前回のコラムでは1棟目を買うまでにやった事について書きましたが、今回のコラムは不動産投資を始める上で目標を決めることが重要、という話をしたいと思います。
不動産投資を始めたいと考える理由は人それぞれだと思いますが、目標は何でしょうか? 昔の私のように会社員をやめたいから、自分の給与と同じだけ不動産で稼ぎたいという方もいれば、今よりいくらかの追加収入が欲しいという方もいます。
またそれを実現するまでの期間に関しても、5年という方もいれば定年までに出来ればいいという方もいらっしゃると思います。当然ですが必要な額が大きければ大きいほど、期間が短ければ短いほどその達成は難しくなり、借入が必須となってきます。
現金のみの場合と借入をした場合、月々約10万円の不動産からのキャッシュフローを得るまでの期間はどのくらい違うでしょうか? 具体的に首都圏で物件を購入した場合の収入をシミュレーションしてみたいと思います。
■ 自己資金500万円で始めて月10万円のCFを得るためにかかる期間は?
当初の貯蓄額は500万円、今後も労働収入から毎年50万円ずつ貯蓄し、不動産収入はすべて貯金するとします。
<現金のみの場合>
1年目: | 不動産の勉強開始 年末の残高 550万 |
2年目: | 関東圏に550万円 利回り12%の戸建を購入(諸経費50万)、貯蓄50万、年末の残高 0万 |
3年目: | 不動産収入60万(自主管理、経費年間6万)、貯蓄50万、年末の残高110万 |
4年目: | 不動産収入60万、貯蓄50万、年末の残高220万 |
5年目: | 不動産収入60万、貯蓄50万、年末の残高330万 |
6年目: | 不動産収入60万、貯蓄50万、年末の残高440万 |
7年目: | 不動産収入60万、貯蓄50万、年末の残高550万 |
8年目: | 関東圏に550万円 利回り12%の戸建を購入(諸経費50万)、不動産収入60万、貯蓄50万、年末の残高 60万 |
9年目: | 不動産収入120万、貯蓄50万、年末の残高230万 |
9年目で年間120万、月々約10万円の不動産収入となりました。 |
<借入をした場合>
1年目: | 不動産の勉強開始 年末の残高 550万 |
2年目: | 関東圏に3,000万 利回り10%の中古アパートを頭金300万で購入(S銀行で2%30年、諸経費200万)、年末の残高100万 |
3年目: | 不動産収入120万(月々25万、返済10万、管理会社委託、経費年間60万)、貯蓄50万、年末の貯蓄170万 |
1棟購入しただけで3年目に年間120万、月々約10万円の不動産収入となりました。 |
購入時の修繕や税金などを無視したざっくりとした計算となりますが、イメージはつかめるかなと思います。最初の資金があれば、もっと規模の大きい物件を買ったり、戸建を現金で買ってそれを共同担保に入れたりといったパターンもありえます。
もしご自分の目標が月々30万であれば、現金で買う場合と、借入をした場合のどちらかもしくは両方を織り交ぜてやる、など計算してみるとよいと思います。
借入をする=レバレッジをかけることでリスクを負いますが、その分期間が短縮できますしリターンも増えます。私の場合は、最初は大家さんとしての経験を積むために区分や戸建を買うという方法も検討したのですが、5年である程度のキャッシュフローを得るという目標があったため、最初から借り入れをして一棟アパートを購入しました。
■ ライフプラン表を作成してみよう
不動産投資を志す前から、ずっと続けていたことがありました。それは自分を含めた家族のライフプランをExcelで作成することです。( 一時期ファイナンシャルプランナーの勉強をしていた時に、作成方法を学んでいたので、それを応用しました )
目的としては大きな意味での家計簿で、日々の細かいお金は追わないけれど、今のままで生活していくと3年後にはこのくらいお金が貯まるとか、この年に入学などのライフイベントが起こるからお金がこのくらい必要など、家計にも不動産にも応用出来るものです。
これを作成して将来まで見通すと、今の自分の立ち位置が把握できます。元々あまり計画性のない人間だったのですが、ライフプラン表を作成することによって、今どのくらいの額を投資できるのかということが把握でき、ひいては将来までプラン出来るので先のことが何となく不安ということが無くなりました。
不動産投資を始めてからは、これに追加をして「 物件から得られる収入 」なども管理するようにしており、このまま物件を持っていたら5年後にはこのくらいの金額が貯まる、ただ今この金額で売ったらそれ以上の資金が手元に残るから売却を考えようなど、保有と売却をするためのシミュレーションにも使っています。
また、今持っている物件からの収入に加えて、次にこんな物件を買うと3年後はどうなっているかなど、今後の戦略を考えるための元になります。このExcelは少なくとも週に一度は開いており、常に10年以上先までシミュレーションしています。
皆さんもぜひ一度、Webの無料テンプレートなどで十分だと思いますので、自分でライフプラン表を作ってみてください!激しくお勧めします。