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山梨県の甲府市が(仮称)リニア山梨県駅周辺のまちづくり基本方針を策定。ゼロベースから始める新しいまちづくりの展望は

都市計画・再開発(地域情報)/金沢/北信越 ニュース

2023/12/29 配信

リニア新幹線の試験車両
リニア新幹線の試験車両「MLX01-2」の実物。山梨県内にある山梨県立リニア見学センターに展示されている。

(仮称)リニア山梨県駅周辺の状況

リニア中央新幹線の停車駅となる「(仮称)リニア山梨県駅」周辺エリアについて、まちづくり基本方針が甲府市によって策定された。

(仮称)リニア山梨県駅の予定地は、山梨県甲府市北西部に位置し、甲府駅から南へ約4km離れた場所に建設される。

(仮称)リニア山梨県駅予定地の位置図
こちらは予定地が正式決定される前に作成された位置図。2つの赤丸が候補地の場所を示しており、現在では大津町地内の方が建設地に決定されている。

※引用:山梨県

駅予定地の周辺には、主に住宅地と農地が広がっている。一方で、電機メーカーであるNEC関連会社の事業所や、同じく電機メーカーである富士マイクロデバイスの工場などがある。

これらの工場は工業団地として整備されており、製造業を中心とした産業が展開されている。

また、甲府市は過去にリニア新幹線駅の利用者数について想定しており、駅の想定乗降客数は約13,500人/日(甲府駅など周辺駅とリニア新幹線駅を結ぶシャトルバスの運行が前提)となっている。

首都圏駅の乗降客数と比較すると、東京都大田区にある東急池上線の石川台駅や千鳥町駅などと同じくらいだ(2022年度の統計による)。

そして、駅前エリアの想定利用者数(想定乗降客数に通勤・通学者数や新幹線そのものは利用しない人などを追加した人数)は約15,700人/日となっている。

まちづくり基本方針の内容

まちづくり基本方針の対象となっているのは、駅予定地の南北に広がる約24.5ヘクタールのエリアだ。

(仮称)リニア山梨県駅前エリアのまちづくり基本方針 対象エリア地図
駅の北側エリアでは、中央自動車道に近い場所であることを活かした都市整備が進む見込みだ。

※引用:甲府市

駅の北側エリアについては、既に土地利用方針の大枠が決まっており、交通広場・大規模な駐車場・中央自動車道に入るためのインターチェンジなどが設けられる予定だ。

今回甲府市が策定したのは、主に駅南口側のまちづくりに関する方針となっている。方針の大枠となるコンセプトは以下の通り。

  • 都市としての価値が広域に広がっていくようなまちづくりを目指す
  • 県外からの流入者を強く意識して、新たな”ヒト・モノ・カネ・情報”を集めることを目指す
  • これまでのまちづくりではあまりターゲットにしていなかった層を意識することで、”誰一人取り残さない圏域”を作ることを目指す

これらのコンセプトに基づき、リニア駅南側エリアでは、以下のまちづくりのイメージが描かれている。

  • 甲府駅周辺エリアとの連携を取った計画や施策を取り入れる。併せて2つのエリアを結ぶ交通ネットワークの強化を進める。
  • 乗り換えの待ち時間が苦にならない環境づくり、空間整備に取り組む。
  • 人を中心とした交流、交歓、賑わいの舞台づくりを目指す。
  • 世の中の変化や災害時の利用などを見据えた、余裕のある道路空間整備を目指す。
(仮称)リニア山梨県駅周辺まちづくり方針 交流・交歓のイメージ
交流・交歓・賑わいの項に掲載されているイメージ図。具体的なことはまだ何も決まっていないが、イメージ図を見る限りでは、商業施設なども作られるのではないだろうか。

※引用:甲府市

まちづくり基本方針の中で強調されているポイントの1つは「ゼロベースで新しいまちづくりに取り組める」ということだ。

身もふたもない言い方をしてしまえば、現状の対象エリアには目立った都市機能が整備されていないので、今後いくらでも都市機能を詰め込めるということだろう。

実際のところ、名古屋や東京といった日本経済の中心地に車と鉄道どちらでも容易にアクセスできるといった環境は非常に大きなポイントだ。

ネックとなるポイントは、リニア新幹線の明確な開通時期が未だ不透明なことだろうか。

JR東海は12月14日に開通時期を「2027年以降」に変更すると発表した。2027年の開通を断念したものではないとされているが、いずれにしても明確な開通時期は不透明と言わざるを得ない。

しかし、予定の沿線エリアでは自治体が続々と都市開発の方針を策定しているので、今後、甲府市も含めた地方エリアに目を向けてみるのもいいだろう。

取材・文:秦創平(はたそうへい)

秦創平

■ 主な経歴

フリーランスライター。
不動産業界歴約12年を経て2019年からフリーランスのwebライターとして活動を開始。営業マン時代にはセミナー講師の経験も多数あり。
国内・海外を問わず不動産投資に関する記事が専門で、現在では毎月数十本単位の記事を執筆中。特にデータを用いた市場分析が得意で、海外マーケットに関するリサーチ記事の執筆も多数請け負っている。

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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