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解約を防ぐことは「究極の空室対策!」 入居者満足度向上により長期入居率を維持する

賃貸経営/空室対策 ニュース

2024/03/27 配信

■解約を減らさないと入居率は高まらない

春の繁忙期も、残すところあと僅か。

例年に比べ、入居率が上昇気味というオーナーの話をよく耳にする。さらに嬉しいのは、賃料も少しずつ右肩上がりになっていることだ。ただ、入居が決まっても、解約が減らなければ、入居率は安定することはない。

これからの閑散期に向けて、せっかく入居していただいた方に満足していただき、長くお住まい頂けるようにしなければ入居率は維持できない。解約を事前に抑止することができれば、自ずと入居率は安定するはずだ。

「解約の抑止」をすることは「究極の空室対策」とも言い変えることができるのだが、それを成功させるために、まずは解約(退去)の理由をしっかりと分析することが重要である。

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複数の管理会社の解約理由をランキングにした


複数の管理物件の解約データを集計をしたところ、退去理由は表の通りとなった。この数値を分析すると、「防げない解約」と「防げる可能性のある解約」とに振り分けることができた。

転勤や結婚、自宅購入などの明確な理由が存在して「防げない解約」が全体の9割を占める一方、物件の問題や気分転換などの「防げる可能性のある解約」は全体の1割程度も占めているのだ。

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防げた可能性がある解約は、10%弱も存在する


通常、共同住宅の平均解約率は20%程度として、この解約を半数にでも減らせることができたら、入居率を高く維持できる可能性が高まる。解約を抑止するためには、お住まいの入居者に「多少の理由はあっても、今の住宅に満足しているから住み続けたい」と思っていただかなければならない。

■入居者満足度を高める方法

入居者満足度を高めるには、不満な点を減らし、満足いく点を増やすことが重要だ。ただ、どんなに良い物件でも、100%ということはなく、大小あれど不満な点の一つや二つは存在する。

家賃予算の制限もある中で、それらを全て解消することは、物理的に難しいことも多い。反対に、それよりも「満足いく点」を増やすことの方が実行できることも多く、トータルの入居者満足度は高まるはずだ。

毎年、人気設備ランキングの上位にあるような「インターネット無料」「オートロック」「宅配ボックス」などは、もはや現代の生活には不可欠な設備になりつつある。

言い方を変えると、築年数が古い物件ほど設備が乏しくなるため、付加価値を追加するだけで大きな満足度を得やすくなる。

それから、あまり目立つことはないが、最近ではスマホやICカードを利用したスマートロックの導入なども、キーレスエントリーが普及する昨今、入居者に喜ばれる設備であり、まだまだ差別化ができるのではないだろうか。

次に、共用部の清掃や清潔性を維持することも最重要である。満室だからといって定期清掃を軽んじてしまうと、入居者からはっきり言われることはなくとも、満足度は大きく低下するはずだ。

「満室だからこそ綺麗にする」ことを意識するだけで、解約の抑止につながるし、筆者も自らの物件でも常に意識しているのは満室時である。おかげで2年間の稼働率は100%である。

また、予算が許せばエントランスなどの共用部の改修(リフォーム)も、入居者満足度を上げることにつながる。古くなった集合ポストを交換したり鉄部を塗装するだけでも、大きく見栄えが変わるし、いつも目にするところだからこそ綺麗になることで小さな満足度が上がる。

何よりも、エントランスなどの共用部は既存入居者に対する解約の抑止はもちろん、空室対策としても効果がある。

共用部の改修は、全世帯で費用を按分したと考えれば、一部屋あたりの工事費で考えれば専有部のリノベーションよりも費用対効果が高いのも、大きなメリットである。

また以前、独自のアンケート調査で「エアコンや換気扇など普段清掃できない箇所の清掃を行ってくれたら、更新に対して前向きな気持ちになる」という意見を複数もらったことがある。

更新時に退去されてリフォームや清掃費用を払うくらいであれば、先手を打って普段入居者ができない清掃を提供してあげた方が安く済む上に、解約の抑止につながるのではないだろうか。

■コミュニケーションの活性化

入居者からのさまざまな連絡やご要望は、オーナーに代わって管理会社が日々直面している。設備に関する故障の対応や、家賃の支払いに関する相談、騒音などのクレームまで、その内容はさまざまあるが、受ける管理会社も人である限り、無理な要望に追われ続けると、つい雑な対応になりがちだ。

管理戸数が多くとも少なくとも、お困りごとを抱えている入居者に寄り添い、迅速かつ丁寧に対応することで、安心感を与え満足度を高めることができる。

たとえば24時間対応のコールセンターを設置して、できる範囲での緊急対応を行うことで、安心してご入居いただける体制を構築できる。

さらにコールセンターだけでなく、より迅速な対応を行えるよう、入居者アプリを活用した入居者との関係強化に積極的に力を入れている管理会社も増えている。

台風や大雨などが予報で出た場合の「注意喚起」や、急激に寒くなる冬の日には、配管が凍って水が出なくなることに対する「事前の一斉連絡」などを行える体制があるだけで、入居者とのリレーションを円滑に図ることがこれまでよりも可能となる。

このように管理会社が主体となり、オーナーに代わってコミュニケーションを図ることも、解約の抑止には有効であるため、管理会社選びは入居率アップには欠かせない要素ということが改めてわかる。

解約は、前触れもなくいきなり訪れる。事前に抑止できるところを、オーナーと管理会社が協力して行うことで、高い入居率を維持していけるのではないだろうか。

執筆:今井基次(いまいもとつぐ)

今井基次

■ 主な経歴

みらいずコンサルティング 代表取締役
賃貸・売買仲介の実務を経て、中堅不動産管理会社へ入社。
収益不動産売買仲介の実務の後、不動産管理会社への業務コンサルティングを14年間行い、これまで200社以上の企業を担当。
管理会社へのコンサルティングを通じて、多くの大家さんの稼働率向上を行ってきた。
オーナーセミナーや不動産会社向け研修など、毎年80回以上講演を行い延べ3万人以上もの人が聴講してきた。自らも不動産投資を行なっている。
保有資格:1級FP技能士,CFP,CPM,CCIMなど多数。

■ 主な著書

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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