※引用:東武鉄道
谷塚駅周辺エリアは単身者比率が高く持ち家比率が低い
首都圏で鉄道事業や都市開発事業などを展開する東武鉄道は、東武スカイツリーラインの谷塚駅で、新たな高架下商業施設を9月21日にオープンすると発表した。
東武スカイツリーラインは東京都内の浅草・押上から群馬県の伊勢崎までをつなぐ鉄道路線で、谷塚駅は草加駅の1つ隣の駅だ。
なお、浅草駅から谷塚駅までの所要時間は、25分~35分となっている。
東武鉄道が発表している情報によると、谷塚駅の2022年度1日平均乗降客数は35,038人。
ちなみに、東武鉄道の浅草駅は34,577人なので、同じ路線の中で比較すれば谷塚駅の1日平均乗降客数は浅草駅とほぼ同じだ。
谷塚駅は埼玉県草加市内の駅で、その所在地は埼玉県と東京都との県境にあたる。いわば、埼玉県東部の玄関口とも言えるような駅だ。
※引用:草加市
位置関係を反映しての結果なのか、草加市が発表している統計データブック2022によると、草加市内に住む従業者のうち38%は東京都内に勤務しているという。これは、地元で勤務する従業者の割合(35.1%)よりも多い。
また、草加市の統計データブックには他にも参考になる情報が多数掲載されている。
例えば、エリアごとの家族類型を見ると、谷塚駅周辺に該当する「谷塚中央」のエリアでは草加市内でも比較的単身者世帯が多い。
※引用:草加市
単身者とDINKS世帯を合わせると、その割合は全体の約6割に上る。さらに、エリア別の持ち家比率を見ると、谷塚駅の西口周辺に該当する谷塚町は、草加市内の比較では持ち家比率が低めだ。
また、埼玉県内の市としては、川口市などは投資先としても注目を集めがちだが、草加市における住宅地の地価は川口市の3分の2程度となっている。
※引用:草加市
そのほか、草加市が実施した市民アンケートによると、市民は草加市のことを通勤・通学・買い物の便が良い街だと考えていることがわかる。
※引用:草加市
他の自治体と比較すると、草加市は統計や市民アンケートなどの情報を多数公開しているので、投資エリア選定の参考にしてみると良いだろう。
コンビニ・飲食店やクリニックなどがオープンする予定
東武鉄道のプレスリリースによると、新商業施設の正式名称は「EQUIA谷塚(エキアやつか)」。店舗面積は約1,511㎡で出店店舗数は11店舗となっている。
また、出店テナントとしてはマクドナルドや牛丼屋のすきやなどファーストフードも多い。
※引用:東武鉄道
商業施設の規模としては小ぶりな上に、話題性の大きなテナントが入るわけでもないと言えるだろう。
しかしながら、現状の谷塚駅周辺にはファーストフードの店舗がほとんど見当たらない。
さらに、駅の直近には病院があまり多くないので、エリアの特徴を捉えたテナント構成とも考えられる。
牛丼屋やハンバーガーショップの主な客層は若年層なので、谷塚駅周辺に若手社会人などが集まってくるきっかけとなることを期待したい。
取材・文:
(はたそうへい)