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【大家さんが知っておきたい保険商品】「孤独死保険」がもしもの際の助けになる?

賃貸経営/保険 ニュース

2019/10/13 配信

増加し続ける単身高齢者世帯
賃貸物件は住まいの受け皿

日々のニュースでご存じだろうが、日本の高齢化は進展するばかり。内閣府の「平成30年高齢社会白書」によると、日本の総人口1億2671万人(2017年)のうち、65歳以上人口は3515万人となり、総人口に占める高齢化率は27.7%になった。団塊の世代が75歳以上になる2025年には3677万人に達する見込みで、42年に3935万人でピークを迎え、その後は減少に転じると推計されている。

世界に先駆け、高齢化社会を突き進む日本。賃貸暮らしのシニアは少なくない。
世界に先駆け、高齢化社会を突き進む日本。賃貸暮らしのシニアは少なくない。

これに伴い危惧されているのが、高齢単独者世帯の増加だ。同調査によると、06年は4102千世帯だったのが、16年には6559千世帯にまで伸びている。生涯未婚、諸事情による別離などが数字を伸ばしている格好だが、そこで問題になるのは、単独高齢者の「住まい」だろう。

持ち家があればいいがそうとも限らず、近年は賃貸住まいの高齢者も少なくはない。一方で、年金のみで収入が少なく、加齢などに伴う疾病や孤独死のリスクが高いシニア層に、すんなり部屋を貸したい大家がどれだけいるかというと、疑問が残る。当然の話だろう。誰だってリスクは取りたくない。

65歳以上の高齢単独世帯は増加の一途。安心して住み続けられる場所の確保は、社会問題になりつつある。 (出典)内閣府ホームページ
65歳以上の高齢単独世帯は増加の一途。安心して住み続けられる場所の確保は、社会問題になりつつある。(出典)内閣府ホームページ

しかしながら、手立てがないわけではない。国は民間の賃貸住宅を活用し高齢者など住宅弱者を経済的に支援する当ニュース既報の「住宅セーフティネット制度」を整備し、ここでは同制度に登録した物件オーナーに対して、住宅の改修支援や入居者への負担軽減支援が用意されている。

保有物件があるエリアにシニアが多いなら、行政のサポートを受けながら、彼らを受け入れる手もあるだろう。何よりも、社会課題の解消に貢献できる。

ただし、高齢者を含む単独者を受け入れるには正直なところ、「孤独死」を覚悟する必要もある。いくら、介護サービスを受けたり、近隣・遠方に住む家族のケアがあったとしても、脳出血や心臓発作、ヒートショック、室内での転倒など、突発的なアクシデントにより、誰にも看取られることなく亡くなる可能性はゼロでない。

事故以外に自殺のケースもあり、「第4回孤独死現状レポート」(一般社団法人日本少額短期保険協会 孤独死対策員会)によると、孤独死の平均年齢は61.3歳で、男女ともに60~70代が多い。死因は病死がトップだが、自殺の占める割合も高いという。

男女ともに孤独死の平均年齢は61歳。男性の方が圧倒的に多い。60~70代の割合が高いか、60歳未満も少なくない。 (出典)第4回孤独死現状レポート
男女ともに孤独死の平均年齢は61歳。男性の方が圧倒的に多い。60~70代の割合が高いか、60歳未満も少なくない。(出典)第4回孤独死現状レポート

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単独高齢者は、人間関係や社会から孤立している人も少なくはない。人知れず人生の最期を迎え、数日たちポストにたまった投函物や異臭をきっかけに遺体が発見される事態は、既に散見している。

高齢者の孤独死は避けられないからこそ
保険による手当を検討したい

乱暴な言い方になるが、大家は単独高齢者を受け入れるなら、孤独死を視野に入れた方がいい。遺体の腐敗具合で室内は汚損したり、元の状態に戻すには、それなりの費用も発生する。

身寄りがいない場合は、オーナーの金銭的負担は重く、事件性がない事故であっても次の入居者は見つかりにくく、空室リスクも高まるばかり。そのために家賃を下げれば、死活問題だ。

そこで活用を考えたいのが、大家が入居者の孤独死で発生するリスクをカバーする「孤独死保険(各社で名称は異なる)だ。基本的には大家が掛け金を支払い、トラブルが起きた際は補償を受けられる。

例えば、三井住友海上火災保険は、15年より火災保険に付帯できる、「家主費用特約」のサービスを開始。「家賃収入保険金」では、賃貸住宅内で孤独死などの死亡事故が発生し、事故発見日から90日以内に賃貸住宅(上下左右の隣接個室を含む)が空室となり生じた損失に対して、補償が受けられる。

加えて、賃貸可能な状態に復旧するための修復、改装、清掃、消毒または脱臭などにかかった原状回復費用、被保険者が支出を余儀なくされた遺品整理費用、葬祭費用など事故対応費用も、1回の事故につき100万円を限度に「死亡事故対応費用保険金」として支払われる内容だ。

損保ジャパン日本興亜も、これに近しい「事故対応等家主費用特約」を個人用火災総合保険の特約として用意している。賃貸住宅内での死亡事故に伴い空室・値引き期間が生じた場合に家賃の損失を「家賃収入保障」として支払い、原状回復費用や事故対応費用も「死亡事故対応費用補償」で一部まかなわれる。

大手保険会社だけではなく、「ミニ保険(死亡保障300万円、医療保障80万円、損害保険1000万円までの保険商品のこと)」を販売する、少額短期保険会社も孤独死保険を扱うケースが増えている。

例えば、アイアル少額短期保険が販売する「無縁社会のお守り」は、賃貸住宅の戸室内で死亡事故が起きると、状況に応じて原状回復費用(1事故最大100万円)、家賃保証保険金(最長12カ月間、1事故最大200万円)、事故見舞金(5万円)が支払われるという仕組み。保有戸室数が4戸室以上の大家が対象で、1戸室当たりの保険料は月300円と低額だ。

エイ・ワン少額短期保険でも「あんしん住まいるオーナー保険」を、大家や行政関連団体向けに販売し、ここでは孤独死後の片づけや葬祭費用を補償。戸室あるいは1棟単位での加入ができ、保険金額は前者で15~70万円、後者で50万円だ。

アソシアが提供する「大家の味方」は、火災や風災、水災、死亡事故などで賃貸物件が損害を受けた場合、復旧期間中の家賃を最大6カ月補償、修理費費用や臨時費用補償の特約も用意されている。年間保険料は家賃補償で「家賃×1.22%」、特約保険料は「戸室数×2570円」となっている。

東京海上ミレア少額短期保険、東京海上ウエスト少額短期保険が扱う「お部屋の保険 ワイド」は、入居者が加入する孤独死保険だ。入居時に入る火災保険に、被保険者の死亡による修理・遺品整理費用の保障が含まれている。

東京海上ミレア少額短期保険/東京海上ウエスト少額短期保険による「お部屋の保険 ワイド」の概要。死亡による修理費用が補償される。(出典)東京海上ウエスト少額短期保険公式サイトより
東京海上ミレア少額短期保険/東京海上ウエスト少額短期保険による「お部屋の保険 ワイド」の概要。死亡による修理費用が補償される。(出典)東京海上ウエスト少額短期保険公式サイトより

このように、孤独死保険には様々なタイプがある。物件規模などで保険料や補償内容は異なるので、ニーズにマッチした商品を選ぶのがポイントだ。単身者の受け入れを考えるなら、加入を検討してはいかがだろうか。

健美家編集部(協力:大正谷成晴)

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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