こんにちは、モーガンです! 前回のコラムでは営業利益が150%増加し、取引銀行からは好条件の融資の提案を貰えているという話をしました。
参照:営業利益が150%増えました。連続してフルローンで物件を購入するには?
今回のコラムでは、逆に外壁塗装の「 リフォームローンを断られた 」ということをお話ししたいと思います。
好決算を持ってすれば、どんな融資でも通るというわけではないのですね。数千万円のアパートがOKなら、数百万円のリフォームローンは簡単に通るだろうと思ったのですが、見込みが甘かったです(汗)。
銀行との取引実績を作ろうと、あえて少額のリフォームローンに申し込む人もいるかと思います。しかし、それは裏目に出ることもあるかもしれません。今回、銀行の担当者さんの本音が聞けたので、読者の皆さんの融資戦略に参考にしてもらえればと思います!
■ 銀行がリフォームに融資したくない理由
それは、四半期に一度の打ち合わせのことでした。出来上がったばかりの決算書とその財務分析の結果を私から担当者さんにお伝えすると、大変喜ばれました。
自己資本比率や債務償還年数などの主要な指標が良好なまま維持されているので、追加融資の上申書を書く上でも、上司を納得させやすいと褒めてもくださいました。
私はすっかり浮かれてしまったのと、しばらく具体的な案件を持ち込めていなかったので、軽い気持ちで外壁塗装のリフォームローンについて相談してみました。すると、それまでの和やかな雰囲気が一変しました。
モーガン
「 今度、アパート3棟の外壁塗装を予定していまして、その費用に500万円ほど見込んでいます。もしよかったら、お借り入れをしましょうか?」
担当者
「 お気持ちは嬉しいのですが、リフォームローンでは抵当権をつけるわけにはいかないので、担保が取れる物件の融資とは違って、上司が慎重になります( 困った表情を浮かべがなら )」
モーガン
「 そんな風に見るのですか 」
担当者
「 はい。それに、モーガンさんだから正直に言ってしまいますけど、少額なので銀行側の儲けも少ないのです 」
モーガン
「 儲けもないのに、リスクは高いし、事務処理や上司を説得する手間もかかるということですね?」
担当者
「 そうなのです。私はモーガンさんの担当なので、どうしてもやれと言われれば、立場上頑張りますが、できればやめてほしいです。もし気を遣っていただけるなら、なるべく金額が大きくて、担保が取れる物件の融資に取り組みたいです!」
モーガン
「 わかりました。元々外壁塗装は借入するつもりはなかったし、なるべく大きな物件を持ち込めるように頑張りますね!」
このようにして、リフォームローンは断られてしまいました。親切心で振ったつもりだったのに、とんだお門違いでお恥ずかしい限りです(苦笑)。
■ 少額の方が取り組み易いとは限らない
思い起こせば昔、私もこの担当者さんと同じ境遇になったことがありました。法人向けシステムの営業をしていた頃、少額の案件は利益額が小さく、万が一のトラブル対応のコストが捻出できないリスクがあったので、提案したくありませんでした。
何より、少額の案件ばかりに関わっていると、ノルマを達成できません。さらに大きなノルマを課されている営業部長や本部長も嫌がり、より大きな案件に集中するように求められます。これと同じ構図がこの銀行の担当者さんと支店長さんの間にあるのかもしれません。
不動産投資家の心理として、少額の融資で実績を作りたいという気持ちが働くことがあります。少額の方がリスクも低く、通す手間も少ないだろうとも考えます。しかし、今回の事でそれは金融機関サイドから見ると「 ありがた迷惑 」になりえるとわかりました。
例外として、公庫や一部の金融機関には、小さい案件をサポートするためのローンもありますが、一般的には大きな金融機関に行けば行くほど、この傾向は強まると感じています。
私がこのやりとりをしたのは比較的大きな地銀さんです。担当者さんが教えてくれたのは「 最低でも2千万、本音は1億から2億の案件に取り組むようにしないと、営業成績の達成が難しい 」そうです。( そのためには必死に頑張ってくれるとも )
そのほかの私の地域にある信用組合、信用金庫さんだと、望ましい金額はもう少し小さくて1千万から5千万くらいのようです。いずれにせよ、担当者さんの本音をうまく引き出して案件を持ち込むことが重要と言えますね。
そんなことをストレートに聞いていいの?と思う方もいるかもしれませんが、私の経験では意外とすんなり教えてくれます。お互いの期待値がずれたままでは案件がうまく進まないことを、担当者さんも重々承知なのだと思います。
■ まとめ
これは銀行に限ったことではありません。不動産会社の営業さんにもノルマは課せられており、その達成のために必要な金額感があります。少額の物件よりも、大きな物件の指値交渉の方が一生懸命にやってもらえるということもあるでしょう。
そういう意味では、不動産投資にまつわるすべてのステークホルダーには期待する金額感があり、それに自分が合わせていくことも時には必要だと感じます。そこを意識することで、全員の方向性が一致し、追い風が吹くこともあるでしょう。
そのためには必要な自己資金が増えますし、リスクも大きくなります。しかし、次の目標に向けて自己資金を増やしたり、勉強してリスクを減らしたりすることが、自身をコンフォートゾーンの外へ連れ出し、次のステージへと向かわせるきっかけになるかもしれません。
今回のことがあり、私自身はこれまでより大きな物件を銀行に持ち込めるように努力したいと思いました。金融機関の担当者さんとの話には毎回、学びがあります。私の経験が皆様の参考になれば幸いです。