手先の器用さに自信のない人でもカンタンに、コスパ良くできるDIYリフォームの技術を伝える「不動産投資初心者のためのDIYリペア講座」シリーズ。前回、前々回と水回りをテーマに取り扱ってきたのに引き続き、第10回目は「浴室シャワー交換」をテーマにお届けする。
■シャワー交換は本当に誰でも出来る簡単DIY
浴室シャワーは水栓本体とシャワーホース、シャワーヘッドで構成されている。シャワーのトラブルでよくあるのが、それぞれ接合部分の中のパッキンなどの劣化、またはホースに亀裂が入ることによる水漏れである。(水栓本体の不具合については、第8回の記事を参照されたい)
これらの水漏れは、ホームセンターに売っている汎用品で簡単に交換が可能だ。一番安価なのは接合部分のナットを外して中のパッキンを適切な新しいパッキンに取り替える方法で、100円~数百円程度で交換が可能だ。
シャワーヘッドは一番シンプルなものは1,000円程度から売っており、手元にストップボタンがあるタイプ(ワンタッチで水を出す、止めるを操作できるもの)でも1,500円程度で購入することができるため非常にリーズナブルだ。
機能やデザインにより価格はピンキリで、1万円を超える高級モデルも存在する。機能性やデザイン性の優れるヘッドに取り替えれば、物件の魅力アップに一役買うかもしれない。
たいていメーカー違い、規格違いのシャワーホースでも取り付けられるようにアダプターが複数用意されている。接合部分を手で外して付け替えるだけで完了と、工具さえいらないお手軽さだ。
余談だが水栓が開いている状態でストップボタンによってシャワーを止めている間、水がポタポタと滴ることがあるが、それ自体は別に水漏れや故障等の不具合ではない。水圧によってシャワーヘッドや水栓が故障してしまわないための仕様なのでご安心を。
シャワーホースは2,000円程度で売っている。安いヘッドと比べると実はホースの方が高いのだ。水栓本体とホース、ホースとヘッドをそれぞれ付け替えるだけで作業完了だ。
ご紹介した通りホースとヘッドはそれぞれ単品でも売っているが、セットで買う方が断然コスパが良く、ストップボタン付きのセットでも3,000円程度で購入可能である。
壊れていなくても使用感のあるシャワーだと清潔感の面で印象がマイナスに働くし、入居後の故障防止という意味でも、セットで交換して入居者さんに新品のシャワーを気持ちよく使っていただくのがおすすめだ。
■ついでにシャワーホルダーの交換にもぜひトライを
せっかくなので、シャワーホルダーもぐらつきや劣化があるようなら交換してみてはいかがだろうか。ホルダーは壁面にネジとアンカーで取り付けてあるが、ネジが緩んだり、ネジ穴が広がることによりぐらつきを生じる(アンカーについては第4回を参照)。
ネジ穴が大きくなっている場合は、既存の穴をコーキングなどで塞いで別の箇所に新しい穴を開けて取り付けるか、既存の穴にサイズの大きいアンカーや中で傘が開くタイプのアンカーを用いて取り付けよう。第4回で紹介したスピードミニを既存の穴に使うのも良いかも知れない。
ホルダーは水漏れ防止のためにネジをキャップが覆っている場合も多い。マイナスドライバーなどを差し込んでキャップを持ち上げれば簡単に外れる。
また、吸盤式のホルダーに変えるという手もありだ。吸盤の付きが心配な場合は吸盤用補助板を使えば吸着力を高めることができる。
いかがだっただろうか。不器用さでは誰にも負けない!という方でも、今回のDIYならきっとできるはずだ。いくら簡単といえど入居後にクレームが来て対応するとなると大変なので、ぜひ入居前にチェックして不具合の芽は潰しておきたい。