭さを少しでも軽減する作戦をとりました。
【工事中】
解体直後の様子。
和室の床が緩かったので、補強のためにめくる必要がありました。
それならキッチンの床とフラットにして、より一体感を出す=広く感じるようにするか、ということで床を造作する事に。
だいぶスッキリした印象になりましたね。
【アフター】
少しでも広く感じるようにと、床補強のついでに色々と施したLDKですが、その他のこだわりポイントとして
・食器棚を造作した
これは玄関の靴棚でも使用した集成材を活用しました。
集成材に限らずですが、小さい寸法で買うと割高なので、大きい寸法のものをドカンと1枚買って、それを余す事なく色々な箇所に使うと無駄なく活用できるので、オススメです。
奥行き15センチ位の端材とか良く出るんですけど、そういうのはキッチンの壁にヒョイっと付けると良い感じに。
・キッチンは超スッキリカウンタータイプに
圧倒的に収納力ないんですけど、そもそもが狭小なのでそんな物をごちゃごちゃさせるような方は、まずこの物件は選ばないですものね。
調理器具やら調味料やらはワゴンを用意してここに置いてもらおうという作戦です。
IKEAで買ったやつ。
これ万能。
■元和室の押入れをワークスペースに
【ビフォー】
元和室にあった階段下の押入れです。
ここも床がゆるゆるだったので、解体して補強する必要がありました。
【工事中】
それにしても大工さんの仕事は綺麗ですな・・・。
見ていて楽しいです。
【アフター】
出来上がりました。
ダウンライトが入るだけでグッと雰囲気が増しますね。
使ったのはコイズミというメーカーのダウンライト。
そしてヤフオクで買ったジャンク品(電源つかない)のMacBook。
3,000円。
飾るだけなら充分である。
合皮の椅子。
これがまた良い雰囲気を醸し出してくれました。
楽天で8,000円!
充分すぎる。
■押さえるポイントと抑えるポイントの強弱、バランスが大事!
こんな感じで仕上がった本物件。
これから募集をしていくが、果たしてどうなるのか・・・。
どれだけ綺麗に仕上げても、決まらなければ意味ないですからね・・・。
ここからが本番のようなもの。
この結果報告は、10月14日の茨城セミナーで限定報告したいと思います。
※既に募集終了
これだけ綺麗に仕上げましたが、実は外壁や屋根の修繕もしっかりやっています。
全部が全部にお金をかける事は現実問題的に難しいのですが、押さえるポイントはしっかり施して、抑えるポイントは抑える、というバランスが大事かなぁと思います。
押さえるポイントと抑えるポイントの強弱。
築古リフォームの一番難しいところかもしれません。
今度、抑えたバージョンをまたコラムで綴りたいと思います。