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満室経営に欠かせないターニングポイント。「退去理由」と「他決理由」に学ぶ

賃貸経営/空室対策 ニュース

2022/01/19 配信

さあ、繁忙期。1-3月の出入りを乗り越えて満室・家賃維持で春を迎えるにあたって、設備強化や賃料見直しなど対策も佳境となってきている。

様々な手法が増えている中、大きなヒントとなるのは、意外にも、大切な物件から退去していく入居者の「退去理由」と、見学はしてくれたもののほかの物件に決めてしまった見学者の「他決理由」である。コロナ禍も相まって変わりゆく市場の兆しをつかむヒントにしたい。

仲介営業マンの話を
鵜呑みにしない

対策をストレートに聞いても、忙しい繁忙期は賃料とADの話といった「一般論」になりがち
対策をストレートに聞いても、忙しい繁忙期は賃料とADの話といった「一般論」になりがち

現場で日々、接客をしている不動産会社は生の情報をもっている。仲介の営業マンと収益物件オーナーが直接やり取りしていると、この変化は敏感に感じることができる。

ただ、単純に「どうしたら決まりやすいか」と仲介の営業マンに聞くのは考え物。繁忙期はてんてこ舞い。時には一日7件商談するという猛者もいますから、単純な質問には単純に答えてしまいがち。
「もっと安くで、築浅で駅に近ければ決まります」「AD料を弾んでくれたら、ぼくらも薦めやすい」と、「まあ、そりゃそうだけど」とヒントにならない。

時には、外壁を塗り替えるだけでも入居促進はできる。ライバル物件を知ることが必要だ
時には、外壁を塗り替えるだけでも入居促進はできる。ライバル物件を知ることが必要だ

■情報源@
仲介営業マンから「成約した物件を聞く」

どのライバル物件に決めたのかを、仲介の営業にヒアリングしよう。
どのライバル物件に決めたのかを、仲介の営業にヒアリングしよう。

そこで、対策を探るヒントとなる質問は「先日、見学に来た人は結局、どこの物件を申し込んだの?」という質問だ。入居希望者は平均1.5社しか不動産会社に来店しないので、理論的には66%の見学者はその会社で契約している。

「隣の●●ハイツの角部屋です」「同じ町内の△△マンションの2Fの部屋ですね」「角のハウスメーカーの新築に決まりました」などと情報が入る。

こうして、「自らの物件に見学した」ものの「ほかの物件で契約した」場合は、「その競争に負けた」ので、そこに改善のヒントがある。

「隣の●●ハイツの角部屋」に「私の物件はなぜ負けたのだろう」。と想像してみる。「同じ町内の△△マンションの2F」とはなにが違うのか。ハウスメーカーの新築のほうが家賃は高いはずであり、冒頭の「もっと安くで、築浅で駅に近ければ決まります」は総論ではそうなんだろうが、打ち手にはならない。

すると、「隣の●●ハイツの角部屋」には「テレビモニターフォンがついていて、クローゼットが広いが、うちにはない。フローリングにはしたけど、押し入れは和室のときのままだ」などとヒントが見えてくる。「△△マンションの2Fに負けているのは、そうか壁紙がちょっとアクセントクロスになっていて、ネットが無料だからか」とヒントが見えてくる。

https://www.photo-ac.com/main/detail/22103555
「見学はされた」けど「ほかの物件に契約した」のなら、そのライバル物件の工夫を学ぶ

■情報源A
内覧時の感想

内覧用の鍵渡しをしている自主管理のオーナーの場合は、鍵を渡すときだけでなく、返してもらう時も、仲介の営業マンから話を聞くチャンスだ。

そのときは、「見学した人はなにか言っていませんでしたか? 改善のヒントでもあれば」と聞いてみる。
人は上手く行った話はしたがるが、上手く行かなかったときはあまり情報をくれない。しかし、その上手く行かなかった商談にこそ、解決策が眠っている事がある。

契約に至らなかった理由や、耳障り悪い「セリフ」にヒントがある。
契約に至らなかった理由や、耳障り悪い「セリフ」にヒントがある。

すると「そういえば、エントランスがちょっと暗いと言っていました」「ボタン押し式のふるいエレベーターを奥さんが嫌がっていました」「駐輪場の屋根がないことを学生さんが不満だと言っていました」などの声が聞けることがある。貴重なヒントになる。弱点があったからこそ、契約しない理由(=契約阻害要因)となっていた可能性がある。

管理はサブリースや管理委託先に任せていて、仲介の営業マンに接する機会が少ないというオーナーも多い。

すると、空室対策も時代の変化に敏感に対応することが出来ないかもしれない。そんなケースでは、空室が多い物件の庭でも掃除をしに行って、会話をなにげなく聞くのも良い。ほとんどの物件見学は土日であり、重要な「セリフ」を聞くこともある。

2-3月の土日は、所有物件の掃除でもしながら、見学者の生の声を聞いてみるのもヒントになる
2-3月の土日は、所有物件の掃除でもしながら、見学者の生の声を聞いてみるのもヒントになる

