※引用:横浜市
約242ヘクタールの広大な土地区画整理事業
横浜市は「旧上瀬谷通信施設地区」の区画整理事業において、観光・賑わい地区の事業予定者に三菱地所を選定したことを発表した。
旧上瀬谷通信地区は横浜市内でも北西にあるエリアで、大和市や町田市などに近い。
※引用:横浜市
東名高速の横浜町田インターチェンジや保土ヶ谷バイパスの上川井インターチェンジなどが近く、車でのアクセスが便利なエリアだ。
もともとは米軍施設が建っていたが、2015年6月に返還されて以降、横浜市は土地の活用方法について策定を進めている。
計画地全体の面積は約242ヘクタールと広大で、横浜市西区にある「みなとみらい21地区」の約1.3倍に相当するという。
敷地内には2つの川が流れているほか、敷地の南東には森林公園などが広がっているなど、自然が多い特徴を持っているため、敷地の大部分が農用地区域に指定されている。
※引用:横浜市
このエリアにおける街づくりの方針として示されているのは以下のようなものだ。
- 人や企業が集うことによる横浜経済の更なる活性化
- 自然をいかした魅力あふれるまちの実現
- 活力ある都市農業の展開
- グリーンインフラの活用
- 市民生活や経済活動を支える都市基盤施設の整備
- 災害に強い都市づくり
この方針を踏まえた上で、エリアを4つのゾーンに分けてそれぞれ開発していくというのが大枠の考え方になっている。
※引用:横浜市
三菱地所が事業者として選定されたのは、上記の図のうち「観光・賑わいゾーン」の整備に関するものだ。
このゾーンでは「テーマパークを核とした複合的な集客施設を作る」こととなっている。
発表されている構想において、観光・賑わいゾーンはエリアの中心に位置しており、規模としては約125ヘクタールで最も広い。
来場者数の目標は年間1,500万人
三菱地所が計画しているのは「ジャパンコンテンツと最先端のジャパンテクノロジーを活用した次世代型テーマパーク」だ。
現存するテーマパークを引き合いに出すならば、日本のコンテンツにこだわったユニバーサルスタジオジャパンのようなイメージだろうか。
※引用:横浜市
土地区画整理事業全体の構想の中でも「国内外から人を呼び込む観光と賑わいの拠点」を目指すとされているだけあって、インバウンド観光の拠点となるものを意識していると思われる。
テーマパークの内部は、最先端のエンターテイメントが集まるエリア・子どもから大人まで楽しめるエリアなど、世代ごとに対応できるエリアを整備する予定。
なお、観光・賑わいゾーンの中でもテーマパークはその一部であり、ゾーンをさらに4つに分ける構想となっている。
※引用:横浜市
上記の図の中には新たな交通と新駅というものが描かれており、土地区画整理事業の構想では、相鉄線の瀬谷駅からLRTやモノレールなどの導入を図るとされている。
三菱地所の構想では、駅前ゾーンと公園隣接ゾーンにそれぞれ商業施設を設けることになっており、こちらも集客を期待できそうだ。
※引用:横浜市
開業時期は2031年頃で、開業時の総来街者数は年間約1,200万人が見込まれている。そして、段階的に年間1,500万人越を目指すという。
ちなみに、東京ディズニーリゾートを運営するオリエンタルランドの発表によると、2023年3月期の合計来園者数は約2,208万9,000人だ(ディズニーランドとディズニーシーの合計)。
新施設の来街者数が計画通りとなれば、首都圏のテーマパークとしては東京ディズニーリゾートに次ぐ規模となるだろう。
周辺エリアの地価などにも影響を与えると予測されるだけに、計画の実現に期待したいところだ。
取材・文:
(はたそうへい)