賃貸トラブルはさまざまだ。びっくりするようなことが、たくさん起こる。ただその中でも賃借人が高齢者だと、解決までの行程が一筋縄でいかないことは否めない。
建て替えを希望の家主から相談を受けた。6戸のアパートで1戸だけが残ってしまったという、最悪なシナリオだった。
基本交渉がこじれたものは途中から引き受けたりしないのだが、あまりに憔悴しきった家主に懇願されると断れなくなった。悪い癖だ……。
賃借人は70代前半。タクシー運転手をして、まだ現役だという。家賃5万円のアパートで、長年1ヶ月分の家賃が滞納して、追いついていない状態だった。
賃借人は穏やかで良い人だったのだが、最近は手がつけられないくらい怒鳴り散らすということだった。しかも最悪なのは、家主の家とアパートの距離はそう離れておらず、家賃は振込でもなく家主宅に持参しての払いだという。
毎月のように家主は「出ていかない」と怒鳴られていた。その状況に家主は憔悴仕切り、建物の老朽化と賃借人との板挟みで苦しんでいた。
賃借人情報がどれだけあるかが勝負の鍵
建て替えの場合、万が一訴訟に持ち込むと、恐ろしいほどの立ち退き料を裁判官は言い渡す。状況にもよるが、5万円
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