■情報源B
ポータルサイトで
家族に検索してもらう

さて、多くの収益物件オーナーは、入居者世代ではない。高齢の地主さんもいれば、若手の投資家もいるものの、実際に借りている人の多くは若者である。

ならば、ご自身のご子息に、「ちょっと●町あたりでひとり暮らしするとして賃貸物件を探し見てくれないか」とスマホで探してもらおう。その際、できれば一緒に「画面を見る」とよい。

せっかく家賃を3000円下げて、室内物干しと照明もLEDに変えた我が収益物件。ところが、孫娘は「都市ガス+ネット無料+防犯カメラつき」と検索していたら、強化ポイントがずれていたかもしれない。

検索した一覧表には自分の物件が出ている。しかし、くすんだ外観写真の我が物件はクリックもされず、白い床のライバル物件をクリックして、「こっちのほうが、部屋が明るい感じがする」と言うなら、白いラグを敷いてみるだけでも見映えが違うだろう。お客様は、収益物件オーナーとは世代が違うのだ。

自分とは違う世代の家族に、スマホで部屋を探してもらうと、強化すべきポイントがわかる
自分とは違う世代の家族に、スマホで部屋を探してもらうと、強化すべきポイントがわかる

■情報源C
管理担当に「退去理由」を聞く

繁忙期になると退去申請も来る。収益物件オーナーとしては、「もっと早く言ってくれ」と思うし、「また募集か。大丈夫か」と不安の種。あまり退去者の話にはかまっていられない。

しかし、旅館やレストランのオーナーだったらどうだろうか。せっかく泊まってくれたお客様や食事をされたお客様に感想を聞き、次の戦略のヒントにするのは当然のこと。「二度とこんなホテルには泊まらない。だって●●だもん」という感想にこそ、ライバルに勝つためのヒントが満載なのだ。

そこで管理会社経由で、「退去される方の理由と住み心地での改善点など聞いてもらえないかな」と確認をとる。ここで退去理由だけだと「卒業」「転勤」「結婚」「新居購入」など、直接のライフステージの変化だけになってしまうので、「住んでみての感想や不満」をあえて聞いてみる事をお薦めする。

「駅から遠いのに駐輪場に屋根がない」「24時間ゴミ出しOKでないのが不便だった」「廊下が暗くて」といった「暮らしにくさ」は、空室対策の改善策となるだけでない。現在の入居者が長く住み続けてもらう=長く満室経営が維持出来る、ということでもある。

退去理由だけでなく、住み心地がどうだったかを管理会社経由でヒアリングする
退去理由だけでなく、住み心地がどうだったかを管理会社経由でヒアリングする

■情報源D
オーナーが、退去者にお礼の電話をするという手もある

「退去理由は転勤です」などと管理会社が不満までヒアリングをしないこともある。たしかに住み心地の不満までヒアリングをするのは、管理会社には手間が増えてしまう。
ならば「長く住んでもらったので、大家としてお礼の電話をいれる」でも良いのではないだろうか。たとえば、「●●ハイツの大家です。●年住んでいただきお礼の電話をしました。いかがでしたか」と連絡してみてもよいのではないだろうか。

管理会社の立場になると、もしかすると、退去者のアンケートで「管理会社や仲介会社への不満」が露呈してしまうと、「オーナーには報告したくない」という気持ちに駆られる。

「エレベーターが古くなってきたし、エントランスの掃除も不十分だった」というような話は、「そんなにエレベーターの老朽化やエントランスの清掃が問題になっていたのに放置していたのか」と大家さんに怒られてしまうので管理会社が黙っていたい、というような気持ちもあるかもしれない。

だとすれば、退去時に感想を聞くだけでもなにかヒントはつかめるもの。ホテルや飲食店の経営者ならやっていることである。

退去する人にお礼の電話をしながら、改善のヒントを探るのもひとつの手法だ
退去する人にお礼の電話をしながら、改善のヒントを探るのもひとつの手法だ

自らの物件の「見学者」「入居者」の声に耳を傾け、多少耳障りの悪い話も情報として取り入れて、空室対策のヒントとしていく事をお薦めしたい。空室対策の設備やリノベの営業を受けたときも、実際の入居者の生の声を知っていると判断がしやすくなるものだ。

執筆:上野典行(うえの のりゆき)

執筆:上野典行(うえののりゆき)

上野典行

■ 主な経歴

プリンシプル住まい総研 所長。1988年リクルート入社。
大学生の採用サイトであるリクルートナビを開発後、住宅情報タウンズ・住宅情報マンションズ編集長を歴任。現スーモも含めた商品・事業開発責任者に従事。 2008年より賃貸営業部長となり2011年12月同社を退職し、プリンシプル・コンサルティング・グループにて、2012年1月より現職。
All Aboutガイド「賃貸」「土地活用」。日管協・研修副委員長。全国で、講演・執筆・企業コンサルティングを行っている。

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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