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新聞販売店経営からアパート購入、大家兼不動産屋に。 障がいを持つ2児の将来に備えた投資プラン

不動産投資全般/投資家インタビュー ニュース

2024/04/19 配信

不動産投資家を取材するなかで、ここ最近よく耳にするようになったのが、発達障害などさまざまな障がいを持つ子の育児から不動産投資を始めるケースである。

外で働くことの難しさからお金に働いてもらおうと考えるケースを度々耳にしてきた。そんななか目に留まったのがアラカンで、障がいを持つ2児のパパ、カックンパパちんのブログだ。

家業の新聞販売店を辞め1年半ほどの充電期間の後、不動産業を始めたのが2013年、48歳のときのこと。母親が始めた賃貸経営を引き継ぎ、複数のアパートを所有・管理するが、将来的には2人の子供の生活の助けとなるように収益物件を上手く活用したい。

相続や不動産、お金などの知識を身に付けながら策を練っている。そんなカックンパパちんの体験談を取材した。

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写真はイメージ

異業種から家族が『不動産投資』を始めた理由

デジタル化などの影響で紙の新聞離れが進んでいるが、そうした世の中の変化から、40年以上続けていた家業の新聞販売店をたたんだのが2012年のこと。

「両親が新聞販売店開業後20年ほど、1日3時間ぐらいの睡眠時間で年中無休で働いて新聞販売店を経営していました。2000年頃から徐々に新聞の購読者が減り、かねてより無理なノルマを課せられることもあり、赤字になってまで事業を続けるべきではないと判断しました」

カックンパパちんが驚いたのは、働き者の母親が先を見越してコツコツと財を築いていたことである。

「我が家の不動産投資の歴史をさかのぼると、私がまだ20代の頃に『結婚したら住めるように』と母が戸建てを買ったのが始まりです。当時はまだ結婚には至らず、知り合いの不動産会社に相談して戸建てを人に貸しました。

その不動産屋さんが競売に詳しく、競売でワンルーム6戸に1階が店舗ある築浅のビルを勧められ、母が現金で購入しました」

そして年々悪化する業績を鑑み、新聞販売店経営撤退を見据えて次は「任意売却」(債権者の同意を得たうえで物件を売却し、返済にあてる売却の方法)でワンルームや店舗、倉庫など計10戸あるビルを購入。さらには新聞販売店として使っていたアパートも購入する。

「新聞販売店として使っていたアパートはリフォームして、経営する不動産屋さんの事務所として1階を使っています。新聞販売店時代に2階を社員寮として使っていたのですが、その部分をリフォームして、1K4部屋トイレ付、共同シャワー付きの賃貸として貸し、満室稼働しています」

これだけの多くの不動産を『現金』で購入していったというから、なかなか凄腕のお母様だったことが伝わってくる。

不動産は買ってからがスタート。自ら管理することでお金を守る

新聞販売店を辞めた後に宅地建物取引士の資格を取得し、大家兼不動産屋さんとして、2013年から不動産業を始め今に至る。

「不動産業を始めるまで管理を委託していましたが、管理会社がどうにもよくなかったのです。修繕費が水増しされたり、家賃の流用があったり、決まった日に入金がないこともありました。

入居審査が甘く、変な入居者がいたり、家賃保証会社の審査に通らない人や緊急連絡先を書けない入居者を入れていたり、これは自分で管理しないといけないとの思いもあり不動産業を始めました」

不動産や相続、お金の知識をつけるために、賃貸不動産経営管理士・住宅ローンアドバイザー・2級ファイナンシャル・プランニング技能士・終活アドバイザー等の資格を取得しながら学び続けてきた。

身に付けた知識から相続税の計算をするように。何も対策をしなければ、相続税の支払いが大変なことになると思い対策として、母名義で『初めて』融資を組んで、あえて『借金』を作り、1Kや2K、店舗が入る計14戸のアパートを購入した。

ここで「アパートを増やすことで資産が増えるのでは? 相続税対策になるのか?」と疑問に思うかもしれない。実は相続対策として、賃貸住宅経営はよく選ばれている手段である。人に貸している資産(アパート)だと相続税評価が低くなる。これまで現金購入をしてきて、負債がなかったが、あえて融資を受けることで、お母さんの死後、負債が残り、その分、評価がマイナスとなり相続税を圧縮できるのだ。

「昨年母が亡くなり見送りました。すでに父も亡くなっており、両親が苦労して働いて残してくれた不動産を、自分がしっかり守っていくつもりです」

子供の将来を考えた、上手な資産継承方法は?

そんなカックンパパちんの懸念材料は、親亡き後の2人の子の将来である。17歳の娘は「ダウン症」、15歳の息子は知的の遅れを伴う「自閉症」である。

一般的にダウン症とは、染色体の異常で身体的特徴や知的障害を伴うといわれている。自閉症とは、先天的な脳機能障害によって引き起こされる発達障害の1つといわれている。

「終活や相続など学ぶなかで一度に大金を子に託してもうまく使えず、お金を取られてしまうことが多いと聞いています。そのため『障害者特別扶養共済』制度を利用し、私が亡くなった後に、共済金が2人に毎月入るようにしています。

アパートを残すにしても維持管理が難しいでしょう。有力な候補として考えているのが『不動産信託』を使って、子供達が入居できるグループホームを作り、30年後に運営者に土地建物ごと譲渡する仕組みを利用することです」

ほかにも「後見制度支援信託」や、障がいの等級によって相続税が評価額から対象外になる「特定贈与信託」などについても勉強中であり、どのようなプランが有効なのかをよく検討し、70代までに準備をしておきたいと考えている。

「財産をうまく維持できるかどうかは、その人の器量次第です。親が身を粉にして働いて残してくれた財産を守りつつ、子供達にうまく継承したいと考えています。子には小出しに与えていくやり方がいいと考えましたが、まだまだ勉強中です」

同じように障がいを持つ子のために資産形成や資産継承を考えている人は、ぜひカックンパパちんのブログも参考にしていただきたい。

▽取材協力:カックンパパちん
二代目大家で、不動産会社経営。妻と、ダウン症の娘、自閉症の息子の4人暮らし。宅地建物取引士の他、賃貸不動産経営管理士・住宅ローンアドバイザー・2級ファイナンシャル・プランニング技能士・終活アドバイザー等の資格を持つ。母親が購入した複数のアパートを引き継いで管理する。大の鉄道好き

健美家編集部(協力:高橋洋子(たかはしようこ))

高橋洋子

https://yo-coo.wixsite.com/home

■ 主な経歴

暮らしのジャーナリスト。ファイナンシャルプランナー。
大学卒業後、情報誌などの編集を経てライターに。価値0円と査定された空き家をリノベーションし、安くマイホームを購入した経験から、おトクなマネー情報の研究に目覚め、FP資格を取得。住宅、マネー関連の執筆活動を行う。

■ 主な著書

  • 『家を買う前に考えたい! リノベーション』(すばる舎)
  • 『100万円からの空き家投資術』(WAVE出版)
  • 『最新保険業界の動向とカラクリがよ~くわかる本』(秀和システム)など

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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